嘘の夢の話 6月10日
銀行で順番待ちをしている。もうだいぶ待っているが一向に呼ばれる気配がない。呼び出し番号を告げる電光掲示板には何桁とも知れない天文学的な数字が表示されているが、私の番号は未だ呼ばれていない。私は改めて自分の番号札を確認する。そこには、こちらを馬鹿にするような笑みを浮かべた男のイラストが描いてある。私はがっくりきて、番号札を丸めて捨てようとする。
しかしその時、紙に描かれた顔がアニメのように動き始める。余裕たっぷりの笑顔が徐々に強張っていき、目と口を大きく開いた苦悶の表情に変貌する。顔はしばらくの間救いを求めるように口をぱくぱくさせていたが、やがて動かなくなる。それと同時に、呼び出しのベルが鳴る。立ち上がってカウンターへ向かおうとしたが、体が動かない。顔を上げてカウンターの方を見ることすらできない。カウンターからは複数人の大人が話し合う声が聞こえてくる。その内容はよく聞こえないが、私について話しているということはわかる。


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