嘘の夢の話 7月6日
キャンピングカーに乗って大陸を移動している。運転は誰か別の人がしており、私はベッドに横になって雑誌を読んだりしている。窓から外を見ると、雑草の一本も生えていない乾いた赤茶色の大地がどこまでも続いている。こんな土地でも、キャンピングカーに乗っている限りは何不自由ない生活を送れるということに私は深い安らぎを覚える。
冷蔵庫から冷えたコーラを取ってきて、再び雑誌に目を落とす。この雑誌はdancyuみたいなグルメ情報誌で、その中に実際の相撲部屋で作られているというちゃんこ鍋のレシピが紹介されている。いつか作ってみようとそのページの端を折っておくが、その瞬間私は強い虚無感に襲われる。まるで夢から覚めたように、途端に何も楽しくなくなってしまう。私は車の窓を開け、雑誌を外に投げ捨てる。それで何が変わるわけでもなく、私はベッドにただ横たわって背中に車の振動を感じている。


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