嘘の夢の話 7月21日
視力検査を受けている。双眼鏡みたいな器具を覗き込み、そこに映っている気球を見るタイプのやつである。景色がぼやけたりクリアになったりするのを眺めているうちに、私はなぜか自分がその気球に乗っているような錯覚を覚え始める。
視力検査を受けている視点からだとあの気球は割と低い位置に浮かんでいるように見えたが、実際はかなり空高く飛んでいるようだ。眼下には草原が広がり、遠くの方には森や山も見える。美しい景色に見とれていたのも束の間、私は強い不安に襲われる。自分はこの気球にたった一人で乗っており、気球の操縦方法も、この場所がどこかもわからないのである。気球はただ風に流されていくばかりで、その先に何があるのかと考えると恐怖で叫びだしそうになる。その瞬間視点が正常に戻り、私は慌ててレンズから目を上げる。するとそこは、賑やかなファミレスの一席である。向かいには誰かが座っていて、その人の前にはものすごくでかいパフェが置いてある。パフェのせいでその人の顔は見えない。そしてそのパフェはすでに溶けかけており、クリームが垂れて全体の形が崩れ始めているのに、その人はパフェに手を付けようとしない。


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