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<樺太帰還在日韓国人会>結成から半世紀の記録類 「歴史資料館」に寄贈
樺太帰還在日韓国人会会長の李羲八さん
 解放後、望郷の思いを抱きながらサハリンに取り残された同胞の帰還運動に半生を捧げてきた李羲八さん(86、東京都足立区)が、サハリンと韓国の留守家族との間で取り交わしてきた手紙、写真、訴状などすべての資料を東京都港区南麻布の在日韓人歴史資料館(姜徳相館長、韓国中央会館別館)に寄贈した。

 資料は段ボール箱4箱分。なかでも貴重といわれているのが手紙類だ。姜館長は、「困難な政治の壁に阻まれて帰国の希望を閉ざされてきた同胞と、韓国で帰りを待ちわびる留守家族が交わした手紙から、被害者たちの叫び声が聞こえてくる。切れば真っ赤な血がほとばしってくるかのようだ」と語った。一時は韓国に送られるのではという話もあっただけに、姜館長は「資料館の存在が認められた証」と喜んでいる。

 李さんは1943年5月、故郷の面事務所に掲示された樺太人造石油株式会社の坑外夫「募集」に応じ、2年の約束でサハリンに渡った。約束の2年が過ぎると再徴用された。1946年から始まった日本国への引き揚げでは朝鮮人約4万3000人が対象外とされた。李さんは日本人妻を持つことから特別に引き揚げが認められ、家族とともに1958年1月に舞鶴港に上陸した。

 李さんは同じく引き揚げ者の朴魯学さんらとともに1959年に樺太帰還在日韓国人会を結成。サハリンから送られてきた手紙を韓国の留守家族に取り次ぎながら、帰還希望者約7000人の名簿をつくった。この名簿は後に韓国政府が日本政府に帰還を働きかけるうえで基礎資料となった。

 また、75年から高木健一弁護士らが日本国を相手取って樺太残留者帰還請求訴訟を起こすと、自ら原告に名前を連ねた。

 李さんは「これらの資料は僕たちが一生懸命やってきたなごりだ。僕が死んでからといって無にしたくなかった」と語った。資料館ではいずれ企画展を行う考えだ。

(2009.7.1 民団新聞)
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