《暴行動画に批判殺到の花井組》社長らが書類送検で会社の今後は…元従業員は「解体に向けて準備中」、会長は「解体とは決まっていない。結果が出てくれば、いずれわかる」と回答
今年5月、北海道札幌市にある建設会社「花井組」の社員寮を撮影したという動画がSNSで大炎上した。むせび泣く若者に対して、男が「歯向かうのか? この野郎!」と殴る蹴るの暴行を加える様子を捉えていた。画面には「2025/03/25」と日付が記されており、どうやら防犯カメラの映像のようだ。 【写真】〈少し脅してこいや!〉〈俺のこと、舐めるなよ!〉花井組の“ヤバい会社LINE”
暴行を加える男性が社長、被害者が従業員だと“特定”され、〈犯罪だよなこれ〉〈普通に暴行罪では?〉と批判が殺到。プロバスケットボールチーム「レバンガ北海道」の公式X(旧Twitter)は、同社とのサポートシップパートナー契約を解除することを発表した。 また、同社からの申し出を受けて、札幌市は、「さっぽろまちづくりスマイル企業」や「札幌市ワーク・ライフ・バランスplus企業」など5つの制度について認証・登録を取り消した。さらに全6件の公共工事について契約を解除するとともに、4か月間にわたる入札参加の停止を決定した。 6月中旬には、社長と役員の男ふたりが傷害の疑いで書類送検された。すでに会社の公式サイトは閲覧できなくなっているが、現在、会社はどのような状況なのか──。社長とは長年の付き合いで元従業員だという男性から話を聞いた。 「あいつとは30年来の付き合いですが、騒動が起きてから電話に出なくなってしまったので、彼自身がどういう状況になっているのかは知りません。ただ、花井組は解体に向けて準備を進めていて、約10名の従業員たちはそれぞれ就職活動をしているところだと聞きました」 この男性は10年ほど前まで花井組に勤めていたが、社長の振る舞いについていけず退職したという。
「動画で殴られていた従業員は、社長の親族の子どもです。ただでさえ土木業界は厳しいのに、家族関係ということもあって、マインドコントロールされているような状況だったんじゃないかな。 自分が働いていた当時、毎晩、飯食いに社長の家に寄らないといけなかったんですよ。社長は説教癖があって、従業員ひとりずつ、なんやかんやと説教されていた。それに耐えられなくて、俺は社長とケンカして辞めました」 この元従業員は「会長はこの事態を深く悲しんでいる」とも語る。書類送検された社長は3代目で、現在の会長と血縁関係はないという。 「会社の規模を大きくするために合併した経緯があり、会長と社長に血縁関係はありません。だからこそ会長は、花井組が危機に陥っていることに強いショックを受けています。会長のお子さんがバスケをしていたから『レバンガ北海道』のスポンサーになったのに、それも契約解除になってしまい……」 会長にも取材をしたところ、「会社の解体などは、正式にはまだ何も決定していません」との回答だった。騒動への思いなどについてはノーコメントを貫いたが、「(今後について)答えが出てくれば、結果が出てくれば、いずれわかると思いますよ」と語った。 1939年に「土木請負業花井組」として創業した花井組。85年を超える長い歴史の末に、どんな答えを出すのか──。