逆に何が起これば休講になるのか―。 「津波警報」に列島が揺れる中、大学の「あるメール」がSNSで物議 大学側の回答は…
JR一部運休、静岡県内最大 津波60センチを観測
カムチャツカ半島沖の巨大地震で津波警報が発令され、静岡県内で公共交通網が乱れる中、静岡大工学部(浜松市中央区)の対応にSNSで波紋が広がった。 7月30日午前9時40分ごろ、ロシア極東カムチャツカ半島東方沖で発生したマグニチュード(M)8.8の地震により「津波警報」が発表された。これに伴い、静岡県内でもJR東海道線などが一部運休。31日午前0時5分ごろまでに下田港など6地点で60~20センチの津波を観測し、最大229カ所の避難所には8203人が身を寄せた。
「試験は通常通り受けてください」Xで772万表示
沿岸から約7キロ離れた高台に位置する静岡大工学部では午前10時5分、津波警報が発表されたが、予定通り期末試験を実施する旨のメールを「【10:00時点】本日の試験について」と題して学生らに送付。 メールには「津波警報が出ていますが、現時点では休講等の予定はありません。期末試験は通常通り受けてください」と書かれていた。 このメールに対し、「逆にどういうことが起こったら休講になるのか気になる」とコメントしたX(旧ツイッター)の投稿は、772万表示(7月31日午後7時時点)を記録。投稿には「『試験を受けろ』とか言うのに、『落ち着いて行動しろ』とか無茶やね」「南海トラフ来ても休講にならなそう」など、大学の対応に疑問を呈する声が相次いだ。
「単位が欲しければ、電車が止まっても登校するよう迫られているように見える」と話すのは、機械工学科の男子大学生(3年)。市外から通学する学生も一定数いる中での判断に疑問を抱いたという。また、別の男子大学生(2年)は「勉強が追いついてなかったので休講を期待してたのに」と本音を漏らした。 この最初のメールから約1時間半後の午前11時33分、大学は改めて「安全を最優先に、無理をして来校しないように」との連絡を学生に送った。欠席した場合の追試や補講についても対応する旨が伝えられた。
対応が二転三転…静岡大が明かした判断の経緯
Xで物議をかもしたメールがなぜ送られたのか。静岡大は静岡新聞社の取材に対し、「(最初のメールは)全学的な判断ではなく、当時の状況を踏まえて工学部から発信されたもの。工学部の初動の連絡が先行し、その後、全学的な対応方針をお知らせする形となった」と回答した。 学生によると、工学部では他学部とは別に「遅延証明書の提出」を追試験申請時に要求する旨のメールを送付。翌日31日昼ごろに提出不要と一転したという。 同大広報担当者は、二転三転した対応になったことに対し「学生の皆様に不安や混乱を与えてしまったことを深く反省します」とした。 ◆静岡県内のほかの大学はどのように対応したのか。 続きはサイド記事「災害マニュアルを作成していた大学『迅速な判断できた』」へ。