夏の全国高校野球 広陵が大会中に出場辞退 暴力問題理由に

甲子園球場で開かれている夏の全国高校野球で、広島の広陵高校がことし1月、複数の野球部員が下級生に暴力をふるったことなどをめぐる問題を理由に2回戦を前に出場を辞退することになりました。

高野連=日本高校野球連盟によりますと部員の暴力などの不祥事によって大会中に辞退したのは、今回が初めてだということです。

広陵高校の堀正和校長が10日午後、兵庫県西宮市にある大会本部を訪れたあと会見しました。

この中で堀校長は冒頭、部員の暴力問題などを理由に2回戦を前に大会の出場を辞退することを表明し、「各方面の皆さまに多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを深くおわびいたします」と謝罪しました。

広陵高校は、ことし1月に複数の野球部員が下級生の部員に対し個別に暴力をふるったなどとして高野連から3月に厳重注意を受けていたことを明らかにしています。

これとは別に元部員が監督やコーチ、一部の部員から暴力や暴言を受けたという情報がSNSで広がっています。

広陵高校によりますとこれまでにSNSなどで指摘をされた事案は、新たに確認できなかったとしていて、元部員の保護者からの要望に応じことし6月に弁護士などで作る第三者委員会を設置し、調査を進めているということです。

堀校長は「事態を重く受け止め、本大会の出場を辞退した上で指導体制の抜本的な見直しをはかることにいたしました」と説明しました。

また1回戦を終えてからの辞退となったことについては「事実確認をして、新しく報告しなければならないことや、不祥事に関するようなことが出てくれば直ちに検討していたが、そういったことは結果的にはなかった。しかし大会運営に支障をきたしたこと、高校野球の信頼をもっと失っていくようなこと、さらには生徒や教職員の人命に関わることが起きてしまうのではないかと、そういったことを含めて最終的な決断をした」と話しました。

広陵高校は春のセンバツ高校野球で3回の優勝をするなどの強豪で、甲子園球場で開かれていることしの夏の全国高校野球に3年連続26回目の出場を決め、今月7日の1回戦では北北海道の旭川志峯高校に勝って2回戦に進んでいました。

広陵高校の辞退によって2回戦で対戦する予定だった三重の津田学園は不戦勝となるということです。

高野連によりますと夏の全国高校野球では、代表校が部員の暴力などの不祥事によって大会中に辞退したのは、今回が初めてだということです。

広陵高校とは

広陵高校は広島市安佐南区にある1896年に創立された私立の学校です。

野球部は1911年に創部され、部の歴史は100年を超えます。

甲子園には春のセンバツに27回、夏に26回出場していて春のセンバツでは3回の全国制覇も果たしていて、多くのプロ野球選手も輩出しています。

部員の数はマネージャーもあわせて164人の大所帯で、1990年に監督に就任した63歳の中井哲之監督が長くチームを率いています。

辞退までの経緯

広陵高校の野球部をめぐっては夏の全国高校野球が今月5日に開幕する直前に、部内で暴力があったという情報がSNSに投稿され、拡散しました。

これを受けて広陵高校は1回戦に臨む前日の今月6日の夜にこの投稿に対する見解を発表し、ことし1月に寮で禁止されていた行為をした当時1年生の野球部員1人に対し2年生の部員合わせて4人がそれぞれ個別に暴力を伴う不適切な行為をして、3月上旬に日本高校野球連盟から厳重注意と該当する部員が1か月間、公式戦に出場できない指導を受けた事案だと説明しました。

その後、2年前に野球部の元部員が監督やコーチ、一部の部員から暴力や暴言を受けたという別の情報がSNSに投稿され、拡散しました。

これについても広陵高校は7日の1回戦に勝ったあと見解を発表し、去年3月に元部員から被害の申告を受けて2度にわたって調査したものの指摘された事項は確認できず、外部の弁護士などで作る第三者委員会で調査を進めている事案だとしています。

SNS上では部員の顔写真や実名などが拡散していて阿部文部科学大臣が「インターネット上ではさまざまな意見が飛び交っているが、匿名性が高いSNSなどでは発言がエスカレートし、ややもするとひぼう中傷として新たな人権侵害を生むことにつながっていくので、ぜひ冷静な対応をお願いしたい」と呼びかける異例の事態になっていました。

【会見の詳細】

(広島県高野連/田中専務理事)
私、本日司会を務めさせていただきます広島県高等学校野球連盟の専務理事をしております田中と申します。よろしくお願いいたします。それでは、ただ今から広陵高等学校校長、堀より取材対応させていただきます。よろしくお願いいたします。

(広陵高校/堀正和校長)
本日は、皆様大変お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。広陵高等学校校長の堀正和でございます。昨日、広陵高等学校の母体であります学校法人広陵学園の理事会を臨時に開催し、第107回全国高等学校野球選手権大会において、広陵高等学校の2回戦以降の出場を辞退することを決定いたしました。先ほど大会本部に出場を辞退させていただくことを申し入れ、ご了承をいただきました。今大会に出場しているチームの皆様、高校野球ファンの皆様ほか、大会主催者である日本高等学校野球連盟、朝日新聞社、広島県高等学校野球連盟、各方面の皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。本校硬式野球部を巡っては、過去に日本高等学校野球連盟に報告をした部員間の暴力に伴う不適切な行為だけではなく、監督やコーチから暴力や暴言を受けたとする複数の情報がSNSなどで取り上げられています。こうした事態を重く受け止め、本大会への出場を辞退した上で、速やかに指導体制の抜本的な見直しを図ることにいたします。なお、新しい事実が発覚したわけではございません。現在、第三者委員会などで調査をしていただいている事案につきましては、全面的に協力をしてまいります。私も、昨日、広島県高等学校野球連盟の副会長の辞任を申し入れました。本校は、正課の活動のみならず、部活動などの課外活動においてもいかなる暴力も認めないことを掲げてまいりましたが、今回の事態を招いたことは誠に遺憾であり、忸怩(じくじ)たる思いです。今後2度とこうした事案が起きないように、再発防止に全力で注視してまいります。力を注いでまいります。なお、現在SNSなどで配信されている画像や投稿の中には、事実と異なる内容、憶測に基づく投稿、生徒の写真など、関係しない生徒へのひぼう中傷や加害の予告も見受けられます。生徒および教職員の名誉と安全を保護するためにも、このようなことがないよう何とぞご理解を賜りますようお願い申し上げます。改めて、皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。

質疑応答

(事務方)
皆様からのご質問があろうかと思いますので、お受けさせていただきたいと思います。質問のある方は手を挙げていただきまして、その後、指名、こちらで指名させていただきますので、指名されましたら、社名とお名前を言っていただきまして、質問をお願いしたいと思います。では、お願いします。

Q:テレビを代表して質問させていただきます。一部重複するところもあるかと思いますが、昨日、9日の臨時会というところでございますけれども、ここまでに至った経緯というところを改めて教えていただきますか?

A:ご存知の通り、本校は大会に出場する際に事案が生じた場合は、広島県高等学校野球連盟を通じてその報告書を出しております。それを出して、日本高等学校野球連盟から指導を受けた状況を踏まえ、大会に出場していいかどうかを判断し、今大会に挑んでまいりました。そういった中で、1件、報告していることが内容が違うんじゃないか、といったようなことがSNSに上がりました。その際に、途中経過の報告を、その該当する生徒の親御様と本校の野球部の部長の方で、やり取りをさせていただいていました。その途中経過の報告内容がSNSに上がって、それが途中である状況でありましたが、見られる方はそれがすべてだと思われたと思います。それが、最終的に調査した結果は、本校が報告した内容でした。その違いが生じたことで、多くの問題が出たように思います。そして、その時に、日本高等学校野球連盟、朝日新聞社にもご相談をさせていただいて、本校としても声明文を出し、その事案が間違いないのであればということで、日本高等学校野球連盟、朝日新聞社の方からも、大会本部からも声明文を出していただきました。それで、初戦を終えたその時にですね、私が確認したのが、全然報告を出してない事案です。この事案については、退部した生徒、1年生の時にですね。その生徒がそのまま学校生活を送り、それから1年経った頃に突然こういうようなことがあったっていうようなことであって、すべてそれについては聞き取り調査を学校で行いました。その結果、野球に関わるような報告するような事案を調査した結果、逆に関わる内容について出てきたところの部分については、全部細かく調査をしたんですが、事実関係が出てきませんでした。そしてそれを受け、今現在、第三者委員会に委ねています。その子も大切な生徒なので、第三者委員会に委ねて、その結果を待っている状況です。その状況を踏まえて、そこで何か事実が出ればすぐさま、日本高等学校野球連盟様にご報告を申し上げるんですが、それが事実が出てきていない状況の中では、大会に出場していいと判断して、この度出場してまいりました。しかし、先の1件目の件、それによるSNSでの大きな反響、さらには今の結果の出ていないその件について、いろんなひぼう中傷、そういったものが出てまいりました。これにおいては、大会運営に大きな支障をきたしている。同時に、本校も一生懸命、甲子園を目指して頑張ってきて、学校でありながらも高校野球の名誉、信頼を大きくなくすことになる。そして、わがごとで大変申し訳ございませんが、本校にいる生徒、登下校でひぼう中傷を受けたり、追いかけられたり、寮で爆破予告があったり、そういったようなこともSNS上で騒がれています。校長として、生徒、教職員、地域の方々の人命を守ることは最優先することだということを踏まえ、先に述べたことと合わせて事態に踏み切ることを決意しました。

Q:何時ごろどのような報告をしたのか。
A:12時半に報告を行うということで大会本部様の方にお願いをしておりましたので、そちらで今、話をさせていただいたような内容でご報告をさせていただいて、辞退の受理をいただきました。

Q:それに対して本部からは何か?まだありませんか?
A:学校として考えるべきところをしっかり考えていただいて、そしてさらにまた頑張っていただくように激励の言葉をいただきました。

Q:中井監督とはどのタイミングで、どのようなご案内をされましたか?
A:中井監督も本校の理事の1名でございます。昨日の理事会において、急きょ宿舎から広島に帰ってきていただいて、18時から理事会を開催いたしました。ただ、中井監督においては、当事者であるが故、ご自身も理事会に出席することはおそらく難しいと私は思うということを進言され、理事長以下理事も「それはそうだ」ということを受けて、話がしやすい環境を作り、この度のことを客観的に話を詰めていきました。そして、中井監督は「すべて理事会の決定に委ねます」、そのように申しております。

Q:中井監督は、選手の方にはどのようなタイミングでどのように伝えられているのか?
A:本日、選手の方ですが、昨日の夜、理事会を終えて、その決意を宿舎にいる野球部長に連絡を入れました。そして、選手は失意のどん底だったと思います。ですが、日頃から連携が取れていると思っております。子供たちの本当に心を立て直すことはまだ厳しい状況ですが、落ち着いてけさを迎え、けさ9時半頃だと思います。宿舎を出発して、バスで広島の方に今向かっております。そして、広島の方で、おそらく3時ぐらいまでには到着をするだろう。で、到着をして、そして野球部員全員が寮生なもので、寮でいったん待機をさせて、私が皆様とのお話を終えてただちに広島に帰り、責任を持って校長が話をした上で、監督もそこで選手の方に言葉をもらうようになっています。それを終えて、保護者会の方に、昨晩、保護者会長の方に、「理由は言えませんが、明日5時頃に集まってください」ということで、部長の方から保護者会に連絡を入れております。選手の方の話が終えたら、私の方から保護者会の方へも説明をさせていただくように考えております。

Q:最後に、ことしから、4月からいろんな流れがありました。改めて、校長としてどこでどのような対応をすればよかったなど、現時点あれば。
A:やはり1つ1つの事象を最後までいい形と言いますか、円満に終える、確かに両者が納得をして終える、そのような形を取ることが何より最優先だと、そこを校長として深く反省をしております。そこのことを職員に指導できなかったことは、校長としての私の責任だと思っております。

Q:まず、理事会で議案が決定されたということなんですけども、今のやり取りでもある程度ということがわかるんですが、例えば理事会で決定した、理事会決定した理由は?
A:理事会で決定した理由なんですけど、先ほど申し上げました理由がすべてです。それで、理事が5人います。5人いて、中井監督が外れていますので、4人の理事で決議をしました。

Q:お話聞いていますと、やはりひぼう中傷等が過熱する状況になったから?
A:言われる通りです。そのことと、もう1つは、生徒、保護者、そして地域の方、やはり学校は全校生徒、全教職員を私は守る責務があります。それを全うすることが何より最優先だという見地に立って決定をいたしました。

Q:今の話聞いて、SNSの過熱を受けて、こういった状況で辞退するというか、しなければいけなくなってしまったことについては?
A:先ほどもお話をいただきましたように、やはりそこに行くまでになぜもっと細かいお互いが了解し合えるような対応、対処をしなかったのか。それについて私自身も一つ一つの事案を細かくそこまで確認できていなかったこと、これが大きな問題だと思っております。

Q:関係ない選手もこうやっていくには責任を負う形になると思うが、こちらについてはどうか。
A:苦渋の決断です。おっしゃられる通りです。そういうことをしなければいけない状況になったこと、校長としてこれからどうしていくのかということを、子どもたちのケアを含めて真摯(しんし)に考えて参りたいと思います。

Q:もう1つの第三者委員会が6月に設置されたと思うが、その時点で疑いのあった監督やコーチの当事者の選手たち、そこらへんがグレーなので、彼らも広島大会に参加すべきではなかったのかなという考えもあるが。
A:これについては第三者委員会で、第1回目もしくは2回目。ご本人さんが申し入れられた申告、内容が非常に不確定なものだったと。というのは、いつどこで誰がというような、その辺のところがすべてよく確認できないような申告だったということで、学校でも聞き取りを行いましたが、なかなかその辺のところの聞き取りも十分で、十分というか、できなかったというのが現状でございます。第2回目で委員の前に本人さんが立って、本人の口から委員の方に、自分の思いなり申告をされたというのが今の状況でございます。

Q:6月の時点で設定されたと思うんですけど、彼らは疑惑にはなっていたわけだが。
A:まずは第1回目はですね、そういうことがあったいきさつなりなんなりを学校の生徒指導の担当の教員が委員の方に説明したと。それを受けて2回目の本人からの申告なり何なりを受けたというような状況で、今2回目が終わって、今月末に3回目を行うという予定にしております。全面的に協力をしていきたいと思っております。

Q:監督やコーチからの暴力の部分については。
A:いえ、確認はしておりません。確認はしましたけど、そういったことは一切ございません。

Q:中井監督から辞任の申し入れは。
A:いや、まずですね、抜本的に野球部の先ほど申しましたけど、運営体制とか環境、そういったことをこちらの方できちんと把握をしていきたい、調査をしていきたい。その上でということにしてますので、監督とそういうことの話はまだ一切しておりません。ただ、しばらくと言いますか、その間はまず指導から外れてもらういうことは伝えております。それは監督本人も承諾をしております。

Q:先ほどの寮の爆破予告というのは、どのような形で。
A:ネットのほうにですね、そういったことがあったという話を私も聞いてます。まだ自分で確認はできておりません。

Q:直接、メールとか手紙ではない。
A:そうだと思います。はい、申し訳ありません。もう一度、確認しておきます。
事務長:警察のほうから今の話について、こういうものが書き込まれてるよという連絡があったと。それも受けまして、警察もパトロールを強化いたしますというようなですね、対応していただいております。申し訳ございません。私が当日こちらにいたもので、そこははっきり今答えられなくて申し訳ありません。

Q:今回のSNSでの騒動について、生徒たちは昨日連絡するまで把握していたんでしょうか。
A:いえ、基本的にですね、本校の選手たちは、選手たち自身が携帯電話を持っていかない、それを彼らのチームのみんなが考えたんです。野球に集中しようということで。それを指導者の方で了解をして行っておりましたもんで、このことについては選手たちは何もわからない状態だったろうと。ただ、野球部長の方がいろいろ動きが慌ただしかったところもあって、何らか心配をしておった者もおるかもしれません。でも、基本的には分からなかったと思います。昨晩が初めてだと思います。

Q:昨日は、野球部長にはどのように伝えたのか。
A:野球部長の方には監督の方から連絡をしてもらいました。監督はそれを理事会の決定を承認して、それを野球部長の方に連絡をして、その具体的な文言は私の方も今は把握はしておりません。「伝えました」という報告を受けて、選手はどのような状態かということで、先ほど申したような状態だということで確認は取っております。

Q:理事会では4人で決議を行ったということだったと思うんですが全体一致だったか。
A:最終的には全会一致です。

Q:反対意見もあったか。
A:いや、反対と言いますか、やはり事情をより詳しく知りたいということで、細やかな説明を1つ1つ説明をしていく、そういったような形で、時間もかかりましたが、やはり厳密な、しかも大変なことなので。生徒1人の進路がかかっていることもあります。本当に人生がかかっていることがあるので、慎重に慎重を期して決断をしたというのが結論です。

Q:運営体制を調査したいということだと思うが、その間指導から外れてもらうというのは、学校が運営体制を調査する間ということは、第三者委員会の決定が出るまでというような意見を持っているのか。
A:学校が運営を調査する間です。そこにおいて何らか第三者の関係が必要であれば、それも検討していきたいと思っております。

Q:この運用の調査っていうのは、スケジュール感としては。
A:まだこれからそこを決定していこうということです。

Q:これまでを振り返りますと、2005年の明徳義塾は大会前に辞退した。けれども、今回は大会前からSNSでこうした事案が盛り上がってたに関わらず、1試合終えた後での辞退ということに。選手たちのプレーしたいという希望を考えた思いもある。
A:やはり本校が事実確認が、新しいものが出て、要するに報告しなければならないことや、そういった不祥事に関するようなことが出てくるのは直ちに検討していると思います。それがなく、現在もそういうことが起こってる事態では結果的にはありません。ですが、大会運営に支障をきたしたこと、そして高校野球の信頼をこれ以上いけばもっと失っていくようなことをやってしまうこと、さらには自校の生徒や教職員、これらの人命に関わることが起きてしまうのではないかと、そういったことは最終的な決断です。思いもそこが全てです。

Q:SNS上では、略して言うが、カップラーメンの件とあと大会の開幕に合わせたくらいのタイミングで性被害の話もあったが。いずれも第三者委員会を設置しているのか。
A:いえ、それは第三者委員会は設置しておりません。これについては、相手方の親御様の方が被害届を警察に出されて、それについて学校も全面的に協力をしています。それで今協力をしていろんな結果を待っている状況ではあります。第三者委員会は2件目だけです。1件目のところは、本校においては基本的には調査は全て終わってると思っておりますので。

Q:あの暴力とカップラーメンの事案。
A:そうです。はい。

Q:冒頭のご挨拶で監督やコーチから暴力事案があったという話があったが。
A:それは現在それがあるわけでは、あったわけではありません。それはあくまでひぼう中傷とかSNS上に上がっているということです。私の説明が十分でなかったと思います。それが上がっているが故に、それらのことも含めてということです。だから、事実があったということでは一切ございませんので、よろしくお願いいたします。皆様方、いま一度、この度はお時間を割いていただきましたこと、そして本校はこういうことで色々ご心配、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。

選手たちを乗せたバス 学校に到着

夏の全国高校野球の出場を辞退した広島の広陵高校の選手たちを乗せたバスは午後4時半ごろ、広島市安佐南区の学校に到着しました。

選手たちは大会中、関西の宿舎に滞在していましたが、9日夜出場辞退を決めたことを受けて10日午前、広島に向けて出発していました。

野球部の保護者会で辞退に至ったいきさつなどを説明

野球部の保護者会は10日午後7時ごろから広島市安佐南区にある広陵高校で開かれ、およそ250人の保護者が参加しました。

学校によりますと保護者会には堀正和校長や中井哲之監督などが出席し、辞退に至ったいきさつなどを説明しました。

その上で、今回の事態を受けて学校が部の運営体制や寮の環境などを調査し、その間は中井監督は野球部の指導から外れることなどを説明したということです。保護者から質問や意見は出なかったということです。

これに先立って10日夕方、バスで学校に戻った甲子園のメンバーも含めたおよそ160人の部員全員に対しても、辞退の理由などについて説明したということです。また、堀校長は広島県高校野球連盟の副会長を務めていましたが9日辞任を申し入れ、受理されたということです。

不戦勝となる津田学園監督 3回戦「しっかり準備をしたい」

広陵高校の出場辞退にともない、2回戦が不戦勝となる三重の津田学園の佐川竜朗監督は大会本部を通じてコメントを発表しました。

この中で佐川監督は「監督として過去2回、夏の甲子園に出場して、2回とも2勝目の壁が破れなかったので、3回目の今回は2勝目をかけた広陵との対戦を楽しみにしていました。中井哲之監督には甲子園練習の時に『守備をふだん通りにしっかりやれば2回勝てるよ』と声をかけていただき、その後の組み合わせ抽選会で、勝ち進めば広陵と当たることになったので宿命的なものも感じていました」と記しました。

そのうえで「SNSを通じていろいろな話が飛び交っていたのは承知していますが、選手には『グラウンドに立ったら雑念は切り離せ』と言い続け、1回戦以後は広陵をイメージした練習をしてきただけに、今回の辞退は残念でなりません。3回戦までは日があくので、今夜にも選手たちに事情を説明して練習メニューを考え、『広陵戦から頭を切りかえよう』と言うつもりです。選手たちも2回戦を楽しみにしていたので、経験値が1回少ないまま3回戦を迎えるのはやや不安もありますが、しっかり準備をしたいと考えています」とコメントしています。

高野連事務局長「新たな事実は確認ができていない」

高野連=日本高校野球連盟の井本亘事務局長が広島の広陵高校の出場辞退を受けて報道陣の取材に応じました。

高野連では、学校からの報告をもとに審議したうえで、広陵高校の複数の野球部員が下級生の部員に対し個別に暴力をふるったなどとして、ことし3月、野球部に対し厳重注意をしました。

こうした対応について高野連の井本事務局は「甘いのではないかという意見もあるかもしれないが、過去の事例と照らし合わせて公平に審議した。これまでに学校から報告を受けた内容以外に新たな事実は確認ができていない。新たな事実が判明すれば審議をやり直さないといけない。現状はそれが出てきていない」などと改めて述べました。

高野連 寶馨 会長「関係するすべての皆さんに深くおわび」

高野連=日本高校野球連盟の寶馨 会長は、広島の広陵高校の出場辞退について「関係するすべての皆さんに迷惑と心配をかけ、深くおわび申し上げる。学校が真相究明を進め、誰もが納得する形で解決することを願っている。高野連としても改めて、暴力を認めないという姿勢を徹底するよう全国の加盟校に強く求め、暴力や暴言、いじめなどがない健全な高校野球を追求したい」と述べました。

また、広陵高校が1回戦を終えたあとで辞退に至ったことについては「できれば試合の前に辞退となればよかったが、試合の当日に新たな事実が発覚したので、試合を行わざるを得なかった。加盟校から報告が上がってこないことには事実の認定ができないため、今後は日本学生野球協会とも相談して不祥事に対する審査の方法を改善する必要があれば、検討したい」と説明しました。

朝日新聞 角田克社長「スピード感 対応できる体制作りを」

この問題では、SNSを通じて情報が拡散していますが、大会の会長を務めている朝日新聞の角田克社長は「まずは事実を把握しないと判断をするのが難しいが、SNSはスピード感をもって進んでいくため、スピード感に対応できる体制作りを、真剣に考えていかないといけない」と話していました。

OBのプロ野球選手は

広島の広陵高校が夏の全国高校野球で2回戦を前に辞退したことについて、野球部のOBでプロ野球の西武の渡部聖弥選手が10日の試合前に報道陣の取材に応じました。

渡部選手は、「広島大会で敗れて甲子園に出られなかったチームが悔しい思いをしている中で広陵高校が辞退したことは自分が逆の立場だったらすごくやるせない気持ちになると思う。母校のOBとして申し訳ない」と話していました。

また高校時代、寮で同じ部屋でともに過ごした楽天の宗山塁選手とも母校の問題について連絡を取ったことも明らかにしました。

その上で渡部選手は「少し前にこういうことが起きているなとお互い記事を見て話した。内容についてもこんなことがあったんだとびっくりしている」と話しました。

甲子園がある兵庫県西宮の人たちからは

広島の広陵高校が出場を辞退したことについて、甲子園球場がある兵庫県西宮市の人たちからは、さまざまな声が聞かれました。

毎年のように、甲子園球場で夏の大会を観戦しているという20代の男性は、「大会が始まる前に辞退していれば、初戦で負けたチームが2回戦に進めたかもしれないので、対応が後手後手となり、良くなかったと思う。地元の人間としては残念だ」と話していました。

今月5日の開会式を球場で見たという60代の男性は、「辞退が遅かったと思う。広島県の高野連が報告を受けた時点で、もっと厳しい処分をすべきだったと思う」と話していました。

別の20代の女性は、「野球を頑張って甲子園に出場したのに、不祥事で辞退してしまうのは残念だ。ただ、まだ事実かどうか分からないのに、SNSで誹謗中傷が相次いだのは、どうなのかと疑問に感じている」と話していました。

大会中に辞退は今回が初 開始前に辞退・棄権のケースも

高野連=日本高校野球連盟によりますと、夏の全国高校野球では、代表校が大会が始まる前に出場を辞退したり、棄権したりしたケースは過去に6件ありましたが、部員の暴力などの不祥事によって大会中に辞退したのは、今回が初めてだということです。

このうち2005年には、高知の明徳義塾高校が夏の甲子園の出場を決めたあとで、野球部員による喫煙や暴力行為が明らかになり、大会前に出場を辞退しました。

また、4年前の2021年には、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、宮崎商業が初戦の前に、宮城の東北学院が1回戦に勝ったあとに出場を辞退しています。

一方、春のセンバツ高校野球では、不祥事などで出場を辞退したケースが、過去に13件あります。

このうち2000年には、福井の敦賀気比高校の野球部員が、無免許で車を運転して交通事故を起こしていたとして辞退し、2006年には北海道の駒大苫小牧高校が、部員の飲酒などの問題で辞退しました。

新型コロナの影響では、3年前の2022年に、京都国際高校が大会への出場が決まったあとでチーム内に感染が広がったとして、出場を辞退しています。

夏の全国高校野球での出場辞退・棄権校

1922年 新潟商
1939年 帝京商(東京)日大三中(東京)
2005年 明徳義塾(高知)
2021年 宮崎商 東北学院(宮城)

春のセンバツ高校野球での出場辞退校

1935年 浪華商(大阪)
1952年 門司東(福岡)
1958年 浪華商(大阪)
1965年 高知商
1967年 津山商(岡山)
1971年 北海(北海道)
1975年 門司工(福岡)
1984年 函館有斗(北海道)
1987年 東海大浦安(千葉)
1992年 神戸弘陵(兵庫)
2000年 敦賀気比(福井)
2006年 駒大苫小牧(北海道)
2022年 京都国際

あわせて読みたい

スペシャルコンテンツ