広陵 2回戦辞退の決定は9日 選手の様子は「失意のどん底」「心を立て直すことが厳しい状況」携帯持参せずで「何も分からない状態だった」
広陵(広島)は10日、堀正和校長が甲子園球場の大会本部を訪問し、第107回全国高校野球選手権大会の第9日・津田学園(三重)との2回戦の出場を辞退すると発表した。 【写真】大勢の報道陣に囲まれ出場辞退を発表する堀正和校長 広陵は大会直前、1月に発生した暴力事案がSNSで話題に。メディアでも報じられ、出場を巡り批判的な声も起こる中、7日の1回戦で旭川志峯(北北海道)に3-1で勝利していた。 辞退決定は前日9日。部長を通じて選手に伝えられた。選手は午前中に宿舎を出発した。今後、保護者会も開くという。 甲子園大会には携帯電話は持ってきておらず、「携帯電話は持っていかないと決めていた。選手たちは何も分からない状態だった」と伝えた。 堀校長は選手の様子について、「選手は失意のどん底だったと思うが、日頃から連係を取れていると思う。心を立て直すことが厳しい状況ですが、落ち着いて今朝を迎え、9時半ごろ宿舎を出発して広島にバスで向かっている」とした。 過去の甲子園大会では2005年夏の第87回大会で、明徳義塾(高知)が部員の不祥事で出場を辞退した例がある。開幕後では21年大会で東北学院(宮城)、宮崎商が選手の新型コロナウイルス陽性が判明して辞退した例があるが、不祥事では初めて。 ▽広陵を巡る騒動の流れは以下。 1月22日…暴力事案が発生。 8月5日…SNSの情報をもとにメディアが報じたことで、学校側は当時の状況を当時1年生だった部員が部内で複数の上級生から暴行を受けたことを認めた上で、当時聞き取り調査を行い学校側の規則に則った指導を実施したと説明。高野連に報告し、今年3月に高野連から厳重注意を受けていたと公表した。当該部員は転校し、その後、全国高校野球選手権広島大会が行われていた7月に被害届が提出されたことも明らかとなった。 8月6日…広陵が調査結果を含めた詳細な経過を公表。高野連も出場判断に変更なしと発表。 8月7日…旭川志峯戦に3-1で勝利。 8月7日…旭川志峯戦の試合後、高野連と大会本部は別件で被害を訴えている元部員から情報提供があったと発表。広島県高野連を通じて広陵に確認が行われ、訴えのあった内容について「確認できなかった」と回答があったと説明。「第三者委員会を設置し、現在調査中」との報告もあった。 8月8日…広陵が新たに話題となった事案について説明。2023年に野球部の元部員が監督とコーチ、一部の部員から暴力や暴言を受けたとする情報などについて、調査の結果「指摘された事項は確認できませんでした」とした。その上で第三者委員会を設置し、調査中とも説明。