全国高校野球選手権大会の出場辞退を発表した広陵高(広島)について10日、大会の角田克会長(朝日新聞社社長)と日本高野連の宝馨会長が兵庫県西宮市内で記者会見を開いた。報道陣の質問に角田会長は「SNSのスピード感に対応できる体制づくりを考えないといけない」などと述べた。
--広陵高は辞退の理由を暴力行為とともに、SNS上の誹謗中傷などで大会運営の支障になっていることを挙げていた
宝会長「そういう情報が出てくることが、学校としての対応に不十分な部分があったのかもしれない。そういう反省も含め、一つのけじめとして辞退をされた」
--高野連として学校としての対応に望むところは何があった
宝会長「われわれが学校の中のことについて、とやかく言うことはできない。事案があったら徹底的に調べて報告書をあげてもらうという形を全国の加盟校にに求めたい」
--直接関与していない生徒、学校関係者を守る対応について
宝会長「部員の中にはまったく関与していない人もいるでしょうし、対戦校に迷惑をかけることにもなった。温かく見守ってもらいたいし、厳しくも指導したい」
--批判が集まった理由には(暴力事案に対して厳重注意をしたことが)規則として報道されなかったことと、学校の調査の正当性が上がっていると思う。その点について見直す必要は
宝会長「学生野球憲章に則っている裁定ですから、学生野球協会とも相談しながらということになる」
角田会長「6月にスポーツ基本法が改正されまして、そこで暴力やハラスメントのことも含め、さらにSNS等の誹謗中傷への対策に努めなければならないということで、規定に入ってきた。これは高校野球に限らず、あらゆるスポーツで変えていかないといけないと法律の改正がありましたので、私たちも高野連のみなさまも一緒になって、どういうことがさらにでき得るか、これを契機としてともに歩んでいきたい」
--SNS上で参加校を辞退に追い込むようなことが、今後も起きうる懸念もあると思うが
角田会長「ファクトが何かということを把握したうえでないと、判断するのは難しい状況。SNSのスピード感に対応できる体制づくりは考えないといけない」
宝会長「フェイク的な情報もあると思うが、情報が流通することは決して悪いことではない。今まで握りつぶされていたことが明らかになることや、従来被害者が泣き寝入りしていたようなことがなくなっていくこともあると思う。悪い面ばかりではないと思うが、誤情報には気をつけないといけないし、時代の変化に迅速に対応していかないといけない」
〈終わり〉