エクアドル邦人銃撃 幸せの絶頂、旅先で暗転
「幸せの絶頂だったろうに……」。南米エクアドルの邦人銃撃事件で死傷した夫婦は、昨年12月に結婚式を挙げたばかりだった。楽しいはずの新婚旅行中に起きた惨事。突然の悲報に2人の親族らは声を詰まらせた。
親族や友人によると、死亡した夫の人見哲生さんと大けがをした妻の真梨子さんは昨年12月22日、真梨子さんの実家がある金沢市で挙式。2人とも市内の会社で求人情報誌の営業をしていたことがあり、明るい性格からそろって職場のムードメーカー的存在だった。
事件は昨年12月28日、エクアドル最大の都市グアヤキルで発生。2人は現地から直行便が発着しているガラパゴス諸島へ向かう予定だったとみられる。
埼玉県白岡市にある哲生さんの実家近くに住む女性は、哲生さんの家族から事件を知らされ「ショックで一日中泣いた。正義感が強く行動力があった。奥さんを最後まで守ったんだと思う」と涙ぐんだ。
遺体は今月3日に現地で荼毘(だび)に付され、家族と共に4日、帰国の途に。実家近くの男性は「幸せの絶頂だったろうに。家族に掛ける言葉がない」と悲痛な表情で話した。
哲生さんと大学で同級だったという東京都の男性会社員(30)は「彼女思いで、2人の写真をウェブに載せていた。犯人が許せない」と憤った。
真梨子さんは現地の病院に入院し治療中。家族が付き添っているという。金沢市に住む真梨子さんの祖母は「詳しいことは分からない。『おばあちゃんも出席してね』と言われ結婚式に出たばかりだった。幸せそうだったのに大変な目に遭って」と言葉少なだった。
夫婦いずれとも友人関係という男性(30)は「2人は明るくて笑いが絶えず、みんなから好かれていた。そろってよく海外旅行をしていたが、こんなことになるなんて」と声を震わせた。〔共同〕