【福岡山口 記録的大雨】新幹線など影響 各地で冠水やけが人も

福岡県と山口県では10日の日中、線状降水帯の発生が相次ぐなど記録的な大雨となり、山陽新幹線が終日運転取り止めとなりました。
各地の影響や被害をまとめました。

≪交通影響≫

【山陽新幹線 広島~博多の上下線 終日運転取りやめ】

山陽新幹線は大雨のため広島駅と博多駅の間の上下線で10日の運転を終日取りやめています。JR西日本によりますと、11日も大雨の影響にともなう設備点検などの状況によっては、始発から遅れや運休が発生する可能性があるとしています。

JR広島駅の新幹線改札口ではお盆に帰省しようという人などで混雑していました。

新幹線に乗ろうと駅に来た人たちは駅員に今後の見通しを尋ねたり、携帯電話で連絡を取ったりしていました。息子と大阪に向かう予定だという広島市に住む男性は「大阪に帰省して家族と食事する予定でしたが、遅れが出ているため間に合いません。しかたがないので再開を待ちます」と話していました。

大雨の影響で山陽新幹線や複数の在来線で運転が見合わせとなり、JR博多駅は運行情報を確認する利用客などで混雑しています。

福岡県内 高速道路各地で通行止め

西日本高速道路によりますと、大雨の影響で、福岡県内では10日午後6時半現在、関門自動車道は門司インターチェンジと下関インターチェンジの間で、九州自動車道は門司インターチェンジと福岡インターチェンジの間で、東九州自動車道は北九州ジャンクションとみやこ豊津インターチェンジの間で、いずれも上下線が通行止めとなっています。

≪けが人や被害の情報≫

山口 阿武町 国道脇の斜面崩れ軽自動車が巻き込まれる 1人軽傷

10日午前10時ごろ阿武町木与の国道で、道路脇の斜面が崩れて土砂が道路に流れ込みました。警察によりますと、走っていた軽自動車が崩れてきた土砂に巻き込まれ、運転していた70代の男性が軽いけがをしたということです。

山口河川国道事務所によりますと斜面は大雨の影響で崩れたとみられ、この国道は現場付近のおよそ2.2キロの区間で10日午前11時半から通行止めになっていて、復旧の見通しは立っていないということです。

山口県阿武町

山口県阿武町の国道191号で午前11時40分ごろに撮影された映像です。

道路左手の斜面から、樹木とともに土砂が崩れ落ちてきていて、ヘルメットをかぶった人たちが、近くで状況を確認しています。

また午後2時半ごろに撮影された映像では、ショベルカーを使って、土砂をトラックに積んでいる様子が写っています。

撮影した道路の維持管理業者の男性によりますと、土砂は30メートルほどの高さから崩れているように見えたということで、現場付近には損傷した軽トラックが停車していたということです。

福岡県 冠水が1件土砂災害3件(14:00)

福岡県のまとめによりますと、10日午後2時時点で北九州市のアンダーパスで冠水が1件発生したほか、福岡市西区小呂島で1件、宗像市で2件、土砂災害が発生したということです。いずれもけがをした人などは、いないということです。

北九州市八幡西区 JR折尾駅周辺で一時通行止め

北九州市八幡西区のJR折尾駅周辺では、市道がおよそ200メートルに渡って水につかり、一時通行止めとなりました。

午後3時半ごろにNHKが撮影した映像では、道路の中央線が見えないくらい水につかっています。交通整理にあたった北九州市の職員によりますと道路の冠水は10日昼ごろから始まり、午後2時ごろに最も水位が上がったということです。

近所に住む50代の女性によりますと、一時は膝の高さくらいまで水に浸かったということで「茶色く濁った水が道路にたまっていてびっくりしました。この後も雨が心配です」と不安そうに話していました。

≪各地の大雨の状況≫

福岡県直方市

10日午後4時ごろ、福岡県直方市で撮影された映像です。

道路の広い範囲が茶色く濁った水で冠水し、白線が見えなくなっています。

また、雨も強く降っています。

撮影した男性によりますとこの道路は当時、冠水の影響で通行止めになっていたということです。

男性は「自宅へ帰る途中、ほかにも冠水している道路があり、それをよけようとする車で渋滞が起きていた」と話していました。

福岡県北九州市

福岡県北九州市の奥洞海駅付近の国道を走っていた車の助手席から撮影された映像です。

道路が冠水し、水が前方を走る車のバンパーのあたりの高さにまで達しているのがわかります。

撮影した男性は「雨水は山側のほうから流れてきているようでした。どの車もみんなゆっくりと走っていました」と話していました。

福岡県宗像市

9日夜から10日未明にかけて、1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降った福岡県宗像市のJR赤間駅の周辺では、道路が冠水し、一時、通行止めとなりました。

午前8時半ごろには、すでに通行止めは解除されていましたが、道路脇にある水路の水が茶色く濁って道路の高さのギリギリまで増水していました。

また道路には冠水した際に流れてきたとみられる落ち葉や草が散乱していました。

近くのフランス料理店の店主は「雨の音で目が覚めました。近所の人から『水があがってきている』と連絡があり、急いで駆けつけて店の入り口を土のうやブルーシートで塞ぎました。水はひざ下まで来ていました。大雨が降ると毎年、こうなるので県や市には対策をとってもらいたいです」と話していました。

福岡県新宮町

10日午後5時半ごろ、福岡県新宮町で撮影された映像です。

住宅街の道路が冠水していて、建物や車が水につかっています。

撮影者によりますと、雨が強く降り始めてから30分ほどで、道路が冠水したということです。

午後7時ごろの時点で水は引いたということですが、泥で滑りやすい状態が続いているということです。

山口県下関市

10日午後3時半ごろ、山口県下関市の住宅から撮影された映像です。

下関市を流れる友田川から、茶色に濁った水があふれ、手前の道にまで流れ込んでいます。

撮影した男性によりますと、午後1時ごろから急激に水位が上がったということです。

男性は「ここに住みはじめて5年ほどになるが、ここまで水位が上がったのを見たのは初めてだ」と話していました。

山口県下関市

山口県下関市で午後2時ごろに撮影された映像です。

道路が冠水し、濁った水が流れている様子が確認できます。

撮影した女性によりますと午後1時ごろから雨が強まり、1時間ほどして外に出るとすでに冠水していたということです。

近くにある川に向かって水が流れ込んでいたということで、足首ほどの深さがあったということです。

女性は「この地域に30年ほど住んでいますが道路が冠水したのを見たのは初めてです。これまで経験したことがなくとても怖いです」と話していました。

山口県下関市

10日午後2時半ごろ、山口県下関市で撮影された映像です。

撮影した男性によりますと、駐車していた自分の車を移動させるため短時間、外に出た際に撮影したということで、雨が降り続く中、道路が冠水し、奥に写っている車のタイヤの部分が、水につかっているのがわかります。

近くを流れる川があふれたようだったということで、男性は「いままで見たことがないような雨で、このまま夜まで降り続いたら、家屋にまで水が来てしまうのではないか」と話していました。

大分県日田市の中心部でアンダーパスが冠水

大分県日田市の中心部では、10日夜8時すぎ、JR久大本線の高架橋の下を通るアンダーパスが冠水し、通行止めとなっています。

道路を管理する日田土木事務所によりますと、通行できるようになるめどは立っていないということです。

日田市では、午後8時までの1時間に105ミリの猛烈な雨が観測されました。

JR新宮中央駅前 ロータリーが冠水

10日午後6時15分ごろ、福岡県新宮町にあるJR新宮中央駅前の映像です。

駅前のロータリーが広く冠水していて、走行する車はタイヤの半分ほどの高さまで水につかり、大きなしぶきをあげています。

また、水の中につかりながら歩く人の姿も確認できます。

撮影した男性は、「きょうは一日中、雨が降り続けていて、気がついたら駅前が冠水していました。10年ほど近くに住んでいますが、これだけ冠水するのは初めてです」と話していました。

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