捕鯨文化、多彩に発信 鮎川で「まつり」にぎわう 石巻

 石巻市牡鹿地区の拠点エリア「ホエールタウンおしか」で9日、第64回牡鹿鯨まつり(実行委員会主催)が開かれた。同地区の鮎川港などで水揚げしたツチクジラ約60キロ分の炭火焼きを振る舞い、地元小中学校や団体のステージイベントを展開。全国屈指の捕鯨基地として栄えた地域の文化を多彩に発信した。

地元の児童や生徒らが捕鯨船の前で勇壮な舞を披露した

 炭火焼きは750食を無料で提供し、約1時間でなくなった。エリア内の展示捕鯨船「第16利丸(としまる)」前に設置されたステージで、地元小中学校の児童生徒が学校伝統の舞を次々に披露した。8号玉や特大スターマインなど350発を打ち上げる花火を楽しみに訪れた人も多かった。

 ステージに参加した牡鹿中3年松村弥岬(みさき)さん(14)は「地元の人が笑顔で拍手してくれてうれしかった」と話した。祖父の勤さん(74)は「勇壮な踊りと音楽がよかった。祭りは地域の知り合いと顔を合わせるいい機会になる」と喜んだ。

 鯨まつりは海難事故の犠牲者の慰霊や鯨の供養のため1953年に始まった。模型のクジラめがけて捕鯨砲を撃つ実演を目玉にしてきたが、東日本大震災後は防潮堤整備など周辺環境の変化を理由に中止している。斎藤富嗣実行委員長は「来年は65回の節目を迎える。実演の再開を目指して祭りを続けたい」と語った。

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