“大量閉店”ヴィレッジヴァンガードの危機的状況。「地方唯一のサブカル文化の発信基地」だった時代の終わり
相対的に下がる影響力
かつて「ヴィレヴァンっぽい商品」を売る店は、もちろん都市部にはいくつもあったものの、ヴィレヴァンの主戦場である地方都市にはそれほど多くはなかった。 だが、考えてみて欲しい。令和となったいま、リアル店舗で買い物をする場合、「友達にオモシロ雑貨をプレゼントしたい」ならばディスカウントストアの「ドン・キホーテ」を、「推し(2次元)の新グッズを手に触れてチェックする」ならば漫画・アニメ専門店の「アニメイト」を、「未知の海外菓子に出会う」ならば輸入食品店「カルディコーヒーファーム」を真っ先に連想する人が少なくないだろう。これら3社はかつて地方都市では店舗が少なかったのだが、いずれも2015年から2025年にかけて「47都道府県すべてへの出店」を達成。ヴィレヴァンの主戦場である地方でも、ヴィレヴァンの影響力は相対的に大きく下がっているといえよう。 また、ヴィレヴァンの多くの店頭には「何かと回したくなってしまうガチャガチャ」がずらりと並んでいる光景もおなじみだが、今やそのガチャガチャさえも「かつて商業施設の空きスペースなどにひっそりと置かれていた」ような存在から、大型の「ガチャガチャ専門店」がすべての都道府県に出店するほどに。なかには「ヴィレヴァンの隣にガチャガチャ専門店がある」というショッピングセンターすらある。 地方においても、オンラインのみならず実際に手に取って選べるリアル店舗の選択肢が増えたいま、「確かに最近ヴィレヴァンで買い物しなくなったなぁ…」という読者も多いのではないだろうか。 もちろん消費者にとって選択肢が増えたことは嬉しいのだが、もはや「ヴィレヴァンが地方唯一のサブカル文化の発信基地」であった時代は終わりを迎えつつあるのかも知れない。
遊べる本屋も「リアル店舗からオンライン」へ?
ヴィレヴァンは赤字が続くなか、反転攻勢策の1つとして「実店舗網を縮小しつつオンラインショップ事業を強化すること」を掲げている。 しかし、オンラインショップこそリアル店舗以上に競合が激しい分野だ。言うまでもなくオンライン上ではヴィレヴァンならではともいえる「遊べる本屋」の魅力を存分に感じることができるとはいいがたく、ヴィレヴァンはさらなる荒波へと船を進めることとなる。 果たして、われらの青春を支えた「ヴィレヴァン復活」の日は来るのだろうか。 【参考】 菊地敬一(2005):「ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を」新風舎. 【若杉優貴(都市商業研究所)】 『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken
日刊SPA!