エディーローソン EddieLawson
シャケさんが冒頭に言って
いる指摘が全てを示す。
エディ・ローソンはとにか
くアクセレーションが円滑
で繊細で飛び抜けて巧い。
フロントブレーキレバーの
かけ方は1本(エディ、平)、
2本(ケニー他一般的)、4本
(サロン)等いろいろあるが、
ブレーキングからパーシャ
ル→スロットルオンまでの
流れがエディの場合は極め
てスムーズに移行する。
かつ、旋回速度自体が他の
ライダーより速い。
急減速区間をほぼ取らずに
グラデーションのようなプ
ログレッシブで短い減速方
法で物理的限界値に限りな
く近い高い速度のままコー
ナーを旋回していくのであ
る。
これは頭で解っていても、
なかなか実現はできない。
多くのライダーは世界トッ
プクラスを走るライダーで
あっても「減速させすぎる」
のだ。
結果、コーナーの突っ込み
で速くて人を抜けても、旋
回自体が継続的最高速旋回
よりも遅くなり、脱出速度
も遅くなる。
コーナー手前の直線での最
高速は各車ほぼ差が無いの
で、このコーナー進入部と
旋回区間の速度の高さは結
論的に総合的な速度が上が
り、タイムが短縮される。
「必要以上に減速させてか
ら高い速度に上げて旋回
する」のではなく、「高い
速度のままコーナーに入
り高い速度で旋回する」
という乗り方がエディ・ロ
ーソンの乗り方だった。
ある意味、350や250のマシ
ンの走らせ方に近い乗り方
をエディは500ccのモンス
ターマシンで実行していた
のだった。
この乗り方は、後年、ヤマ
ハワークス250の本間利彦
選手が極めて似た走らせ方
をしていた。250だけでな
く500においても。
本間選手の旋回速度が他の
ライダーよりも速かったの
はなぜか、というテーマが
モーターサイクルレーシン
グスポーツの技術解析の一
つとしてあるが、その謎解
きのキーポイントとして、
エディと同じく急減速急加
速をしない乗り方を本間選
手が実行していた事に着目
する必要がある。
絶妙なブレーキングによる
速度調整とスロットルワー
ク。答えはそれだ。
YUZOがよく言っていた1/60
のスロットル開度ではなく
1/120の開度を任意にコント
ロールする、という事の内
実はそれだろう。
頭で理解できても、実行に
移して走りの中で実現する
のは極めて高度で困難を伴
う。