ニキside
ベッドの側に置いたスマホの着信音が、うるさく
鳴った。
手探りで携帯を探して、画面を見る。
ケイヒョンからのLINEだった。
今日は爆睡だろうから、連絡しないって言ってたのに。
時計は昼の12時30分を指していた。
まあ、これくらいの時間には起きておいた方が良いか。
何とか頭を働かせて、体を起こした。
改めてケイヒョンとのトーク画面を開こうとして、驚いた。
不在着信も相当掛かってきている。
ウソ、なんかあった?
LINEの最後には、「今から宿舎行くから」という
文言が書いてあった。
いやいやいや、待ってよ!
ライブの翌日だよ!?しかも寝起きだよ!?
昨日帰ってきて早々にベッドにぶっ倒れたから、
部屋だってグッチャグチャなのに...、
と、思いかけて、違和感に気づいた。
部屋が綺麗に片付いている。
...俺、昨日そんな体力あったっけ?
そういえば、体の疲労感も思ったより無いな。
...何でだろ?
首を傾げた、その時だった。
ピーンポーン
部屋のインターホンが鳴った。
慌てて確認すると、ケイヒョンだった。
ホントに来たし! マジでどうした?
何だか良く分からないまま、俺はドアを開けた。
俺の姿を認めたケイヒョンは、少し困惑した様子を見せてから、呆れたように笑った。
約束...?今日の...?
ケイヒョンは首を傾げた。
訳が分からない。
軽くパニックを起こしそうだった。
追い打ちをかけるように、ケイヒョンは言った。
いよいよ鳥肌が立ってきた。
俺、もしかしておかしくなった?
...でも、さっき微妙に感じた違和感と、辻褄が
合ってしまう。
その言葉を聞いた瞬間、俺はベッドの側の携帯を
見に走った。
待ち受け画面に映った日付を見て、悪寒が走った。
いつの間にか部屋に入って来たケイヒョンが、
心配そうに俺の顔を覗き込んだ。
パニックもいいとこだった。
冷静になるには、かなりの努力が必要だった。
言いようのない恐怖を覚えながらも、頭をどうにか整理して、少し震えた声で俺は言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。