日本人客が急増するラオス児童買春の"絶望現場"に潜入! 斡旋ホテルの"隠し部屋"には9歳の少女も...
青年がドアを開ける。室内には工事現場で使われる投光器が置かれ、まぶしいくらいだ。たばこの煙が充満した部屋には、20人近くの女性がおり、こちらに気づくと一斉に立ち上がった。 「あれは11歳。若い。どうだ?」 リーダー格の男が女児を指さしながら、こちらに顔を近づけてきた。この汗臭い男性に、若い子がいいなどと言った覚えはないが、こちらが日本人だとわかったため、女児を斡旋しているようだった。 立ち上がった少女たちは、笑顔を見せる者もいれば、険しい表情の子もいる。ほぼ全員が10代だろう。 筆者が、もっと若い子はいないのか、と青年に聞くと、別のリーダー格の青年が「OK」と言いながら、「こっちに来い」と、向かいの部屋に案内した。青年は、彼女が最も若いと指をさす。表情も体形も確かに幼い。 「何歳?」 そう青年に聞いてみると、驚くべき答えが返ってきた。 「ナイン」 思わず聞き返した。9歳だという。日本では小学校3年生だ。胸元が開いた安っぽい白のドレス風の服を着ていたが、まるで大人が選んだものを着せられているかのようで、違和感がある。 無表情の女児は、警戒するかのように時折こちらをチラリと見た。青年の説明によれば、1時間彼女を連れ出すと、60万キープ(取材時のレートで約5000円)。 宿泊客は、女性をそのまま部屋に連れて帰り、追加料金を払えば女性と宿泊もできるという。宿泊者以外はホテルの部屋を時間単位で借りるシステムだと話した。 「OK? OK?」 男たちは「早く決断しろ」と言わんばかりにせき立てる。 適当な理由をつけて断ると、今度は、口元にひげを生やしたまた別のリーダー格の男が「こっちの部屋に来い」とばかりに、筆者の腕を引っ張った。今度の部屋には6、7人の女性がいたが、やはり10代前半が中心だ。ここでも断ると、さらに別の部屋へと連れていかれる。
ホテルXには総勢約50人の女性がいた。そのうち、9歳だという女児が少なくともふたり。もうひとりの9歳は、大きめの黒い柄Tシャツを着ており、ストリート風の格好だ。 筆者とカメラマンは、彼らの執拗(しつよう)な勧誘を振り切って、なんとか建物から脱出したのだった。 ラオスでは、売春行為は違法とされており、建前では売春斡旋施設も存在しないことになっている。 また、18歳未満の者を児童と定義し、国際基準に沿った保護対象と位置づけているが、これも表向きの話だ。法律では、ナイトクラブ、ゲストハウス、ホテル、レストランで児童を雇用することを明確に禁止しているにもかかわらず、今も公然と児童が性的搾取の被害に遭っている。 「ラオスは警察が腐敗しているため、賄賂を払えばたいていのことができます。もちろん売春が黙認されることも。 逆に賄賂を払えないような小規模店は、見せしめで摘発されています。ホテルXや、中国系の別の売春ホテルなどが、これまで摘発されていないことを見れば、当局となんらかの取引があると容易に想像がつきます」(元ラオス駐在員) ■家族と自分のために そんなホテルXの前に1台のタクシーが止まったのは23時頃。20代後半から30代前半の日本人と思われる男性ふたりが降りてきた。Tシャツに短パンというラフな格好の彼らはフロントへ向かわず、慣れた様子で真っすぐ建物の裏手に歩き出した。 「日本人ですか?」 彼らにそう声をかけると、ひとりが目を丸くして立ち止まった。 「な、なんですか?」 そう日本語で答えたので、児童買春の取材で来たことを告げた。すると、逃げるようにして質問を遮り、ホテルの裏手に消えていった。しばらく路上で待ち伏せたが、男たちは戻ってこない。恐らく女性を選び、通用口からホテルの部屋に入ったのだろう。 その晩、ホテルの廊下を歩いていると、女児と共に部屋に入る男の姿があった。先ほどとは別の日本人だ。50代だろうか。男性と目が合うと、バツが悪そうな表情をして扉を閉めた。連れていたのは、やはり10代前半の、あどけない少女だった。 * 別の日に訪れたのは、日本人もよく来るとされる通称、食堂置き屋だ。店先には老婆がおり、奥の個室に案内された。店内には10人ほどの女性。上は20代、下は15歳だと説明されたが、もっと幼く見えた。 店内は小さな裸電球があるだけで真っ暗だ。老婆が面倒くさそうに、「女の子を選んで」と言った。自分たちの飲食代に加え、女性をひとりテーブルに呼ぶごとに10万キープ(約700円)が加算される仕組みだと言う。店の外に女性を連れ出すこともできるが、その場合はさらに別料金がかかるそうだ。 15歳だと言い張る少女はティダと名乗った。そして同じく15歳だと言うスキタと共にふたりで席に着いた。