救急隊、同名の別施設へ出動 心肺停止の70代男性が翌朝死亡 都城

後藤たづ子
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 【宮崎】都城市消防局は8日、救急隊が出動要請があった場所と違う施設に向かい、現地への到着が遅れる事案があったと発表した。搬送された70代の男性は医療機関で死亡した。搬送遅れとの関係は不明という。

 消防局によると、7月21日に市内の施設から「食事中に窒息したようだ」と通報があり、救急隊が午後4時45分に出動。6分後に到着したものの、同名の別施設だった。本部から指令を受けた別の救急隊が同56分に出動し、2分後に本来の施設に到着。男性は心肺停止状態で、救命措置を受けながら医療機関に搬送され、翌朝死亡した。

 搬送先の医師によると死因は窒息で、搬送遅れについては「何かしらの影響があった可能性は考えられるが、死亡との明確な因果関係は不明」との見解だったという。

 市消防局によると、本部の指令員が携帯電話から119番通報を受けた際、聞き取った場所をシステムに登録せず、施設の場所とずれがある携帯電話の発信位置情報が救急車の地図モニターに示された。本来の町名などを印字した指令書もあったが、救急隊は指令書を確認せず、地図上の位置に近い同名の別施設が出動先と誤解したという。消防局は23日に遺族に説明し謝罪。徳重雄一・消防局長は「再発防止に全力で努める」とコメントした。

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