「値上げありがとうございます」という意外な声?“30円の値上げで客数1日1万人減”の日高屋が最高益を達成した理由とは?日高屋社長に聞く
タワマンのファミリー層がいま、日高屋に来ている!
タッチパネルの導入により客層にも変化がありました。以前の客層は男性80%:女性20%だったのが、現在は男性65%:女性35%と男女比にも影響があったのです。これはタッチパネル以外にも要因が。 「2020年4月から改正健康増進法が全面施行され、屋内では原則禁煙となりました。これにより、店内で飲食をしながらの喫煙がなくなり、たばこを吸わない方も日高屋を利用していただけるようになりました。これまではどうしてもお酒とたばこをセットで楽しまれるお客様が多かったので……」(青野氏) さらに近年増えているタワーマンションの影響も。これまでファミリー層の方は駅から離れたマンションや戸建てに住んでいることが多かったのが、駅近のタワマンに住む方が増えたことでファミリー層の来店が増えたといいます。禁煙になったこともファミリー層の取り込みに寄与したのでしょう。筆者は最近女子高生2人がファミレス感覚で日高屋を利用しているのを見ました。以前の「男性が飲む場所」というイメージは変わりつつあります。 「これまではずっと現金のみだったのがキャッシュレス決済を導入し、さらにdポイント・楽天ポイントが使えるようになったのも大きいと思います。特に楽天ポイントには期間限定ポイントがありますが、有効期限が気づいたら迫っていることが多い。必要のないものを買ってもしょうがないけれどもったいないから使わなきゃ、となった時に『じゃあ日高屋に行こう』と思ってもらえることが多くありましたね」(青野氏) 値上げに踏み切ったものの、タッチパネルの導入、そして女性客やファミリー層も入りやすい店づくりを行ったこと、さらにお得感を感じさせるポイント還元や、7月から実施している「生ビールvsハイボール祭(生ビールとハイボールが20円引き)」などにより、一時は月30万人減ってしまった客数はほぼ元通りになりました。一見損に思えたとしても、客の深層心理を読み、喜んでもらえることを一つずつ積み上げることが大切なのですね。
取材・文/松本果歩
MonoMaxWeb編集部