「重大な誇張」が…藤島ジュリー氏が告発本で批判 ”NHK大誤報疑惑”が争われた裁判資料の中身
裁判資料が暴く“大誤報”の核心
訴状では、裁判手続きを通して、申告内容の真偽を明らかにする必要があると説明しており、男性の申告内容がいかに「確からしさ」に欠けるかを、具体的な証拠を挙げて主張している。まず、告発者である男性の主張はこうだ。
〈高校3年生であった平成14年の夏休みに履歴書を提出し、同年9月21日または22日にオーディション参加の連絡を受けた。オーディションに初めて参加したのは平成14年9月23日であった〉(訴状より)
〈平成14年9月23日の初回オーディションの休憩時間において、あと何分でレッスン再開というところで、喜多川から呼び出され、トイレの個室で喜多川から性被害を受けた。〉(訴状より)
日付まで特定された生々しい告発。しかし、SMILE-UP.社はこれを真っ向から否定する。
〈被告は、原告の補償本部長らとの面談及び原告訴訟代理人との面談にいずれにおいても、繰り返し、自身が初めて喜多川から性被害を受けたのは高校3年生であった平成14年9月21日、同月22日又は同月23日である旨を述べているところ、喜多川は、いずれの日程であっても、海外に渡航しており、日本にいなかった。〉(訴状より)
被害を受けたとされる日、加害者であるはずのジャニー氏は日本にすらいなかったというのだ。さらに、申告内容の変遷も厳しく指摘されている。当初「平成14年」としていた被害時期を、後に「平成13年」へと変更。レッスンへの参加回数や被害回数についても、「毎週のように」「10回程通い」「5回ないし6回は被害を受けた」といった申告が、実際には「2回のみ」であった可能性が示唆されるなど、主張の根幹部分に「重大な誇張」があると主張している。
そして、犯行現場とされるNHK放送センターのトイレについても、物理的に犯行が困難であったと主張している。
〈NHK放送センターにおけるトイレの構造、多人数の出入り状況、時間的制約等から、オーディション生やレッスン生がトイレの個室で喜多川から被害を受ける可能性は低いと考えられ、まして、初回のオーディション生が被害を受ける可能性は尚更低い。(長文につき中略)
しかも、当該リハーサル室のあったフロアには、NHKの制作部門のスタッフのいるオフィスや、共済組合等の関連団体のオフィスも入っており、原告の関係者のみならず、第三者もいつでも利用できる状況であった。さらに、当該トイレの個室では、壁及び扉と天井との間に相応の隙間があり、いわゆる「密室」と言える状況でもない。〉(訴状より)
100名を超えるJr.やスタッフが出入りし、密室ですらないトイレで、人目につくリスクを冒してまで性加害に及ぶとは「到底考えがたい」というのがSMILE-UP.社の論理だ。
さらに裁判資料には看過できないような内容が書かれていたのである。
- PHOTO:中村和彦
記者
1964年生まれ。玉川大学工学部卒。「通販新聞」記者を経て、1989年より講談社『フライデー』記者。地下鉄サリン事件では、オウム真理教の実態に迫る数々の記事で中心的に関わる。競馬G1レースの予想記事では本誌予想を担当。得意分野は経済事件で、ライフワークはM資金研究。
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