花火大会の“異常事態”のニュースが続く背景──花火大会開催に潜む課題 #エキスパートトピ
今夏、全国各地で予定されていた花火大会が中止やトラブルに見舞われるケースが相次いでいます。多くの人々が楽しみにしていた地域の一大イベント、エンタテインメントがなぜ次々と頓挫しているのか。長岡花火大会(1番上の記事)、花火師の人材問題(2番目)、花火大会開催の状況(3番目)、ドリカム花火の中止の要因(4番目)などの記事を紹介し、現在花火大会の現場で何が起きているのかを探りつつ、地域振興の視点やエリアマーケティングの観点から、その背景を読み解きます。
ココがポイント
主催者が“来訪を呼びかけない”異例のPRを行っている。
出典:テレビ朝日系(ANN) 2025/8/2(土)
安心安全な花火大会が存続するために、日本の伝統技術の継承が求められている
出典:FNNプライムオンライン 2025/8/7(木)
過去5年で中止や規模の縮小を余儀なくされた花火大会は、全体の4割近くにのぼる
出典:FNNプライムオンライン 2025/8/8(金)
更なる安全対策の強化を求められることとなり(中略)万全の安全対策を整えたうえでの開催が困難であるとの結論に至りました
出典:オリコン 2025/8/8(金)
エキスパートの補足・見解
花火大会の中止・トラブルが続く背景には、人材不足、コスト高騰、警備・安全対策の複雑化、そして自治体と地元企業の連携の難航など複合的な要因があります。とりわけ、エリアマーケティングの観点で見れば、混在やトラブルなどで地元のブランド力や観光戦略の一環としての機能が不安定になっている点も見逃せません。
花火大会は単なるイベントではなく、地域経済・コミュニティ活性化の核でもあります。その大きな意義を大事にしつつ、運営モデルの再設計や支援策の強化することが急務です。
特に、花火師といった貴重な存在のプロや、地域ではたらくボランティア、運輸機関を含めた公共勤務者、地域住民の善意に依存した形ではもはや立ち行かないのは明らかです。地域の“顔”ともいえる花火大会をどう持続可能にするかが問われています。