民主主義を脅かす者は誰なのか~”マスコミvsネット”の嘘
NHKはじめ大手メディアは表向き「民主主義の発展に資する」というが、とても空虚な響きがある。そんなことを考えて仕事をしている業界人などいるのだろうか。試しに、どのような形で民主主義の発展に貢献しているのかを、マスメディアの人たちに尋ねてみるといい。たぶんしどろもどろになるだろう。
そういうスローガンは彼らが存在意義を示すためにある。強力なライバルが現れて社会的影響力が低下し、存在意義が危うくなると、ことさらにこの旗印――民主主義の発展に資する――を振り回しはじめるのだ。
日頃は顧みることのない「民主主義」を引っ張り出してきて彼らが何をするかと言えば、あられもない自己保身に他ならない。つまり、大手メディアは民主主義を守る側、それ以外のネットメディアやSNSは壊す側だという単純な図式を当てはめて、自らを正当化すると同時にSNSを貶めるのである。
今年(2024年)秋の兵庫県知事選で、「マスコミの凋落とネットの台頭」といった安易な対立の構図をことさらに報じたのは、YouTubeやSNSに敗北したとされるマスメディアだった。自分たちが負けたことを吹聴することに何の得があるのか?と違和感を覚えた。だが、このところ政府与党がSNS規制強化(厳密にはプラットフォーム事業者への規制強化)に前のめりなのを見ると、その動きをアシストする効果は大いにあると思えてくる。
選挙期間中の報道に関して、マスメディアがSNSやYouTubeの後塵を拝したことは事実であり、それをもって「敗北」というのは正しい自己認識である。だが、「新興のネットメディアやSNSが、民主主義の守護者を自認するマスメディアを打ち破る」という図式が強調されており、「ネットは民主主義を脅かす悪質な敵」のイメージを作り出してしまっている。
SNSなど使ったこともない層にまでSNSの危険なイメージが浸透すれば、「規制やむなし」の世論が盛り上がる。そうなれば、選挙の邪魔をされたくない既存政党はもちろん、SNSに地位を脅かされたくないマスメディアにとっても好都合だ。負けたふりを大げさにするくらい、どうということはないだろう。
来年も重要な選挙が控えていることから、選挙期間中の報道、SNS利用、YouTube等の動画メディアのあり方はしばらくの間、ホットなトピックであり続けるはずだ。民主主義の真の敵は誰なのか、見誤ることのないようにしたい。
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