客単価は1000円以上、想定売り上げを5割上回る店も
稚内のローソンの日配(1日当たりの売上高)は全国屈指の水準で、想定の5割超をはじき出す売り上げのお店もある。客単価も、全国平均の799円を大きく上回る1000円超を記録している。
この売り上げを支えるのは、人口3万人の稚内市民だけではない。コンビニは商圏人口が3000人は必要とされるが、意外と多かったのが稚内市外からのお客だ。
インタビューでも、南に約70kmほど離れた天塩町(人口約2500人)からのお客2組に会った。車で約1時間ほどかかるが、仕事や稚内での用事のついでにローソンに立ち寄ったといい、稚内に来ると毎回立ち寄るようだ。
家族で訪れた30代の保育士の女性は「旭川に行かないとなかった無印(良品)の商品が買えるのがとてもうれしい。ローソンができたことで、ネット通販で支払いもできるようになってとても便利で助かっています」と話していた。
天塩町にはコンビニはセコマしかないため、ローソンの出店を期待しているようだ。
これまでローソンの新商品のテレビCMを見ても稚内では買えず、買うためには100キロ以上離れた名寄市のあるローソンまで車で1時間半かけて買いに行かなければならなかったという。
商品だけでなく、サービスの幅も広がったと話すお客もいた。情報端末「Loppi」(ロッピー)の登場で、これまでチケットの受け取りができないばかりに諦めなければいけなかったイベントにも参加できるようになったといい、稚内の住民には朗報だったようだ。
大打撃を受けたセコマもあった
ローソンの進出をセイコーマートはどう思っているのか。
市内のある店舗の店長は「今は落ち着いたと聞いているが、開店当初はとてつもない影響があったと聞いた」という。
話を聞いた市民は「これまではセコマしかなかったので、セコマに行くしか選択の幅がなかった。ローソンができて、セコマとローソン両方を楽しめるようになったのは大きい。コンビニごとに味の違いもあると思うので」と選択肢が増えたことに喜びを感じていた。
大通りを挟んで真向いに進出した箇所もあり、進出当初の影響は計り知れないものがあっただろう。
一方で、お客はセコマとローソンを便利に使い分けているようだ。
ある女性は「全体的に商品の値段はセコマのほうが安い。スイーツはローソン、日用品など安くていいものはセコマに行きます」と話していた。
わずか2年で7店舗を増やしたローソン。道北エリアでは7月にさらに1店舗がオープンし、8月にも1店舗の出店が予定されている。
後編では、過疎地を含む地方出店の課題に触れる。
(後編へ続く)


