1日200個売れる「ソフトクリーム」
売れ筋商品はほかにもある。
私たちが取材に訪れる前日の日曜日に、ローソンの北海道エリア約50店舗で展開しているソフトクリーム(税込み350円)が180個も売れたというから驚きだ。過去には200個売れた日もあったようで、確かに店内でお客さんを観察していると、ほとんどの人がタバコやペットボトル飲料とともにソフトクリームを買い求めていた。
観光客目線でいえば、北海道の食を楽しむならコンビニのソフトクリームよりも観光牧場のしぼりたて生乳を使ったものを食べたくなる。ところが、そこに住む住人にとってはそんなことは関係ないということなんだろう。
この日の稚内の最高気温は19.4度と20度に届かなかった。それでこれだけ売れるということは、夏場には一体何個売れるのか想像もつかない。コンビニではカップラーメンの売れ筋商品でも1日1個程度の販売数であることを考えると、いかに売れ行きが凄いかがわかる。
また、稚内では土地柄冷房を完備していない一般家庭も多い。今後はアイスなど涼める商品が他のエリアよりも売れていきそうだ。
コンビニは、今まで全国一律の品揃えで伸びてきたが、今回のソフトクリームのようなエリアや店舗に特化した品揃えで個店別に売上を上げていくという時代が到来しつつある。
ソフトクリームは生ものに近く衛生・食品安全管理が難しく、日々の洗浄・殺菌が必要で、手間も衛生管理の責任も重い商品のため、展開するにもオーナーの覚悟がいる商品であるのだが、こうした商品が売り上げの屋台骨を支えているのは興味深い。
地元民、旅行客を助ける24時間ATM
地域住民にはもちろんのこと、年間50万人以上訪れる観光客に役立っているのは銀行ATMだ。
稚内にはまだまだ「現金文化」が残っている。筆者が稚内で訪れた地元の飲食店やスナックは現金決済のみの店が多く、クレジットカードやPayPayなどのQRコード決済が使えないところも多かった。都市圏の人間はキャッシュレスで生活をしていて現金を持ち合わせていない人が多いため、コンビニに銀行ATMがあることは重要だ。
都市部のコンビニはATMがあるのが当たり前だが、セコマはそうではない。市内18店舗中、銀行ATMがあるのは7店舗のみで、夜中はコンビニそのものが閉まってしまうためいずれも24時間利用ができない。かつ利用できる金融機関が地元の信用金庫やゆうちょ銀行と限られているため、夜間・早朝に現金を手に入れるのは難儀だった。






