「相互関税上乗せ、米が修正」と赤沢氏 自動車下げの大統領令と併せて
【ワシントン=八十島綾平】米相互関税の負担軽減措置を巡り赤沢亮正経済財政・再生相は7日、米政府が相互関税の大統領令を修正し、日本を措置対象に加えることを約束したと明らかにした。米国が徴収しすぎた分の関税は7日に遡って還付する。米政府は修正と同じ時期に、自動車関税を下げるための大統領令も出すとの見通しを示した。
7日のワシントンでの記者会見で明らかにした。訪米中の赤沢氏は6日にラトニック米商務長官と約90分間、7日にはラトニック氏と約3時間、ベッセント米財務長官と約30分間にわたり会談した。
米国側も「遺憾」
米政府は7日に発効した新たな相互関税で、欧州連合(EU)に対して税負担の軽減措置を盛り込んだ。日本政府はこれまで「日米合意により、日本も軽減措置の対象になる」と説明していたが、7日時点では対象から外れていた。
日本から米国に輸出する物品には今も負担軽減措置はとられておらず、7月に日米で合意したよりも多くの関税が徴収されている。赤沢氏は一連の会談で米国側に「極めて遺憾だ」と伝えた。
赤沢氏によると米国側も、軽減措置の対象に日本が入っていなかったことは「遺憾だ」との認識を示した。
そのうえで米国側は赤沢氏に対し、相互関税に絡む大統領令を適切な時期に修正することを約束した。大統領令の修正後には、徴収しすぎた関税を還付する措置をとる。
「修正時期は米国が判断」
赤沢氏が会談で自動車関税の早期引き下げを求めたのに対して、米国側は相互関税の大統領令修正に併せて、トランプ米大統領が自動車関税の引き下げを指示する大統領令に署名するとの見通しを示した。
赤沢氏は具体的な時期について「『早いにこしたことはない』ということは、言わなくても互いの共通認識としてある」「(修正まで)半年や1年ということはあり得ない」とだけ話した。米国が修正時期を判断するという。
日本政府関係者によると、還付申請の手続きや時効などの詳細は現時点では分からない。
焦点となっていた負担軽減措置は、15%の相互関税率は既存の関税に上乗せしないという内容だ。既存税率が15%未満の品目なら、相互関税も含めて一律15%にする。例えば既存関税が7%の品目の場合、負担軽減なしでは計22%の税負担になるところを、一律15%に抑える仕組みだった。
赤沢氏は、合意内容を確認するための共同文書がないことについて「共同文書作成を目指していたら(8月1日の)期限に間に合わず相互関税は25%の上乗せになっていた」と述べ、今回の米国側のミスは共同文書がなかったことが原因ではないという認識を示した。
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(更新)- 蛯原健リブライトパートナーズ 代表パートナー別の視点
二重課税をしない(no stacking)との条項がEU向けには明示されるも日本向けにはされなかった点につき米政府も遺憾と表したとの事だが英語における外交上のregretという言葉はかなり軽い意味、従って本件は事務的誤りによるというエクスキューズを含蓄しているように推察されます。もっともインド等もさしたる状況変化もないなか前言撤回された例等見るだにそもそも意図的に約束が破られる政権であるという事であって、本件も「修正時期は米国が判断」との事だが本当に修正されるのか、修正後もまた気分一つで変えられるのでは、というおおよそ外交の体をなさない困った超大国を相手に引き続き各国は振り回されるでしょう。
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(更新) - 小野亮みずほリサーチ&テクノロジーズ 調査部 プリンシパルひとこと解説
修正合意についても日米間で認識の齟齬がないのか、不安は残る。最終決定権者であるトランプ大統領を2閣僚が説得し通せる保証もない。ともあれ、一刻も早く新しい大統領令に署名してくれることを祈ります。
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(更新) - 滝田洋一日本経済新聞社 客員編集委員ひとこと解説
①米政府による大統領令の修正。赤沢大臣の発言の通りなら、日本としても愁眉を開いた格好です。問題は大統領令の修正がいつになるか、明らかでないことですが、それにしても7月22日の日米関税合意で「任務完了」(赤沢大臣)だったはずのことを、なぜ慌てて念押しに走らなければならなかったのか。 ②トランプ大統領の気まぐれとか、米政権内の決定プロセスの問題とか、日本側からはソクラテスの弁明がなされることでしょう。が、少なくとも日米間の意思疎通に目詰まりが生じていることはハッキリしました。担当閣僚任せの交渉スタイルでは、今後もよく似たドタバタが繰り返されかねません。
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(更新)
2025年1月に就任したトランプ米大統領が、関税引き上げの政策に動き出しました。中国などとの関税の応酬が激しくなるなど世界経済への影響が懸念されています。最新ニュースと解説をお伝えします。