最強恋愛脳元奴隷ロリとかいう地雷


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作:さくらいJAN
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5話


 

 

私の名はアミ。

エルディア王国の女王であるユミル様の侍女をしております。

ユミル様は女王であると同時にエルディア王国の聖女様です。

 

ユミル様は神より巨人の力を授かった救世主であり、

フリッツ王と共に世界を平定し、世に平和を齎すとされています。

 

そんなユミル様の侍女という光栄なお仕事を頂いたのですが、

残念なことにあまり頼りにされておりませんでした。

元々は神様の試練により奴隷の身分であったこともあり、

なんでも自分でやろうとしてしまうのです。

 

 

しかし、そんなユミル様が唯一相談してくれるのが、

フリッツ王のことです。

 

盛大な結婚式で結ばれたお二人ですが、

未だ子宝に恵まれておりません。

というより契りに至ってないようです。

ユミル様はそれを不安に思い、私に尋ねてくるのです。

 

服装に問題が?

髪型に問題が?

化粧を変えるべき?

などなど

 

側から見るに、フリッツ王はユミル様をとても大切にしています。

お互い聖女と王なので忙しいだけでは?

と思っているのですが、

ユミル様は避けられていると感じているようです。

 

正直外見が問題ではないと思われます。

婚前のユミル様は修行のため奴隷の恰好をしていたので少々みすぼらしかったですが、

現在のユミル様はとてもお美しいです。

 

綺麗な金髪は私どものお手入れの成果もあり、キラキラと輝いてます。

奴隷時代に日に焼けた肌も、外に出ている間は巨人化を解かないようにお伝えした結果、

お手入れの成果もあり、どんどん元の綺麗な白いお肌に戻ってきております。

 

空色のドレスに宝石を控えめに散りばめた姿は女王様というよりお姫様のようです。

小柄なのでお若く見られがちですが、食事量も多いためか、女性らしい体つきをしてます。

初婚平均が17歳。ユミル様は15歳。

年齢にも問題はありません。。

王宮内にはユミル様に憧れる殿方も多いです。

 

ユミル様は性格も素晴らしいです。

所謂働く女性はどうしても性格が苛烈になりがちですが、

ユミル様は私どものミスに怒ることもなく、にこやかに笑いかけてくれます。

マジ聖女。

 

 

よって原因は多忙で確定でしょう。

フリッツ王は忙しいだけなのです。

とはいえ忙しさを取り除くことは出来ません。

お父様はユミル様だけでは今のエルディア王国は無いと言ってました。

フリッツ王の知識と神の力の使い方が素晴らしいのだと。

 

私にはよく分かりませんが、つまり大変なお仕事ということでしょう。

常に忙しくしているのは仕方のないことです。

とはいえユミル様のために時間を使わないのではユミル様が悲しみます。

 

 

なのでフリッツ王にプレッシャーを与えるように伝えました。

こういう時は正論で攻めるのです。

 

跡継ぎはどうお考えですか?とか。

流れる可能性もあるので早めに作った方が良いのでは?とか。

働いてばかりだと逆に効率が悪いですよ、とか。

 

そうすればフリッツ王の方から誘ってくるでしょう。

 

 

 

 

後日。

王の側近の方が側室の話をしたので思わず睨んでしまったとユミル様が凹んでました。

それは仕方ありません。

流れただとか女児が生まれたとかならともかく、王妃の初産が未だなのに妾とは。

踏みつぶされても文句は言えません。多分。

 

ユミル様はとても温厚なので、睨まれた側近の方はびっくりして体調を崩してしまったそうです。

普段怒らない人が怒ると怖いですからね。

分かります。

 

 

 

そして数日後。

とうとうフリッツ王から今夜部屋に行くと言われたそうです。

 

お昼から甘味でお祝いをしました。

ユミル様は最近富裕層に流行りの砂糖菓子よりも、

砂糖とバターと卵を使ったクッキーを好みます。

 

私も砂糖菓子よりもこっちの方が好きです。

富裕層は砂糖菓子より安価だから好まないだとか。

味より値段ということなのでしょうか?

不思議な感性ですね。

 

 

お祝いした後はお部屋の準備です。

気分が高まるお香を焚いて、部屋を暗めにするので濃い目の化粧を施して、

衣装も専用のものを準備。

全てマーレ帝国から仕入れた最高級品です。

 

これで準備完了。

それではユミル様、がんばってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユミル様とフリッツ王が結ばれてから数カ月。

ユミル様がご懐妊されました。

 

それとともにユミル様の仕事は一時休止。

お世話をする侍女も増えました。

そして私が侍女頭に指名されました。

と、いってもやる事は少ないです。

 

侍女が増えた分、以前より楽になったほどです。

なので仕事がお休みになって退屈そうなユミル様の話し相手がメインの仕事となりました。

 

その中で国教となったユミル教の話になりました。

ユミル様は聖女様なのに、あまり詳しくありません。

神様を見たことはあるし、その身に神が宿っているのは事実なのですが、

それ以上のことは神父様の方が詳しいとか。

不思議な話ですね。

せっかくなので経典を取り寄せてお話しすることにしました。

 

 

 

父なる創造神は世界と生物を作った後眠りについた。

永い眠りから覚めると自らに似せて作った人間が世界を支配していた。

そして人間同士が争っていた。

同族の争いを好まない神は自らの力を宿した子を奴隷として世に落とした。

それが聖女ユミル。

人間の罪を背負って生まれた奴隷が救世主としての役割をも背負ったのだ。

ユミルは14になった時に神の力に目覚め、聖女となった。

彼女の使命は人の王であるフリッツ一世と共に、

世に平和を齎すことである。

 

 

 

ざっとこんな感じです。

ユミル様の力は最初こそ恐れられていましたが、

神の力と分かってからはみんなありがたがるようになりました。

聖女様と人の王が君臨するエルディア王国こそが世界を平定するべき運命なのです。

 

 

……聖女ってなにをするの?ですか?

これまでどおり、人々が豊かで幸福な暮らしができるように、

フリッツ王の指示を聞けば良いのではないですか?

……それだけでいいのか、ですか。

そうですね、やはり神罰を与えるのも聖女様の役目かもしれません。

神様は大いなる力があるゆえに休息が必要です。

今動けるユミル様がフリッツ王でも罰を与えるのが難しい相手に執行すれば、

神様もフリッツ王も喜ばれるはずです。

 

 

 

話を聞いたユミル様はコクコクとうなずいておりました。

表情から感情は読み取れないですが、どことなく感心しているように感じます。

 

そんなゆったりとした時間もあっという間に過ぎ、

ユミル様は女の子を出産しました。

 

名はマリア様。

ユミル様によく似た可愛らしい子です。

 

 

 

無事出産したことを確認したフリッツ王はジュウという武器を兵に配備しました。

そして奴隷は神の試練を達成したということで解放となりました。

 

ユミル様が神の力を授かったのと同様、

ジュウが完成したことで飢えを完全に克服したので、

奴隷は役目を果たしたとのことです。

武器には詳しくは無いのですがジュウとはそんなに凄いものなのですね。

神に感謝を。

 

 

出産後体調が戻るまでは休むように言われたユミル様は、

数カ月の休息後お仕事を再開しました。

それに伴い追加雇用した侍女は解任。

他の仕事が割り振られました。

正直私だけで充分でしたしね。

 

 

 

 

そして後日。

解放された奴隷の内、一部がマーレ帝国にて死亡したことが判明しました。

神の試練を超えた彼らがそのような扱いを受けるとは。

死した人たちへの謝罪と賠償を求めた使者も殺されてしまったそうです。

 

マーレ帝国はなんと野蛮なのでしょう。

嗜好品は素晴らしいもの揃いですが、神が嘆いた争い続ける人間そのものですね。

 

 

そのようなことを考えているとユミル様が駆けだしました。

すぐに追いかけ理由を聞くと、神罰を与えないと、と言いました。

神からお告げを受けたのですね。

かしこまりました。

お気をつけてください。

 

私は空を駆けていくユミル様へ祈りを捧げました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、何故かフリッツ王が寝込んでしまったようです。

ユミル様が留守で寂しいのでしょうか?

 

 

 

 




ユミルもプロパガンダ神話を信じてしまうという混沌。
脳筋で暴走しがちな点は史実聖女のジャンヌダルクに似てますね。
ユミルを怖がってちゃんとお話をしなかった主人公が悪いです。
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