ユミルを持て余している。
インフラ整備に終わりは無い、
のだが人が少ない状態でインフラを整えても維持に苦労するだけだ。
となると戦争利用なのだが、それはNGだ。
以前にも会議で言った通り、裏切りの可能性を否定できない。
現状は核兵器の発射ボタンを
慎重に慎重を重ねて当然。
なので現在ユミルには出張してもらっている。
主に山を掘る仕事だ。
資源を見つけてくれるのを待っている状態だ。
見つかったらエルディア王国は更に強くなる。
とはいえインフラ整備と違って明確な指示が出来ないので効率が悪い。
毎回帰ってくるしね。
我が妻よ、偶には外泊してもいいのよ?
移動が大変だろうしね。
え?
空飛べるようになった?
そのおかげで移動時間がかなり短縮された?
へー制空権取っちゃったんだ。
もうおしまいだね、色々と。
そんでユミルはあっさりと鉱山を見つけた。
流石っすユミルさん。
ソンケーしてますっマジで!
と、いうわけで土木工事メインでユミルを利用した結果、
エルディアの生活レベルは向上した。
それはもう相対的には楽園といえるレベルだ。
まずは道が完璧に舗装された。
石の道路だ。
しかも広い。
道路近くの森も木材として伐採した。
つまり商人どもの販路が安全になったのだ。
こうなるとリスクが下がるので価格も下がる。
我が国は輸出入で大きな利益を得た。
空飛ぶユミルに恐れ慄き盗賊が逃げたというのもある。
そりゃ怖いよね。
分かるよ。
そして農地も拡大した。
踏みつけるだけで平地を作れるんだもんね。
チートだよチート。
畜産も同様だ。
畜産の敵は狼や熊などの害獣だが、
ユミルの作る防壁は鉄壁だ。
気軽に東京ドームレベルの敷地を覆う壁を作れる。
これによって我が国から飢えが消えた。
飢えが消えると何が起こるかって?
産業の多様化だ。
腹が膨れれば、より美味い飯を食おうとする。
それが人間だ。
そしてそこに俺の進めていた銃開発が乗っかる。
ユミルが発見した鉱山から鉄や石炭を取り、
それを加工して武器を作る。
武器を他国に売り払い金を作り銃を開発する。
ユミルの存在で我が国は最強の国家となった。
つまり唯一の核保有国だ、
そうなると小国はうちと同盟を組んで守ってもらおうとするし、
大国は我が国から離れるように領土を広げようとしている。
俺はユミルを戦争利用するつもりがないので、
同盟を組んでも武器や兵糧を売ることしかしない。
それでまた稼ぐのだ。
噂ではマーレで第二のユミルを探すプロジェクトがあるらしい。
国民一人一人に自傷をさせて巨人化するか試しているとのこと。
第二のユミルが生まれたらどうするかって?
知らんよそんなファンタジー。
もしそうなったら隠居だ隠居。
ユミルが王になればいいじゃない。
なんか国民連中はユミルのことを聖女だの救世主だの神の使いだの言ってるし。
ジャンヌダルクかよ。
神の試練で一度奴隷に落ち、復活した聖女様だとさ。
キリスト要素もあるというね。
まあせっかくだしプロパガンダとして有効活用させてもらおう。
ユミルis God
いいね?
さて、内政の件だが、
すでに鉱山堀りに蒸気機関を使っている。
俺の朧げな知識を頭のいい奴らが実用可能に変える。
新しい国だから派閥もしがらみもないので、
他国で扱いの悪かった有能な人間が流れてきたのだ。
スパイもいるだろうが、気にしない。
例え銃や蒸気機関の作り方を知ったところで、
ユミルがいない国では資源が足りず、開発に時間がかかる。
俺が生きてる間に抜かれることはあるまい。
その先のこと?
知らんな。
技術の独占なんてどうせ無理なのだ。
精々長続きするような政治体制を組んでやることしかできん。
そんなことより大きな問題がある。
ユミルの子が巨人化するかどうかだ。
もし巨人化できる場合は非常にまずい。
どうなるか全く読めん。
だからといって子供を作らないという選択肢はない。
子供はいつ作るのかと、ことあるごとにユミルが聞いてくるのだ。
妾について考えを聞いた部下を蟻を見るような目で見てたし。
物理的に潰される、と部下が震え上がっていた。
これは賭けだ。
巨人になれるのはユミルだけ。
この細い可能性に俺は賭ける!
そんなこんなで初夜。
のらりくらりと逃げ続けたが、とうとう捕まった。
もう無理です。
仕方ないね。
恐る恐る行為に及んだ。
急に大きくならないよね?
怒らせないように丁寧にしなきゃ。
え?奉仕?
いやいや大丈夫っす。
ユミルさんは寝ててくれればいいから。
全部任せてくれればいいから。
常に俺が上を取るから。
下にさえならなきゃワンチャンセーフだから。
ビクビクしながらも無事終了。
疲れて寝ているユミルを横目にほっと胸をなでおろした。
あー、怖かった。
でも大丈夫そうだな。
血が出た時は死んだかと思ったが、自傷じゃないからセーフだもんな。
よかったよかった。
これからはちゃんと夫婦らしくしなくては。
結構不安だったらしいし。
話聞こかチャラ男にNTRされたら終わる。
NTR=死だからね。
気を付けよう。
そうやって共に過ごすこと1年。
子供が産まれた。
妊娠してようが関係なく働こうとするユミルを抑え付け、
追加の侍女を雇い何不自由なく妊娠生活を過ごさせた。
妊娠期間や産後直後の扱いが雑だと一生恨まれるらしいからな。
最大限甘やかすのだ。
産まれたのは女の子。
名はマリアと名付けた。
この子が俺の未来設計の鍵を握る。
どうか巨人化しませんように。
俺は赤子の手を握りながら祈った。