Uber配達員が“一番面倒くさい”と断言する定番メニュー「箱ぐちゃってなるぐらい平行にして」
「要はウーバーの気持ちを分かってない」
「一番面倒くさいのはピザ。ピザって箱が大きいじゃない。バッグに入らない。斜めにしないと。それは強引に、箱ぐちゃってなるぐらい平行にして、ゆっくり行ってる。結構、気を使うよ」 ただし、条件がつく。ここでいうピザとは、主に非チェーン店のものだ。 「なんかちょっとした、しゃれたピザ屋なんですよ。ピザーラとかピザハットとか、あのへんは分かってくれてて、ちっちゃいのに入れてくれるんですよ。今あるんですよ、そういうのが。運びやすいようになってるんですけど、イタリアンの店とかは、昔のでっかいやつなんすよ。僕はウーバーの配達バッグ、一番大きいの使ってるんですけど、それでも入らないので。要はウーバーの気持ちを分かってないなっていう。受けちゃったもんだから行って、受け取ったら、あちゃーと」 デリバリーの普及で、テイクアウトの容器も年々進化。「すしも昔、丸い容器あったじゃないですか。あんなのもう無理。今は四角ですから」。ところが、一部のピザ店は、ピザのテイクアウトに際し、昔ながらのスタイルを貫いているというわけだ。 「ほかにつまみとか、唐揚げとかあるじゃないですか。それはどうでもいいんですよ。メインの箱が入らない」 「もう本当、ぎゅーってやって」と箱がつぶれるかの勢いで押し込んでも、斜めになってしまうことがある。 配達中も気が抜けない。傾くたびに、ピザが寄ってしまう。そうなれば、クレームが来たり、SNSにさらされる可能性がある。 「あー斜めになってるなーって言いながら、20分ぐらい走るんですよ。運転中も、自分がちょっと傾いて直そうかなってやったり」 バイクのハンドルを握りながら箱の中のピザの角度を想像し、崩れないように体重移動を繰り返す。 「最後にちょっとだけ(箱を動かす)。どうなってるか、分かんないですよ。本当、中身が分からないんで」。目的地に到着後の“サジ加減”は、まさに職人芸だろう。「普通だと運びやすいって逆に思っちゃいますからね」。男性も実際に配達員を経験するまで、気づかなかった点だった。