【福岡・柳川】「お姫様だったのにゼロになった」祖母が大名屋敷を料亭旅館に。受け継いだ18代目の女性当主が目指すもの
「なんとかなるわよ」が祖母の口ぐせ 明治、大正、昭和、平成を生き抜いたお姫様
立花伯爵家の令嬢として生まれ、テニス日本チャンピオンにも輝いたお転婆で独立心旺盛なお祖母様、文子さん。太平洋戦争後、華族制度が廃止され、生き抜くためにお屋敷で料亭旅館を始め、奥様から女将へと軽やかに転身した伝説の女性だ。 その逞しさは18代にも確実に受け継がれている。2015年に代表取締役となり改革を推し進めようとした矢先にコロナ禍へ突入。 「窮地に立たされ、かなり落ち込みましたが、祖母のことをよく知る方が『でもさ、おばあちゃんの時と比べたらたいしたことないよ。お姫様だったのにゼロになったんだよ』。その言葉で奮い立たされました。もう絶対に負けられない! と思ったらワクワクしてきたんです。チャレンジあるのみ。戦国時代じゃないし(笑)命取られるわけじゃないのだから、これで諦めたらご先祖様に申し訳がたたないと」 立花家の歴史には、誾千代姫にはじまり、鍵となるパワフルな女性が度々登場するが、18代の千月香さんも、もちろんそこに名を連ねることは明らかといえそうだ。 2025年1月にリニューアルが完了した宿泊棟。滞在し楽しんでもらうことで、より深く文化財の素晴らしさや物語に触れてもらうために宿としての機能を充実させることに踏み切った代表。 「ただお金をかけてきれいにするだけでは意味がなく、御花らしさって何? ということをスタッフと徹底的に話し合い、行き着いたのが国指定名勝内に泊まれる唯一の宿だということ。客室の角部屋には縁側を設け、日本庭園『松濤園』や文化財の建物が眺められる空間になりました。周りに高い建物がないので百年前と景色がほぼ変わっていないところも自慢です。木のアロマが心地よいお風呂にもこだわりました」 アクティビティには文化財の館内ツアー、川下りをしながらのお舟朝食、花火、月見など、御花を存分に堪能できる魅惑のプランが目白押し。一泊では足りない! そんな魅力が詰まった宿である。 立花家18代 立花千月香さん 1971年柳川市生まれ。中・高校は福岡市内の女子校へ、その後東京の大学へ進学し、卒業後は3年間東京の商社で勤務。ボストンへの留学を経て2000年に帰郷、家業に入る。2015年に代表取締役に就任し精力的に活動している。 柳川藩主立花邸 御花 所在地 福岡県柳川市新外町1 電話番号 0944-73-2189 料金(1名) 特別室 ”黒松” 87,630円〜(2食2名 1室利用時) 客室数 全20室
土橋育子
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