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Conversation

産婦人科医です。 聞くに堪えない内容でしたが我慢して聞いてみました。 案の定、医学的に間違いだらけなので訂正していきますね🐻‍❄️ 「思春期に食べるもので乳腺が形成され、将来の母乳の成分が変わる」 ⇒変わりません。母乳の原料はほぼ母体の血液です。 直前に摂取した食べ物で多少は成分が変化しますが、「思春期の食べ物」に影響は全くありません。 Mahmoud A Mohammad et al. "Effect of dietary macronutrient composition under moderate hypocaloric intake on maternal adaptation during lactation" Am J Clin Nutr. 2009 Jun; 89(6): 1821-7 「初乳にはロイテリ菌が含まれている」 ⇒正確には「含まれることがある」です。 過去の文献でロイテリ菌(Lactobacillus reuteri)の検出率は15%ほどであり、そして都市部であっても農村部であっても保有率に差は出ませんでした。 食ったものがロイテリ菌の有無に影響することはなさそうです。 Sinkiewicz, Gabriela et al. "Occurrence of Lactobacillus reuteri in human breast milk" Microbiological Ecology in Health and Disease, Vol. 20, p. 122-126 「偶蹄目はロイテリ菌を含む初乳を飲まなければ死ぬ」 ⇒そんな事実ありません。根拠を明示してください。 「乳糖・オリゴ糖は赤ちゃんを“甘いもの中毒”にする」 ⇒赤ちゃんにとって乳糖は母乳の主炭水化物であり、貴重なエネルギー源です。ヒト母乳オリゴ糖は腸内細菌のエサとして働きます。 『甘いもの中毒』という表現がおかしい。 「戦前は人工ミルクがなく、母乳100%だった」 ⇒日本初の国産粉ミルクは1917年に発売されました。 「四毒を摂ると乳腺が過剰発達し、乳腺炎や乳がんになりやすい」 ⇒デマです。乳腺炎の主要因は乳汁のうっ滞・授乳管理等であり、「食べたもののせいで乳腺炎になる」はとっくに否定されています。思春期で食べたものを指すのなら尚更です。 乳がんリスクに影響するものとしてコンセンサスのとれたものは圧倒的に「飲酒」で、次いで高脂肪食も影響あるかも、というくらいかな。 「母乳にTNF-αが移行するせいで子どもがアトピーになる」 ⇒無根拠です。根拠を明示してください。 「卵子は5~6歳頃から形成される」 ⇒デマです。卵子のもとになる卵祖細胞や一次卵母細胞は胎児期に既にあります。 ちなみに「四毒抜き」は吉野敏明が勝手に提唱したオリジナル健康法であり、 覚える必要はありませんが「小麦・植物油・乳製品・砂糖を摂ると体に悪い」という感じの意味わからん主張です。 もしその四毒とやらが体に悪いなら、 有史以前(少なくとも古代ギリシャ以前)から小麦・オリーブオイル・乳製品を使用し続けていた地中海地域の人たちは今ごろ絶滅してると思います。