イタリア、本土とシチリア島を結ぶ橋を建設へ-50年越しの計画が承認
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(ブルームバーグ):イタリアでついに、本土とシチリア島を結ぶ橋が建設される。 メッシーナ海峡を横断する橋建設の計画は、50年以上にもわたって延期が繰り返されていた。だが、メローニ政権は安全保障上の優先課題に位置づけ、承認にこぎ着けた。 サルビーニ運輸相は6日、大型公共事業を管理する委員会がこのプロジェクトを承認したことについて、「開発を加速させる起爆剤」になるとの見方を示した。 完成すれば世界最長のつり橋となる見通しで、費用は135億ユーロ(約2兆3100億円)。サルビーニ氏やイタリア政府当局者は、このプロジェクトを北大西洋条約機構(NATO)の防衛費増額の一部にしたいとの考えをこれまでに示している。 サルビーニ氏はローマで記者団に対し、橋は「必要に応じて軍民両用となることが明らかだ」と述べ、「そうならないことを祈っているが、有事の際には軍事利用も想定される」と続けた。シチリア島には北大西洋条約機構(NATO)が使用しているものも含め、いくつかの主要軍事拠点がある。 NATO加盟国は6月、全体の防衛費を国内総生産(GDP)比5%に引き上げることで合意した。メローニ政権は橋建設の費用をこれに含める考えを示している。5%のうち3.5%は軍や兵器など中核分野に充てられなければならないが、残りは全般的な安全保障投資に振り向けることが可能だ。イタリアの防衛費は現時点で、GDPの2%にも満たない。 橋の完成予定は2032年から33年の間で、イタリアの建設・設計会社ウィービルドを中心とする総合建設請負業者ユーロリンクが6日、橋建設で106億ユーロの契約を締結した。橋はもともと、国内で比較的貧しい南部へのアクセスを向上させ、経済成長を押し上げる手段として計画された。 原題:Italy Approves Bridge to Sicily After 50 Years of False Starts(抜粋) (c)2025 Bloomberg L.P.
TBSテレビ