米国、mRNAワクチンへの投資中止 ケネディ長官「予防効果なし」
【ワシントン=時事】米厚生省は5日、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発計画への投資を中止すると発表した。ワクチン懐疑論者のケネディ長官は保健政策の方向転換を進めており、今回の発表もその一環となる。
ケネディ氏は声明で「これらのワクチンは新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症に対して予防効果はないことが明らかになった」と一方的に主張した。約5億ドル(約740億円)に上る計22件の開発計画に対する連邦政府の資金提供を打ち切る考えを示した。
mRNAは新型コロナウイルスワクチンに活用され、コロナ禍収束につながった。この基礎技術を開発したカタリン・カリコ氏とドリュー・ワイスマン氏は、2023年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。
資金が打ち切られれば、米国のモデルナやファイザー、フランスのサノフィなどの製薬大手が影響を受けるという。
ケネディ氏は暗殺されたケネディ元大統領のおい。就任前から科学的根拠を示さずに自閉症の原因をワクチンと結び付けたり、「安全で効果的なワクチンはない」と発言したりしてきた。
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。