幻の出演番組「東北ココから」と「voicyとなりのこもりびと」について
2023年1月20日、NHK仙台放送局のテレビ番組「東北ココから」で、「女性のひきこもり〜見過ごされてきた声〜」 という特集が放送されました。私は過去に ”ひきこもり状態” を経験したことのある主婦として、声だけ出演しました。栗原アナと林恭子さん(ひきこもりUX会議代表理事)との電話対談という形でした。
その時の収録内容が、音声プラットフォーム「voicy」内の「となりのこもりびと」チャンネルで公開されました(現在は非公開)。同年4月19日のクローズアップ現代「広がる女性のひきこもり “孤立”をどう防ぐのか」との同時配信です。
voicyは、私の話したことを音声コンテンツとして収録したもので、捏造や歪曲はありません。事前に話す内容を指示されることもなく、その場で誘導尋問的に話の道筋をつけられてしまうこともありませんでした。私のありのままの考え方が示されています。
現在これらのコンテンツは削除されていますが、とりいそぎ概要を以下にご紹介します。
①voicy 前半 「『みんな声をあげようよ』はむたさんの声」(過去の体験)
<概要>若い頃に仕事がうまくいかず、孤立・停滞していた経験について語った。当時感じていた主婦差別や社会的抑圧などについても。
・在宅でフリーランスの仕事をしていたが、当時はテレワークなんてものはなかったので、家で一人で働くことが一般的ではなかった。現役世代が昼間に外を歩いていると変な目で見られるのでは?と思って、散歩に行くのもはばかられる感じ。
・在宅ワークのかたわらボランティアに参加しても、「子どもがいないし、外で働いてもいなくて、楽でいいわね」と年配女性に嫌味を言われる。
・パートに応募したり、働いたりしているとき、「主婦は駄目だから」「主婦は世間知らずだから」などと、同性の正規雇用の人から言われる。
→「あなたは駄目」とか「あなたは世間知らず」なら、まだいいんですよ。「主婦」という属性で差別するのが、よくないと思うんです。
・雰囲気のよくないブラックな職場では、パートや派遣社員など弱い立場の者が虐げられる。
・若いうちは、働けというプレッシャーと、子どもを産み育てよというプレッシャーがあり、社会的な役割を押し付けられてつらかった。でも、年をとったら、もう子どもも産めないし若い時のようにバリバリ働けないから、そういうプレッシャーが弱くなり、楽になった。
・社会全体で賃労働への圧力が高まっていて、専業主婦への風当たりが強い。一億総活躍とかで、老若男女問わず労働市場に引っ張り出され、賃労働をさせられる時代だから、それができない人は立つ瀬がない。
➁voicy後半「『肩書きは自分でつくろう』はむたさんの声」(回復の過程と現在の活動)
<概要>転居とDIYリフォーム、ボランティア活動をきっかけに、孤立と停滞から脱した経験を語っている。その後、本とコーヒーのあるスペース作りを目指して活動を始めた話をした。
・都会の生活では、地域に居場所がなくてずっと孤立していた。そこを出て地縁のある場所で生活するようになった。地縁があるので一から自分が何者かを説明しなければというプレッシャーがなく、楽になった。
・自宅をDIYしているうちに自信がついてきて、人と接することができるようになった。
・人と接するボランティアを初めてみたら、周りが優しい人ばかりで、人が怖いという感じがなくなった。
・社会的な問題の背景に孤立があると考えている。そこまで追い詰められないように予防的な措置として、気軽に立ち寄れるスポットがほしい。属性で区切ることなく、本が好きというだけでつながることができればいいなと。一生懸命じゃなくても生きられる社会がいいと思う。
→「こやぎ村」という運動体を作って、「村長」を名乗り活動中。ちなみに今は社会的にも経済的にも困ってないので、どうか誤解なきよう。
※「東北ココから」の収録内容について、収録時のエピソードをまじえて以下の記事で書いています。画像あり。ぜひご覧ください↓
【追記】とはいえ、音声収録がまったく編集されてないわけではなくて、私が「ひきこもり女子会」に行った時の話はカットされています。UXひきこもり会議を含め女子会に3回行ったことあるけど、ぜんぜん馴染めなかったという話をしたら、対談していた林恭子さんがムっとしていたような……。「同性との付き合いが苦手な女の人もいますよね」ってさらっと流されちゃったけど。そういうのとはまた違うんですよ。
女子会に行って「自分だけじゃないんだ」と安心する人が多いらしいんだけど、私にはそういう感性がまるきり欠けています。ああいう場に馴染んでしまうと「ひきこもり」のアイデンティティが強化される気がするし、他にもいろいろあって警戒してしまう。そんなわけで、当事者会とか支援団体とかは、正直いって苦手です。
今はもう「ひきこもり」ではないこともあり、そういうのに参加しようとか自分で主催したいとかは、まったく考えていません。
この件に関しては、今回の事件をきっかけに「界隈の闇」みたいなのを垣間見てしまったので、これからボチボチそういうテーマで書いていこうと思います。たとえばこんな話とかね。↓↓↓
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