設計コンサルタント会社が工事の受発注に関与する「設計監理方式」を悪用した、マンション大規模修繕工事を巡る不正。工事会社の関係者が住人になりすまして受注を誘導する巧妙な手口が発覚した。
神奈川県内の分譲マンションで、修繕工事会社の従業員と見られる2人が大規模修繕委員会に入り込み、自社が工事を受注できるよう誘導しようとしていたことが明らかになった。関係者によると、管理組合は2人を偽計業務妨害と詐欺未遂の疑いで告訴。神奈川県警は告訴状を2025年7月4日に受理した。
設計監理方式では、管理組合が設計コンサルに建物診断や工事会社選定、設計・監理などを委託し、設計コンサルが修繕工事の仕様を決め、入札や見積もり合わせで工事会社を選定する。
このマンションでは、大規模修繕の設計コンサルを決めるに当たって、修繕工事会社から送り込まれた2人が住人になりすまし、自社とつながりがある設計コンサルが選定されるよう、誘導したと見られる。組織的な犯行が疑われる悪質な事件だ。
1人は逃走し後日逮捕
このマンションの管理組合関係者によると、2人は東大阪市にある修繕工事会社A社の従業員と見られる(以下、a1とa2)。それぞれ、ある区分所有者と、別の区分所有者の息子になりすまし、24年8月からマンションの大規模修繕委員会に参加していた。
不審に思った管理組合関係者は、25年5月の委員会に出席した2人に身元を明らかにするよう要求。事前に通報を受けていた神奈川県警が、1人を住居侵入の疑いで現行犯逮捕した。逃走したもう1人も後日、逮捕された。
朝日新聞の報道によると、2人はA社の従業員だと自供し、「大規模修繕委員会に適正な進め方を教えるためだった」「会社の利益のためになるとも思った」などと供述しているという。2人とも処分保留で釈放された。
管理組合関係者によると、2人のうちa1は大規模修繕委員会において、建築士資格を持つことなどを理由に、設計コンサルの公募作業を買って出ていた。応募してきた14社の提出書類を比較するための資料作成なども、率先して引き受けたという。















































