ごめんなさい、楽しくなって二回目の番外編です。次は本編です。
何?
ナルトの人間は同性同士でこじらせすぎじゃないかって?
逆に考えるんだ、同性だからこじらせたんだから、異性にすれば問題ないって考えるんだ。
という悪魔みたいな考えの内に書いてます。
うちはシスイは現在一人で暮らしている。
彼を溺愛しているうちはカガミは実家で暮らせば良いと言っているが、一度ぐらいはと家を出ている。
父や母もそれを認めてくれている。
その日も身支度を済ませて家を出た。そのまま向かうのは、昔なじみの家だ。
「・・・シスイか。」
「あ、はい。お久しぶりです。フガク様。」
シスイは少しだけ顔を引きつらせて答えた。
もちろん、シスイ自身、フガクのことが嫌いだとかではない。フガクは族長として申し分ない存在だ。
実力もそうであるし、何よりも気質だろう。
生真面目で職務に対して誠実だ。融通が利かない部分はあるが、法を守る者としてはそれぐらいがいいだろう。
(・・・・千手の人たちにはめちゃくちゃ人気があるんだよなあ。)
何故か、千手、といっても千手扉間の系譜の人間にはフガクはやたらと人気がある。
狭間曰く、ああいう不器用で堅物の人間って可愛くない?らしい。
といってもシスイ自身、やはり苦手だった。
彼の娘であるうちはイタチと仲のいいシスイへの視線はやはり刺々しい部分がある。
「何のようだ?」
「あ、えっと。イタチに会いに。」
「・・・イタチに?」
その威圧感にシスイは泣きたくなる。
シスイにはよこしまな気持ちはもちろん無い。
(いや、確かにぐっと来てしまった時もあるが。イタチとはあくまで友で!)
「あなた、シスイのことをいじめるものじゃないわ。」
「・・・いや、そんなことをしては。」
うちはミコトの登場にシスイはほっと息を吐いた。
元々、宗家の血筋はミコトであったりする。うちはイズナの孫に当たる彼女の争奪戦は当時は相当であったらしい。
うちはで絶大な人気を誇るイドラ姫によく似たミコトはそれこそ、うちはでもっとも尊き姫であったそうだ。
「あなたにも見せてやりたかったですねえ。結婚が決まったときのフガクの顔を。」
そう言って当時のことを話してくれた千手広間の顔を思い出しながら、シスイはミコトを見た。
「ごめんなさいね。イタチは今・・・・」
「シスイか?」
ミコトが口を開こうとしたとき、家の奥からひょっこりとうちはイタチが顔を出した。
「ああ、イタチ!?」
声が思わず裏返った。何故って、姿を見せたイタチは明らかに風呂上がりで、タンクトップから見せる諸諸にシスイは固まった。
「すまん、時間を間違えていたな。着替えてくるから待っていてくれ。」
「イタチ、なんて格好で出てきているんだ!?」
ばたばたと奥に引っ込んでいくイタチを追ってフガクもいなくなった。それにミコトがため息を吐いた。
「ごめんなさいね。すぐに出てくるから。」
「あ。大丈夫です。」
そのまま玄関に一人残されたシスイは息を吐いていると、また玄関が開いた。そちらの方に視線を向けると小柄な人影が見えた。
「あ、シスイ!」
ぴょんと自分に抱きついてきたそれをシスイは受け止めた。
「サスケか。おはよう。」
「おはよう!」
「アカデミーは、休みか。」
「そう!どうかしたの?」
「ああ、イタチを呼びにな。」
それにサスケは不機嫌そうに顔をしかめた。それにシスイは目の前の存在の機嫌をどう取るか悩んだ。
サスケからすればシスイは姉を連れて行く悪者だ。アカデミーが休みだというのだから、彼としてはイタチに稽古をつけて貰うことを計画していたのだろう。
「・・・今日は待機の予定だから、できるだけイタチが早く帰られるように頑張るから、な?」
「本当?」
「ああ、約束するから。」
「シスイは?」
「うん?俺もか?」
「ナルトの奴、狭間のおじさんに新しい術教わったって自慢するんだ!」
「なるほど。」
「火遁豪火球の術、早く会得して父さんに見せるんだ!」
「わかった、なら俺も早く帰られるようにするから。」
それにサスケはにこにこでシスイにじゃれつく。一人っ子のシスイとしてはその仕草が可愛くてたまらない。
「あ、そうだ。違うんだ、用があってきたんだ。」
「どうしたんだ?」
「カグヤが来てるんだ。」
うちはカグヤ。
おそらく、うちはの中で一番に独特な人間だ。
(本当に猫なんだよなあ。)
そこには縁側で丸くなって寝息を立てているうちはカグヤの姿があった。
カラスのような黒い髪に、真っ白な肌。そうして、見目麗しい顔立ち。長い黒い髪のせいか、優美な獣のような印象を受けるそれは、ミコトと瓜二つであるのに纏う空気が違う。
「カグヤ、起きろよ!」
「・・・・んん。」
サスケがカグヤを起こそうとゆすり起こすが、カグヤは眠そうに唸るだけだった。
「・・・今日はイタチの所か。」
うちはカグヤには困った癖のようなものがある。それは、やたらと眠ることだ。
任務となればしっかりと覚醒するのだが、それはそれとして気に入りの昼寝ポイントがある。
その中に、他人の家の縁側が入っているのだ。
(・・・うちははまだ身内だからいいんだがなあ。)
そのお気に入りの中に奈良家などの他家もある。うちはとしてはさすがにと止めさせようとしたのだが、無意味に優秀なカグヤを捕まえることも難しかった。
(シカク様とかは許してくれてるからいいんだけどなあ。)
「サスケ、起こさなくていい。家まで俺が送っていくから。」
「うん、わかった。」
サスケはそのまま家に入っていく。
(大抵の人間はこの人を見たらうれしがるんだけどなあ。さすがは日頃から可愛がられてるとこんなもんか。)
シスイは無遠慮にカグヤのことを抱き上げた。まるで野良猫を抱き上げるような仕草だった。けれど、幼い頃からオビトと共にそれと関わっているシスイからすれば、カグヤはまさしく猫だった。
どれだけ顔が良くとも、行動があまりにも突飛すぎた。
そうは言っても、何かしらをすればにっこりと笑ってぽけぽけとした空気の中でありがとうと言われると、次も何かをしてやろうと思ってしまうのだが、自分もちょろいなあとシスイは思う。
(ついでに家に送っていけば良いか。)
「・・・シスイ?」
「ああ。イタチか。」
シスイの気配に気づいたのか、身支度を済ませたイタチが顔を出した。
「カグヤ様がいてな、ついでに送っていっても・・・・」
そこでふと、シスイはイタチがカグヤのことをガン見していることに気づいた。はて?と、シスイは首を傾げる。
サスケによく構っているカグヤはイタチとも親交があるはずだ。なぜ、そんなにも凝視しているのだろうか?
「・・・シスイ。カグヤ様を渡してくれるか?」
「え、ええっと、どうしたんだ?」
シスイはすぐに気づいた。何故か、目の前で微笑む彼女が怒っていると言うことに。
けれど、それが何故かわからない。
シスイからすればよく姿を消す家猫を保護しただけの話だ。
なのに、何故イタチが怒っているのかわからない。
「いいから、渡してくれ。」
「いや、お前。」
どう見ても怒っている人間に、腕の中のそれを渡すのはためらわれた。
どこか幼くて、愛らしい、幼い頃から可愛がっていた妹分だ。イタチが彼女に何かをするのはないだろうが、それはそれとしてとも思ってしまう。
「何故、ためらうんだ?そんなにもその状況を手放すのが惜しいのか?」
「いや、本当にどうしたんだ?」
どんどん機嫌の悪くなるイタチに困惑していると、腕の中のそれがもぞりと動いた。それに視線を下に向けると、夜が己を見ていた。
ぞわりと、シスイの背筋に寒気が走る。黒く、深い色のそれは何か覗いてはいけないものを覗いた感覚だった。
が、それが笑った瞬間にそんな寒気は霧散した。
「シスイだ。」
弾んだ声、甘ったれた声音。にっこりと、幼子のような笑み。それにシスイも思わず笑みを浮かべた。そうして、カグヤを下ろした。
「あれ、もうこんな時間?」
「カグヤ、どこでも眠る癖はなんとかしないか?」
「眠いのは眠いからなあ。あ、もう、行くね。シスイ、イタチ、起こしてくれてありがとうね!」
ふにゃふにゃとした笑みでそう言われると、シスイも思わずにこにこしてしまう。やっぱり、妹分にお礼を言われるのは嬉しいのだ。
そのままカグヤは見事は身のこなしで庭から出ていく。
「・・・カグヤのことは可愛いか?」
「うん?そりゃあ、昔からの付き合いだしな。イタチだってカグヤ様のことは可愛いだろう?」
「・・・私は、可愛くないさ。」
「は?」
「なんでもない。それよりも行くぞ、シスイ。」
シスイはイタチが何故怒っているのかわからずに首を傾げた。
いいかい、女性というのは時々、妙なところで怒るものさ。それを受け止めてこそ男なんだよ。
なんて祖父は語っていたが、自分にはこれを受け止めきれる自信が無いなあとシスイは思う。上忍たちの待機場までイタチと歩きはしたが、何故、そんなに機嫌が悪いのかわからない。
(・・・何でだ?わからん。)
そんなことを考えていると、待機場でもまた何やらトラブルが起こっていた。
「だーかーら!オビトはカグヤに対して甘すぎるんだよ!」
「甘くねえって、何をそんなにキレてんだよ!?」
待機場の真ん中には、みんな大好きうちはオビト、そうしてその腕の中で爆睡しているカグヤの姿があった。
その目の前にいたのは一人の女性だった。美しい銀の髪を腰まで伸ばしたそれは、すらりとした痩躯ではあるが、しなやかな体をしている。
ただ、顔の下半分はマスクに覆われていたため、容貌自体ははっきりとわからない。ただ、涼しげな目元を見るに、美しい顔立ちをしているのはなんとなく察せられた。
銀髪の女、はたけカカシは心底妬ましそうにオビトの腕に収まったカグヤを見つめている。
「・・・・どうしたんですか、あれ?」
「あー。いつもの焼き餅だろ。」
そう答えたのは、疲れた顔をしている猿飛アスマだ。基本的にアスマは疲れた顔をしているのでシスイは気にはしなかった。
「実はさっきカグヤ様が入ってこられたんですが、そのままオビトの膝を枕に寝始めましてねえ。それを見つけたカカシがあんな状態に。」
そう言ってきたのはアスマの隣にいた志村トビだ。
父親似のせいで鋭利な印象を受ける顔立ちをしているが、全体的に苦労人臭がしすぎて近寄りがたさはなかった。どちらかというと人がよさそうな男だ。
「あー・・・なるほど。」
「大体さ、上忍のくせにたるんでるでしょ?もうちょっと厳しくしてもいいじゃない!」
「厳しくって、こいつは昔からこういう奴だし。大体、任務だとか緊急時はきりっとすっからいいだろ?」
「それでなんでオビトが甘やかすのさ!オビトがそんなんだからカグヤが成長できないんでしょ!!甘やかすならもっと頑張ってる人でもいいでしょ!?」
「甘やかすってなんだよ!?だから、いちいち意味がわかんねえんだって!?」
「意味わかんないって何!なんで、私にだけそんなに厳しいの!?」
「お前にだけ厳しいってこたあないだろ!?」
これは端から見ればなんになるのだろうか?
そんなことをシスイは考える。
「カカシさんも、昔からああですよね。」
イタチのそれに皆でうなずきあった。
カカシとオビトの関係は相当幼い頃に遡る。元より、縁戚関係にあった両親の頃からの関係で顔なじみであった二人ではあるが。
カカシは昔から天才だった。人よりも際だった才のせいか、なかなか友人を作ることが出来なかった。
そんなときに現れたのが、兄貴肌で、面倒見も良く、どれだけ邪見にされても平気な顔で構い続けるオビトである。
「色々あってからずっと引きずってるからねえ。」
「「うっわ!!」」
唐突に割り込んできたそれに皆が声を上げた。そこにはにっこりと微笑む男がいた。雪のような白髪に、鋭い切れ長の瞳。その造形は里の創設者の一人である千手扉間によく似ていた。
だが、纏う空気のせいだろうか、彼の祖父とはまったく似ていない。
にこにこと笑みを浮かべる様は父親の広間に似ているのだが、常時笑みを浮かべている狭間はまるで狐のようで、なんだか胡散臭い。
広間のぽけぽけとした空気を受け継がなかったせいか、ここまで印象が変わるのかと不思議に思う。
ただ、仕草自体はおっとりとしていて、忌避するほどの印象は受けない。
男は、千手狭間はどっかりと近くの据え置きの椅子に座った。
「狭間様、おられたんですか?」
「まあね。前のやらかしで謹慎とまでは行かないけど、活動自粛させられてね。」
「・・・本当に止めてくださいね。カグラ様に叱られるのは本当にごめんですよ。」
「そんなにこわい?怒った母上。」
「あんだけの殺気を浴びせられてそう言えるお前が異常なんだよ。」
「あれでへこたれてたら、術の研究なんて出来ないよ?にしても・・・」
狭間はそう言って、ずっとオビトに文句を言うカカシを見た。皮肉の連発をしながら敵愾心マックスでカグヤを見つめている。
「いや、にしても。そりゃあ、無愛想な自分にずっとかまい続けてくれて、死にそうなとき庇って半身潰れて帰ってきて、それでもお前が無事で良かったとか言われたらフラグの一つも立ちますよねえ。いやあ、オビトも気づかないのかねえ?」
「気づかないでしょう。あのうちはですし。」
「いや、うちはを何だと思ってるんですか。」
「忍術大好き、修行大好き、全体的に鍛錬馬鹿。」
それにシスイも思わず、うっと唸った。
うちはの恋愛事情ってどんな感じ?といわれるとまあ、見合いが主流であったりする。うちは自身、プライドが馬鹿高いせいで自分磨きに躍起になる。
若い内から修行、修行、修行好きが非常に多い。そのため、恋愛?何それおいしいのというのが多すぎる。
そのため、見合い結婚が殆どだ。ミコトのような事例が珍しいのだ。そのおかげで血の濃さの管理が楽なのだから、それはそうなのだが。
ただ、結婚したのだから誠実ではないとと一途に愛する努力はしてくるため家庭自体は円満なところが多い。
顔がよく、優秀で、おまけに浮気もしないとなればうちはは結婚相手としてひどく人気がある。
オビトも例に漏れない。
「オビト、子どもの頃からみんなに可愛がられてたしねえ。外に愛を求めなくても、満たされてるから修行に全振りだし。まあ、世話しないといけないのが多すぎて枯れてるよねえ。」
(・・・・オビトの悩みのタネの一人がなんか言ってる。)
「アスマ、何か?」
「イイエ、ナンデモナイデス・・・・」
アスマがぶんぶんと首を振る横でトビが口を開く。
「でも、オビトの曾お祖父様のマダラ様は奥方への和歌なんかも詠ってましたよね?」
「ああ、あれですねえ。」
狭間はちょっと笑みを深くした。
血縁で言うのなら、曾祖父のうちはマダラは自分の祖父母をモデルにした恋愛ものの他に本を出している。
というのも、敵対時代から手慰みに書いていたというチャンバラ物に、旅を題材にした随筆に、和歌まで詠んでいたのだが。
それを読んだ千手柱間がいたく感激した。弟であるうちはイズナの勧めもあって出版した作品はどれもが非常に売れた。
(・・・その中に、アカリの婆様っぽい人がヒロインの作品もあるから、爺様も爺様だけど。)
そこで狭間は己の父である広間のことを思い出した。
元より、扉間達をモデルにした恋愛物の本が出たきっかけは広間だ。生前に聞いていたという二人のなれそめなどのネタをマダラに持ち込み頼んだのだそうだ。
今後、世代を重ねて行くにつれて、うちはと千手がいがみ合わないか心配で。なので、両氏族が仲を違えないように、父上達の話を記録に残しておきたいんです。読みやすく、小説仕立てで。
こんな頼みでマダラがよく書いたなあと思われるが、イドラによく似た広間のそれに陥落したのだ。そうして、見事原稿を手に入れた広間は、これまたマダラをおだて、ねだりまくり、その話を出版まで持ち込んだのだが。
昔、父に聞いたことがあった。
忍の生活体系について触れている本を出版してよかったのかと。それに、広間は文机にもたれかかって楽しそうに笑っていた。
狭間、平和になった時、忍者にとって不利益なのはわかりますね?
ええ、そうです。
仕事がなくなりますよねえ。なので、外貨稼ぎは大事ですよ。戦がなくなっても稼ぐ手段は大事ですし。戦が起きてもお金がないわけではないので還元しておけば有事の時でも大丈夫ですし。
ああ、何よりも、広く流通していればブラフをてんこ盛りにして精度は低いですが、情報操作にうってつけでしょう?
いいですか、狭間。
おそらく、これからどんどん忍というそれは低迷していくでしょう。それは仕方が無い。ならば、せめて、我らの存在を覚えておいて貰いたいのです、私は、
人は、豊かになればなるほどに、刺激を求める。平和な世と娯楽というのは切っても切れません。恋愛物は世代の中で忌避されにくい題材ですし、許されぬ恋なんて響きも、ハッピーエンドが決まっているとなれば誰だって求めるんですよ。
何よりも、そのモデルになった地だとか、関係性も高ければ、観光としての宣伝にうってつけなんですよねえ。
ねえ、狭間。
(我ら忍は、いつまで、忍として生きていけると思いますか、なんて。)
狭間は父のそれに特別驚かなかった。というのも、狭間にとって父に問うたそれは試験問題を解いた後に、○ツケを期待する子どものそれでしかなかった。
今思えば、父は忍というよりも商人の思考に近いのかもしれない。
(・・・まあ、まーだ、需要と供給はなりたってるけどなあ。いつまでかは、孫世代とかになるとわかんないけど。)
「もういい!オビトのばーか!!」
「え、ま、カカシ!?」
騒がしさがピークに達した後、カカシが待機場を出て行く。いつのまにか、オビトが抱えていたカグヤも消えている。
オビトははぁとため息を吐き、ふらふらと狭間達のほうに向かってきた。
「・・・・なあ、まじでカカシの奴どうしたんだよ?」
「さあ。カグヤのことが心配なんじゃない?」
狭間のそれにオビトはうろんな目をした。皆、そっとオビトから視線をそらした。カカシの真意を言ってもいいが、それで余計にこじれて巻き込まれたくないのだ。
「・・・オビトさん。」
「あ、どうしたんだ、イタチ?」
「すぐに追ってください。」
「え?」
「カカシさんをすぐに、追ってください。」
威圧感のあるそれに、オビトはタジタジになる。他の人間に救いを求めるが、残念ながら皆。目をそらした。
人の恋路を邪魔すると、馬に蹴られてしまうらしい。
イタチの威圧感に耐えきれなくなったオビトはクソっと叫びながらカカシを追った。また、イタチが不機嫌になったことを察したシスイは狭間にこそっと聞いた。
「・・・・イタチの不機嫌の原因ってわかりますか?」
それに狭間はゆるく目を細めた。
「まあ、春も近いし。発情期なんじゃない?」
それに頭に多くのはてなを浮かべるシスイに、狭間はふっと笑った。
火影岩の上に、一人の女が座っている。ちょうど、座りやすいと初代のつるっとした頭の上だ。そこで、彼女はじっと、夕暮れの空を眺めている。
女は明らかに一人であるのにぶつぶつと、何かに話しかけている。
「・・・・うん。オビトは万華鏡写輪眼になったよ。そうだね、神威は強力だからね。」
「うんうん、穢土転生に関してはお祖父様が情報を持ってるから、なんとかなるかな。改良版だよ。生け贄なしで、術者への憑依っていうのが正しいのかな?」
「サスケとナルトに会いたいの?また、鍛錬する約束してるよ。孫は可愛い?カグヤの婆様からして孫なの、あの子達。」
カグヤと名乗るそれはうんうんと、何かと会話をし続ける。そうして、また、空を見上げた。
「まだ、来ないねえ。うん、でも、来るんだよね。そうだね、なら、頑張らないと。ナルトとサスケは英雄にならない、なれない。悲劇は起きないから。でも、空からやってくるものはいる。うん、カグヤの婆様も手伝ってくれるんでしょう?うん?孫は可愛い?それ何回目?」
カグヤはそっと、己の胸の辺りをそっと撫でた。そこには菱形の痣らしきものが存在していた。
「みんなのこと、守ってあげなくちゃね。」
そう言って、女はぐっと背伸びをした。