放送業界に対しても規制強化の動き
参院選の話題にかき消されている感があるが、放送業界のガバナンス問題はやっと議論が始まったばかり。今まで「自主自律」の建前を掲げてきたものの、実態が伴っていないのは明らかである。あまりの体たらくに総務省も介入せざるをえなくなったというのが、本音ではないかと思う。
いわゆるフジテレビ問題を受けて今年6月に設置された「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会」が、月イチで開催されている。
座長は偽・誤情報関連の検討会と同じ識者が務める。中心メンバーは企業ガバナンスを専門とする研究者や法律家。民放連はオブザーバー参加で、ガバナンス確保に向けた取り組みを報告する。
7月29日に開催された第二回では具体的な提言がなされた。
一つは、各局に設けられている番組審議会に人権問題のチェック機能をもたせようというもの。制作物である番組の内容だけでなく、制作過程での不適切行為(ハラスメント等)も俎上に載せてはどうかという提言である。審議会の機能活用の努力義務を定めた放送法6条6項を論拠としている。
番組審議会といえばフジテレビで「テレビと人権」をテーマに審議された際に、「人権意識が強すぎると番組がつまらなくなる」といった趣旨の発言があった。番審で人権問題を扱うのであれば、人選には留意していただきたい。
もう一つの重要な提言は免許に関わるもの。
・免許付与後に総務省がモニタリングをすることを提案→現状では「免許を付与したらそれで終わり」の放置プレーらしい。定期的に報告を求めるとよいのでは、とのこと。
・何か問題があった場合の処分に幅をもたせる→
いまは停波しかないので段階的な処分を設けてはどうかという提案。たとえば、通常は5年の更新期間を3年に短縮する、などである。
これら免許に関わることは放送法ではなく電波法で対処すべきとあった。介入の口実に使われないようにするためだという。フジテレビに限らず業界全体のガバナンスがここまで緩いと、介入を許す余地ができてしまう。自業自得と言えばそれまでだが、政府による介入の歯止めは必要である。
民放連の方でも「人権ハンドブック」なるものを作ってみたり、加盟社を対象にアンケートを実施してみたりと(人権上の問題の有無を問われて正直に答える局ばかりだといいですね!)、いろいろと手を打っている様子。ただ、長年にわたり特権の上にあぐらをかき続け、人権意識のアップデートが他業種に比べてかなり立ち遅れているテレビ業界が、遅れを取り戻すのは容易ではなさそう。だから外圧が必要なのだろうけど、それで少しでも変わることができるかどうか。あきらめ半分、期待半分で見ている。
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