1月から続くオウム真理教元幹部平田信被告(48)の裁判員裁判は27日に結審。3月7日の判決を待つのみになった。死刑囚が証人として出廷するなど異例の公判は注目度も高く、東京地裁には自称「オウムファン」の“オウマー”たちが熱心に足を運ぶ。本紙がその一人に話を聞いてみると、危険なまでの熱心さが浮かび上がった。
某地方に住む女性Sさん(31)は平田被告の裁判を傍聴するため、一時的に上京している典型的なオウマーだ。
「私が『アーちゃん』と呼んでる麻原(彰晃教祖=本名松本智津夫)の三女のアーチャリーがお気に入り」。一連のオウム事件は当時も知っていたが「その時は特に興味もなかったけど、有名なオウマーのサイトを暇つぶしで見るうちに幹部のキャラがおもしろかったりしてハマってしまった」という。
オウマーの定義にはいろいろあるが、Sさんの中では「オウムをちゃかすことが趣味の人」だ。「オウムのやったことはひどい。寝たきりになった被害者もいて、かわいそうに思う」とテロ・殺人行為を否定する一方で「事件は別として、オウムのおもしろいところにはひかれる」と語る。他のオウマーらは「オフ会」と称して、麻原死刑囚のいる東京拘置所に集まったり、オウムの死刑囚と文通したりしている。
Sさんは、三女が「女王様タイプ」だったことで好きになった。
「麻原の子供の中でも一番カリスマ性があって『ビルから飛び降りろ』と命令した信者に大ケガさせたり、気に入らない子供を暗い部屋に一日中閉じ込めたり、信じられないことを平気でする。顔はタイプじゃないけど、見てるうちに愛嬌があってかわいいと思うようになった」
傍聴席ではシールにした三女の顔写真を貼ったノートに傍聴記録を熱心にとる。“愛”が高まり過ぎて、関東某所の三女の自宅を1日9時間も眺めることが日課になりつつあるとか。「大人になった顔がどうなってるか見てみたい」と屈託なく語るが、あきれ顔の記者に気づくと「悪趣味なのはわかってるし、友達にもオウマーとは言えないけど、やめられません」と取り繕った。
Sさんにとってオウム裁判は刺激の連続だ。以前はオウム関連本などから情報を得るだけだったが「本やネットで見ていた死刑囚の声を聞けて、ワーッと叫びそうだった。ウパーリ(中村昇無期懲役囚のホーリーネーム)の痩せて変貌した姿は衝撃でしたね」。オウマーは基本的に信者をホーリーネームで呼ぶ。Sさんも平田被告を「ポーシャ」と呼んでいる。
オウム派生団体「ひかりの輪」上祐史浩代表(51)の説法会にも3度参加した。「上祐はアーちゃんと同棲中の彼氏の関係について『三女は○○君のことを心の底から愛してるんだと思う』と言ってて、ときめいた」と喜ぶものの、三女の家の周囲を徘徊するSさんの行為に、上祐氏からは「アナタ、やり過ぎだよ」と叱られたという。
Sさんは、もう一つの派生団体「アレフ」への潜入もたくらんでいる。
「アレフが団体名を隠してやってる自己啓発セミナーに昨年参加した」といい、ファミレスで出会った男性はアレフの人間とは名乗らなかったが、アレフのホームページには顔写真とともに、指導者を表す「師」として紹介されていた。名前を隠して近づくのは勧誘の手口だが、Sさんにとっては「うまいこと誘われて、アレフの道場に潜り込むのが目的です。早く誘われないかな~」という感覚だ。
記者が「信者なのでは?」と疑いを持って聞いてみると「違いますよ!」と否定。だが「地裁でもオウムについて楽しそうに話していたから、帰りに公安の人に数回尾行された」とも。
「私は大丈夫」と洗脳はされないというが、オウムの残党にとってSさんのようなオウマーは取り込みやすい対象。かつてのオウムも興味本位で集まって来る若い世代を取り込んでいただけに、不安は残る。












