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今年こそ卒業を ストレス解消の衝動買い

お金にまつわる悪い癖・習慣(2)

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今月はお金にまつわる悪癖や悪習を見直してみようというテーマです。今週取り上げてみたいのは、誰もが思い浮かべるお金の悪癖のひとつ、「衝動買い」の失敗です。

衝動買いを全否定はできない

私たちの人生で無駄遣いを100%なくすことはできません。例えば、いつもはA社のパンを毎日食べている人が、新作のB社のパンがおいしそうだなと試してみたところ、失敗だったということはあります。

悩みに悩んだうえで買った服が、結果として外れになったり、これは便利だと思った家電や日用品が予想外に使いづらかったりしてほこりをかぶることもあるでしょう。

これらは結果としての無駄遣いですが、それほど問題視する必要はありません。毎日同じ最安値のパンだけを買い続ける日常は味気ないですし、チャレンジが生活の利便性を向上させることもあるからです。

初めてスマートフォンを買ったとき、乾燥機能付きのドラム式洗濯機に買い替えたとき、新しいアレンジの着こなしを見つけたとき、最初は冒険かもしれませんが、時々大成功と出合えます。

いくつかの無駄遣いが、結果としての成功を導くこともあるので、無駄遣いを全否定しなくてもいいわけです。

しかしながら、無駄遣いの癖を自覚しているなら、それについては改めてみたいところです。特に危険なのは衝動買いのタイプで、無駄遣いの確率も極めて高い買い物パターンです。

ストレス解消が別のストレスを生んではいないか

お金の悪い癖、習慣として衝動買いを問題視するのは、コストパフォーマンスの悪いストレス解消方法になりがちだからです。

服を買うのはいいのですが、「服そのもの」の価値ではなく「店員さんにお似合いだと褒められ、ありがとうございましたと頭を下げられる愉悦感」にお金を払ってはいないでしょうか。それは一瞬の満足です。

仕事やプライベートでイライラしていたストレスを高額の出費で解消しようとすると、服を買ってもスマホゲームのガチャに課金をしても、残るものはむなしい感覚です。買い物で得られるプラスの感情、喜びやうれしさも確かにありますが、ストレスというのはなかなかお金で解消できないもののように思います。

それどころか、お金を空費してしまったことを責めたり、次のクレジットカードの支払いが生活を圧迫して別の苦しさを生み出したり、ストレスが別のストレスに転化するだけ、ということもあります。

この場合、お金がストレスを解消するどころか次のストレスを連鎖で生み出しています。せめて、お金を使うならマイナスの感情をプラスの感情で相殺したいところです。

まずは「金額」をコントロールしてみよう

衝動買いについてまず対策があるとすれば、「金額」を小さくしてみることです。イライラしたとき駅ビルに入って服を選んだり家電量販店でいきなり高額商品を買ったりしてしまうからこそ、失敗し後悔もするわけです。金額的ダメージが大きいことも問題です。

同じ失敗をするなら、駅ナカやデパ地下でスイーツを衝動買いするほうがよほど金額は小さくなります。「服を買ってストレス解消(1万円単位)」を「デパ地下でスイーツ買ってストレス解消(千円単位)」とするのは立派な対策です。皮肉なことに、解消されるストレスは大差ないはずです。

私がオススメするのはコンビニでの衝動買いです。ちょっと値段が高いビール、定番商品より高い期間限定スイーツ、人気アニメのクジなど、あなたの好みに合うちょっとだけ高額な買い物をしてみます。少しでもワクワクすれば成功です。金額で1000円を超えることはまずないので、出費としてもあまり傷みませんし、満足度は案外高いことに気づきます。

金額を意識すれば、スマホゲームのガチャなども悪くありません。問題は数千円の10連ガチャに何度も課金して万単位の出費になることなので、そこだけは心にリミットをかけておきます。冷たいようですが、あなたが課金しなくても、ゲームの世界は存続し続けるし、あなたの数万円の課金くらいでサービス終了を止めることはできないと考えてみてください。

衝動買いを「できなくする仕掛け」を作る

どうしても衝動を抑えられない人もいます。この場合は気持ちに制限をかけるのではなく、支出方法に制限をかける方法もあります。

まず下ろしてはいけないお金はメインバンク(給与振込口座)から違う口座に移して隠します。引き出しに数日かかる口座だとさらに歯止めがかかります。財形貯蓄の口座で貯金したり、証券口座で投資信託を保有したりすると解約手続きが生じる分、一定の歯止めになります。

クレジットカードは最低限度利用するもの以外は解約し、使える選択肢を減らします。さらにキャッシングの利用枠については取り消しあるいは減額の手続きができるのでコールセンターに問い合わせて、「衝動買いをしたくても、借金は極力できないカード」にしてしまいましょう。利用限度額も毎月返済できるくらいまでに、あえて引き下げる方法もあります。

スマホの場合は、月額利用額の上限設定をしたり(Androidの場合)、クレジットカード情報を削除したり、課金のたびにコンビニでプリペイドカードを購入したりすることでリミットをかけることもできます。

「借金をしない」「貯金を崩さない」ところまで仕掛けをつくり、毎月の収入の範囲に衝動買いを抑え込めれば、結果として無制限の衝動買いを抑えることもできるでしょう。

「ためて」一気に解放する幸せを大切に

最後にもう一度繰り返しますが、無駄遣いをゼロにしようと気合を入れすぎる必要はありません。

生活に支障がない範囲で本を買ったりスマホゲームで遊んだり、旅行に出かければいいのです。そして、「衝動」ではなく「計画」によってそうした幸せや満足を購入するように自分を少しずつ変えていきましょう。

あなたの友人はすでに「毎月1万円貯金して1年後に旅行に行く。そのために仕事をがんばる!」というようなやり方でストレスを解消しているかもしれません。

計画を立てると、実際の買い物まで「待つ」時間が生まれますが、これは期待値を高めたり失敗のリスクを減らしたりするためにも役立ちます。衝動買いと逆の効果が次々と生まれるわけです。

お金を「ためて」、気持ちも「ためて」、一気に解放するなら金額が高くてもその買い物は、最高のコストパフォーマンスであなたに幸せや満足を与えてくれることでしょう。今年こそ、衝動買いから卒業してみませんか?

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「日本版FIRE超入門」(ディスカバー21)など。http://financialwisdom.jp
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