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貯金が心の支えだった

その時に心の支えとなったのがFIRE(早期退職)の夢を想像することでした。別コラムで書きましたが、当時から私はひたすら節約貯金をしてブラック企業から逃げ出すことを心にきめていたのですね。精神をFIREの夢に逃避させて、つらい現実に耐えていました。

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とにかく今5000円貯金すれば、将来1日早く逃げられる。辛いからって今1万円を散財すれば、逃げるのは2日遅れてしまう。そんなことばかり考えているうちに、鈍る痛覚とは裏腹に私の貯金マインドはどんどん先鋭化していきました。

最近はよく「どうやってそんなに節約生活が続けられたのですか」と聞かれるのですが、何のことはない、ただの逃避行動や心理的防衛反応だったんですね。この状況に持っていけば誰でもいくらでも節約生活できます。お勧めはしませんが。

金で買った「命」

私はよく「20代30代を棒に振ってお金を貯めました」と自己紹介をするのですが、もし現実逃避の蓄財をしてなかったら、今はどうなっていたのでしょう?

暗いことを書いて申し訳ないのですが、まず間違いなくメンタル不調時に自死していたと思います。20代か30代で。おそらく貯まったお金が心の防波堤になっていました。そう考えると、お金の為に半生を棒に振ったことも意外と合理的な選択だったのかもしれません。

他人から見れば、私の半生はあまりにも異様で不合理で、不器用なものに見えるはずです。しかし一方で、正常ではない精神状態の下では、異常な蓄財行動が意外と心のバランスが取れる生き方だったりもしたんですね。

現実はつらいがFIREや外の世界を想像し続けること、そしてそれを実現するための具体的蓄財活動。これが間違いなく生きる支えになっていたと感じます。

今は相当のお金が貯まりましたが、別に買う物なんてないんです。でも、既に私は貯金で命を買ったのかもしれませんね。だとすればなかなかいい買い物をしたと思います! 多分。

以上、ブラック企業勤務者のリアルな心境と、私の新卒1年目のお話を発信させていただきました。

最後に、当コラムを読んだ全国のブラック企業経営層が末端社員の心をよく理解し、真摯に職場環境の改善に取り組まれることを願って、終わります。

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