ポケットモンスター チームオブブルース


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作:局務事通交ピルア
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第31話


「あ、エンザン……」

 

 サトシの試合を見終えたのでポケモンを回復するかと回復待ちしていればヒロシと遭遇する。ヒロシは負けてしまった事がショックだったが受け入れて気持ちを切り替えようとしていたのだがエンザンと顔を合わせたことで再び落ち込む気持ちに切り替わった。

 

「エンザン、ごめん!」

 

「……サイドンと共に俺と戦いたかった、なんて言うつもりならばお前はマヌケだ」

 

「な、なんだと!」

 

「ここには皆、死に物狂いで来ている。優勝を目指す為に来ているのに、お前は別のことを意識している。俺を見た途端に謝罪するのがその証拠だ……サイホーンをゲットした時に俺はそういうのを特に気にしていないと言った筈だ。サイドンになったから見返すなんてしてもただの恥の上塗り……俺とのバトルとサトシとのバトルの間に板挟みになって力を発揮出来なかった。典型的な失敗だ」

 

「…………」

 

 

黙っているという事は自分なりに反省をしているな。

だが、俺は甘い言葉をかけるつもりはない。ヒロシが使えると証明しようがどうでもいいことだ。

 

 

「サトシに言っておけ、自分に勝ったならその分頑張ってくれと。あいつはそう言うので燃えるタイプだ」

 

 エンザンは言うだけ言って去った。

 

 ヒロシはそれを聞いて何をやっているんだと自分自身を深く叱った。エンザンは一歩ずつ上を目指しているのに、自分は次に勝てばエンザンと!と思っていた。逃されたサイドンは鍛えればとても強い!と見せつけたいと思っていた自分が甘かったのを。ここに来たのは楽しむのでなく優勝するため、他の事に意識を割いていてはいけない。

 

「エンザンが相手か……」

 

「ピカ?」

 

「どうしたの?」

 

「いや、なんか実感が沸かなくてさ……同じマサラタウンのトレーナーだけどエンザンと関わったことってあんまりなくて」

 

 ポケモンの回復等を終えたサトシ一行、サトシの次の対戦相手はエンザン。しかしエンザンと戦うと言われてもあまりピンと来なかった。エンザン自身があまり人との関わり合いを持とうとしなかったりしており、積極的にサトシと関わらなかった。実際のところエンザンは人付き合いが苦手というか嫌いなので深く干渉しているマサラタウンの人間は少ない。

 

「でも、あいつは強いぞ」

 

「そういえばタケシは戦ったことあるのよね」

 

 エンザンについて言われてもあまりピンと来ていないサトシだったがタケシがエンザンは強いと言い切る。この中で唯一エンザンと真剣勝負をしたタケシだからこそ言い切れる。

 

「駆け出しのトレーナーかと思えば使う手も中々だ。攻撃、防御、スピード、戦術、コレに関してはマサラタウン出身のトレーナーで一番だな」

 

「そ、そんなにか」

 

「ああ、後は経験を踏めば将来優秀なトレーナーになれる」

 

 今年戦ったマサラタウンのトレーナーの中で最も強い、タケシはそう感じている。勿論、意外性に関してはサトシの方が上だが全体的に見通せばエンザンの方が遥かに上なスペックをしている。サトシとエンザンが出ている大会は1回でも負ければその時点でもう終わりな過酷な世界、一矢報いるではダメだ。文字通り相手を全滅させなければならない。

 

「やっぱりエンザンは強いんだな……燃えてきたぜ!」

 

「燃えるのはいいけど、次からはフルバトルよ?あんた、今、ピカチュウ、リザードン、ゼニガメ、フシギダネ、ピジョンの5体でしょ?」

 

「ただ持っているポケモンをぶつけてもエンザンには勝てない、しっかりと戦術を練らないと」

 

 今回は今まで以上に格上の相手であるとカスミとタケシは認識する。

 

 実際のところ格上である。攻撃は最大の防御を素でやっているサトシには色々と限界があったりする。色々と根本的な部分を埋めない限りは基本的には一矢報いるのが限界だ。

 

 サトシ達は選手村の自分のペンションに戻ればエンザンのデータを確認する。持っているポケモンや今までの対戦結果等のデータが出てくる。

 

「……」

 

 一方のエンザンもサトシのデータを確認する。

 

 ピカチュウ、ピジョン、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメ、キングラー、ベトベトン、ケンタロス。シゲルが指摘した通り普段遣いのポケモンしか使わない。

 

 対人戦特化のパーティでなく旅パにしている自分も言える義理ではないのでそこは割愛。サトシ自身が進化はポケモンの意思を尊重する方針にしている為に進化していない、これだけならばまだしもまだ1回も実戦で使った事がないポケモンもいる。

 

 

数が少ないのも考えものだな。

 

 

 サトシよりはゲットしているが、それでも山を張れるぐらいには手持ちが少ないエンザン。対策はされやすいなと思いながらも準々決勝に出場するポケモン6体の登録をする。エンザンもサトシもなんだかんだで初のフルバトルである。

 

『さぁ、いよいよ準々決勝!ここからは使用ポケモン6体のフルバトル!文字通り持てる全ての力を出さなければならない死闘が繰り広げられる!そして準々決勝の第1試合、運命の巡り合わせとはこのこと!同い年!11歳のトレーナー!そして同じ街出身!マサラタウンのトレーナー!エンザン選手とサトシ選手の試合です!』

 

「これよりカントーリーグ・セキエイ大会準々決勝を行います!」

 

 セキエイスタジアムは今日も満員御礼、大観衆のもとでサトシとエンザンはバトルフィールドに立った。スタジアムの電光掲示板には今まで3つしかなかったポケモンの顔写真が写る場所があるが今から始めるフルバトルに合わせてお互い6つになっている。

 

 ルーレットが回転する、どちらが先にポケモンを出すか決めるルーレット。止まったのはサトシだった。

 

「先ずは先手必勝!ピカチュウ、君に決めた!!」

 

「ピィ!」

 

「ミミッキュ、バトルスタート!!」

 

「キュ!!……ッ!!」

 

「狩る機会がやってきたぞ」

 

 サトシの1体目のポケモンはピカチュウ、ある意味一番厄介なのが出てきた。

 

 ピカチュウには正しく対応が出来なければ大きく苦戦させられる、だからミミッキュで確実に仕留める。

 

「なに、あのポケモン?ピカチュウもどき?」

 

「あれはミミッキュ、主にアローラ地方で見られるポケモンじゃ」

 

「アローラ、と言うことはエンザンは修行先で!」

 

「2体ほどポケモンをゲットしたぞ」

 

 カントーではまだまだマイナーなミミッキュを見て驚くカスミ。オーキド博士が説明を入れればタケシがエンザンが修行先にアローラ地方を選んだ事を思い出す。新たに2体、あれから手持ちにポケモンが加わっている。

 

「な、なんだ?ピカチュウみたいなポケモン?」

 

 ミミッキュを見たことがないサトシ、何時もならばポケモン図鑑を取り出すところだが試合中のポケモン図鑑の使用は禁止である。

 

 ピカチュウみたいなポケモンと言われればミミッキュは威圧感を放ってくる。それをサトシは気付くかポケモンバトルをしたい!と勘違いする。

 

「ミミッキュ、つるぎのまい」

 

「ピカチュウみたいな見た目だし、でんきタイプ。でんこうせっかだ!」

 

 でんきタイプにでんきタイプの技を当ててもこうかはいまひとつ。

 

 先手必勝、エンザンのペースを作らず自分のペースで戦うぞとでんこうせっかでピカチュウは突撃する。ミミッキュはなんの迷いもなくつるぎのまいを使った。ピカチュウはチャンスだとでんこうせっかで突撃するがミミッキュは通過した。

 

「ピィ!?」

 

「お前は知らないみたいだから教えておくが、ミミッキュはじめんタイプとゴーストタイプを複合したポケモンだ」

 

「な、なんだって!?じゃあ、ピカチュウの攻撃は」

 

「そして今、つるぎのまいに成功して準備が整った」

 

 ミミッキュに関する説明をすればピカチュウの技が全て通じないとサトシは悟る。

 

 ミミッキュに関する知識があればどうにか出来たがもう遅い。つるぎのまいを使ったからにはあの流れは完成しているとミミッキュZのポーズをとった。

 

「ぼかぼかフレンドタイム!」

 

 ミミッキュ専用Zワザ、ぼかぼかフレンドタイムが発動する。

 

 ミミッキュがピカチュウの上に乗った。ミミッキュのばけのかわが伸びてピカチュウを包みばけのかわ内部でピカチュウをボコボコにする。

 

「チャア……」

 

「ピカチュウ、戦闘不能!ミミッキュの勝ち!」

 

 先ずは1体目、ピカチュウが戦闘不能になった。

 

 

ピカチュウとリザードンはなにが飛び出してもおかしくはないからぼかぼかフレンドタイムで間違いない。

 

 

 警戒しなければならない2体のポケモンの内1体を潰せた。

 

 エンザンにとって中々いい感じの出だしである。サトシは戦闘不能になったピカチュウを回収しミミッキュを見つめる。

 

「ゴーストタイプに相性が良いポケモンはいない、でもじめんタイプならお前が!ゼニガメ、君に決めた!」

 

「ゼニ!」

 

「……」

 

「いくぞ!みずでっぽうだ!」

 

「かげうちだ!」

 

 ゼニガメがみずでっぽうを撃とうとする、その瞬間にゼニガメの影が揺らぎ影から出る拳がゼニガメを襲う。

 

「大丈夫か、ゼニガメ?」

 

「ガメ!」

 

「……倒れないのか」

 

 

つるぎのまいを積んだのにかげうちで倒れないのは相当だな……だからこそだろうな。

 

 

 普通ならば負けてもおかしくはないのだが、ゼニガメはガッツで立ち上がる。大きなダメージはあるので次に大きくダメージを受ければ負ける、そんな状況ではあるがそれでも立っている。

 

 ポケモンとの思いが上手くいっている、だからこそ勝てない。

 

 サトシは失敗を経験に糧に出来るタイプだが逆を言えばそれさえなければどうにでもなる。

 

『おっと、たった今情報が入りました!エンザン選手の使っているポケモンはミミッキュ、主にアローラ地方で見られるゴースト・フェアリータイプのポケモンです』

 

「ゴースト・フェアリー……じめんタイプじゃないのか!?」

 

「やれやれ、直ぐにバレるか……だが、もう終わりだ」

 

「よくも騙したな!ゼニガメ、みずでっぽうだ!」

 

「かげうちだ!」

 

 ミミッキュのタイプで嘘を教えたエンザンに対して怒るサトシ。

 

 ここから反撃ののろしを上げるとゼニガメは青色のオーラを纏った。特性のげきりゅうが発動しており、この技を受ければひとたまりもない……受ければだが。エンザンはゼニガメには攻撃技しかないのだと読んでおり再びかげうちを使えばゼニガメは倒された。

 

「ゼニガメ、戦闘不能!ミミッキュの勝ち!」

 

「っ……なんて技だ」

 

「技の性質を見切っていない以上は勝てない」

 

 

攻撃重視のバトルをしているお前にはかげうちは相性最悪だろう。

 

 

 かげうちがどんな技なのか理解しているエンザンに対して理解していないサトシ、ここで少し大きな力の差が見られる。

 

「影から攻撃が来るなら……そうだ!飛んでるポケモンだ!ピジョン、君に決めた!」

 

「ピジョ!!」

 

 かげうちをどうにか突破しようと考えた末のピジョンだ。

 

 かげうちをタイプ相性で突破ではなく、戦闘スタイルでの突破、実にサトシらしいと感じながらもエンザンはモンスターボールを構えた。

 

「戻れ」

 

「って、戻すのか!?」

 

「色々と相性が悪い……これはフルバトルだ、相手に合わせてバトルするものだ。ドリュウズ、バトルスタート!」

 

「ドゥ!」

 

 エンザンがなんの迷いもなくミミッキュを交代したことにサトシは驚いた。

 

 この世界はなんというか基本的には引くという事を知らないバトルが多い。感情論や奇策でどうにか出来るところがあるが為に引かずに更に押すことで勝とうとする。しかしエンザンは自分には奇策が向かないのは知っているので王道を行く。

 

「じめんタイプのポケモンの技は飛べるピジョンには効かないぜ!ピジョン、つばさでうつ攻撃!」

 

「ドリュウズ、つるぎのまい」

 

「またかよ!?」

 

 またまたつるぎのまいを使った。ピジョンのつばさでうつは当たるがドリュウズは痛くもないのだと笑みを浮かべる。サトシはさっきと光景が同じだとなっているのだがエンザンは手を緩めない。

 

「いわなだれだ」

 

「突破するんだ!」

 

 頭上から無数にランダムで落ちてくるいわなだれ、ピジョンは素早く動いて回避を試みるのだが法則性が掴めず1つの岩に当たり減速、そこから連鎖的に岩に当たっていき最終的にはいわなだれが命中した。

 

「ピジョ……」

 

「ピジョン、戦闘不能!ドリュウズの勝ち!」

 

「嘘でしょ……サトシとエンザンの間にこんなにも力の差があるだなんて」

 

 まともにダメージを与えられていないエンザンのポケモンに対して既に3体倒されたサトシ、どちらに実力があるのかなんて言わなくても分かる。分からされる。

 

 カスミがエンザンのポケモンをまともに相手に出来ていないと言葉を失っている。

 

「ポケモン自身にそこまで大きな力の差は無い」

 

「で、でもまともに」

 

「ポケモンバトルの基本を守っておるからじゃ。弱点を突く、相手の有利な展開を起こさせない、自分にとって得意な盤面を作る、エンザンはこれらの基本をしっかりと行っておるんじゃ」

 

 サトシとエンザンの力の差を感じるカスミだが、オーキド博士はポケモン達に力の差は大きく開いていない事を教える。しかし現にこうした結果が出ている事に関して聞けばエンザンはポケモンバトルの基本を忠実に守っている。それだけで大きな差が出来ている。

 

「これより5分間のインターバルに入ります!」

 

「戻れ」

 

 どちらかのポケモンが3体戦闘不能になればインターバルを挟む。

 

 トレーナーのクールダウンの時間だがエンザンはまだ熱くなっていない。

 

 

思ったよりも弱い……勢いに乗れば強いタイプはこういうのがあるか。

 

 

 サトシとのバトルで感じたのはサトシが思いの外弱かったこと。

 

 勢いに乗ればとても強いタイプなので逆を言えば勢いに乗れないと弱い。進化とかしていないポケモンが多いのでどうしてもパワーが足りないので勢いを自らで作り出す力を今のサトシは持っていない。この手のタイプにありがちだなとエンザンは納得する。

 

『さぁ、5分間のインターバルを終えました!サトシ選手は既に3体のポケモンを失っています。ここから3体のポケモンでエンザン選手のポケモンを倒せるか!』

 

「エンザンのポケモンはパワーが強い、パワー自慢にはコイツだ!」

 

「ベトベトォ〜」

 

 インターバルを終えて出てきたのはベトベトンだった。

 

 パワー自慢を相手にヘドロの肉体の防御を活かす!そう考えたサトシらしくない知能的な戦い方だ。

 

「ポリゴンZ、バトルスタート!」

 

 そんな考えは割とお見通しだとポリゴンZを出した。

 

 

行き当たりばったりだな。

 

 

 相手に合わせて戦術を変えるのは普通のことなのだがサトシが行き当たりばったりな戦闘をしているのだとエンザンは感じる。しかし言わない。

 

「ポリゴンZ、サイコキネシス!!」

 

 ポケモンには物理攻撃と特殊攻撃がある。物理攻撃に対して強いのならば、特殊攻撃で攻めればいいだけだ。ポリゴンZは体に青色のオーラを纏わせて目を輝かせればベトベトンは吹き飛んだ。

 

「ベェトォ……」

 

「べ、ベトベトン!?」

 

「ベトベトン、戦闘不能!ポリゴンZの勝ち!」

 

 ベトベトンが一撃で戦闘不能にされた。物理耐久は自慢出来たが特殊耐久は無理だった。4回戦で大活躍したベトベトンがこうもあっさりととサトシはモンスターボールにベトベトンを戻し5体目が入っているモンスターボールを投げた。

 

「フシギダネ、君に決めた!」

 

「ダネ!」

 

 

ケンタロスとキングラーは無しか……それならばやりやすいか。

 

 

「戻れ」

 

 フシギダネが出てきたのでエンザンはポリゴンZを戻す。

 

 まだまだ戦えるだろうが、最後の1体でなにかを起こすのがサトシだと警戒している。

 

「リザードン、バトルスタート」

 

「グォウ!!」

 

 4体目のポケモンはリザードン、サトシがここで意外そうにした。

 

「もうリザードンを出すのか!?」

 

「もうもなにも……最後を任せるとかそういうのは考えていないぞ?」

 

 エンザンのポケモンで一番強く頼れる相棒でありリザードンだが、最後を任せるとは限らない。エース=最後を任せる、だけがポケモンバトルじゃない。相手を終わらせるのもまたエースの仕事である。

 

「くさタイプの技は通じない、フシギダネ!たいあたりだ!」

 

「リザードン、ブラストバーンだ!」

 

 くさタイプの技では効果が薄い、そう読んだサトシはたいあたりを選んだが大きくミスした。リザードンはブラストバーンを放ちフシギダネはそれに向かって突撃する形になりブラストバーンに飲み込まれた。

 

「ダネ……」

 

「フシギダネ、戦闘不能!リザードンの勝ち!」

 

「っ……まだだ……まだ終わらない!リザードン、君に決めた!!」

 

『おっと!!これはリザードン同士のミラーマッチ!中々に見れる光景じゃないぞ!!』

 

 サトシの最後のポケモンはリザードン、同じリザードン同士が顔を合わせた。

 

 同じリザードン同士負けられない!とサトシのリザードンは燃えるのだがエンザンのリザードンは動かない。ブラストバーンの反動が来ている。

 

「リザードン、りゅうのいかりだ!」

 

「っ……戻れ!」

 

 りゅうのいかりが直撃するエンザンのリザードンは倒れない。反動が消えたなと直ぐにリザードンを戻した。

 

「ポリゴンZ、バトルスタート!」

 

「よし、これでほのおタイプの技が通じる!かえんほうしゃだ!」

 

「ロックオン!」

 

 リザードンからポリゴンZに戻したことで効きが悪い技が通じるようになった。

 

 ほのおタイプの十八番であるかえんほうしゃをポリゴンZに浴びせるがポリゴンZは耐えた。その間に狙いをしっかりと定めた。

 

「ポリゴンZ、でんじほうだ!」

 

「避けろ!!」

 

「無駄だ!」

 

 ポリゴンZはでんじほうを放つ。リザードンは回避しようとするがまるでリザードンがそこに来るかと分かったかのようなドンピシャなタイミングにでんじほうは放たれてリザードンに命中した。

 

「グゥ……」

 

『リザードン、立ち上がった!しかしコレはでんじほうの追加効果の麻痺が入っております!』

 

「リザードン、今しかない!ちきゅうなげだ!!」

 

「ポリゴンZ、はかいこうせん……なに!?」

 

 

でんじほうでまひして素早さが落ちているのにも関わらずはかいこうせんを軽々と避けた!?

 

 

 ポリゴンZのはかいこうせんを回避するリザードン、苦しい表情を浮かび上げながらもしっかりとちきゅうなげをポリゴンZに叩き込む。はかいこうせんの反動で動けないポリゴンZはちきゅうなげをどうにかすることが出来ずにまともにくらった。

 

「ポリゴンZ、戦闘不能!サトシ選手のリザードンの勝ち!」

 

「やった……エンザンのポケモンを倒し、っ!?」

 

 やっと1体倒せたのだとサトシが喜ぶのは一瞬だった。

 

 ポリゴンZは倒せたのだと審判の判定を聞いたサトシのリザードンは笑みを浮かべて倒れた。文字通り全ての力を出して限界を迎えた。

 

「俺の手持ちはまだ5体残っています、この場合は?」

 

「サトシ選手のリザードンが試合続行不可能と判断します!エンザン選手はまだ手持ちを5体残していますのでこの試合、エンザン選手の勝利です!」

 

『な、なんという終わり方でしょう!しかしこれもまたポケモンバトル!試合を制したのはエンザン選手だ!!』

 

「……」

 

 

やはり形はどうあれ一矢報いてくるか。

 

 

 色々と警戒していたのだがそれでもどうすることも出来なかった。自分のポケモンを1体も倒されずに勝とうと思っていたがサトシは一瞬報いる。サトシは……負けたという事実を受け入れられなかった。圧倒的な大差での敗北、ホントの意味での失敗をサトシはした。

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