ポケットモンスター チームオブブルース


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作:局務事通交ピルア
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第22話


 

 アローラ地方にやってきて3日目、エンザンはウラウラ島にやってきた。ウラウラ島のしまキングからZワザを授かる為である。

 

「ここにしまキングが居ると聞いてきたんですが」

 

「あんちゃん、見ねえ顔だな?しまキングになんの用事だ?」

 

「大試練を受けてZワザを手に入れようと思って……しまキングがここに居ると聞きましたが?」

 

「……しまキングならば修行に出てるぜ」

 

「そうですか……でしたらスーパー・メガやすはどっちにあります?」

 

 ウラウラ島の交番にやってくればしまキングのクチナシに出会う。Zワザを会得する為に大試練を受けに来たと答えればクチナシは何事も無かったかの様にサラリとしまキングが不在だと言った。トレーナーとしてしまキングとしての能力も人格もあるにはあるのだが、なにかとめんどくさがっているクチナシ。大試練を受けてZワザを覚えたいならばハラの旦那辺りに頼めばいいのにと心でボソリと呟いているとエンザンはスーパー・メガやすについて聞いてきた。

 

「あそこはとっくの昔に潰れたぞ?」

 

「潰れた後に住み着いたポケモンをゲットしたいんです」

 

「そうかい……スーパー・メガやすはここから出て」

 

 エンザンはクチナシこそがしまキングなのは知っている。そしてしまキングの仕事をサボっている常習犯であるのも知っている。無理矢理クチナシに頼んでZワザを!と言ってもハラやライチのところに行ってこいと言われるだけが目に見えている。実際、ハラやライチからZリングとZクリスタルを貰ったトレーナーは多い。

 

 クチナシがホントに大事なしまキングの仕事以外は頻繁にサボっているからクチナシを経由してZリングとZクリスタルを手に入れたトレーナーは意外と少ない。サボった分の皺寄せがハラやライチに向かっている様に見えるのだがアローラにはポケモンリーグが無いので強くなる為にZリングを!と言うのが意外と少なかったりする。それでもクチナシからZリングを貰っているトレーナーは少ない。

 

 大試練を受ける気が無いクチナシに対して思うことはあれども文句は言わない。Zワザは自分に向いていないかもしれないと思っているのでスーパー・メガやすの跡地にエンザンは向かう。

 

「この図鑑じゃ無理があるか」

 

 初代のポケモンとジョウトの一部のポケモンにのみ対応をしている図鑑、目当てのポケモンのデータはあるかと確認したが無かった。目当てのポケモンのデータはしっかりと頭に入っているので問題はないのだが出来れば欲しかった。

 

 

酷いな。

 

 

 スーパー・メガやすの跡地に向かったのだが蜘蛛の巣は貼っているし窓ガラスは割れている。このスーパーは護り神の逆鱗に触れたかなにかで破壊された。そこから誰も手を付けていない。その結果、勝手に野生のポケモンが住み着いている。それに関して人間側はノータッチ。しまキングのクチナシも特になにかを言ってくることはしない。ウラウラ島の護り神であるカプ・ブルルも干渉しない。

 

 こういう場所は色々と危ないから潰すならばハッキリと潰さないといけないのにと考えながらもスーパー・メガやす跡地を歩く。

 

「ゾクリと来るな」

 

 如何にも出そうな廃墟であるスーパー・メガやすの跡地。ゾクリと来るなと自分の中のなんとなくの感覚がここは危険だと告げている。具体的になにが危険なのかは分からない。ただ自然の世界では入ることそのものが禁止な場所があるのは聞いたことがある。神様が宴会をしたりしていたりする場所で神職に就いているものしか入ってはいけない聖域だ。

 

 もしかしたらスーパー・メガやすはそういう立ち入ってはいけない領域に建てたからカプ・ブルル達から怒りを受けたのかもしれない。そう考えればここに居る自分は罰当たりなのだろうか?と考えながらも進んでいくとスーパー・メガやすの地図を見つけた。一応は大きなスーパーで何処になにが売っているかのコーナーがわかる程度の物だがこれはありがたい。

 

「…………案内図が間違い、じゃないか」

 

 まずは一通り一周してみようと歩き一周した。ポケモン達を見かけないなと思いながらももう一周してみれば先ほどまで無かった道がある。そこからはなんとも言えない不思議な気配を感じる。ただ、そこには道が無い。さっき一周した時には無かったのをエンザンはしっかりと覚えている。そうなると一周している間に突如として現れた物だ。

 

 これは明らかに自分を誘っている。ここに生息しているポケモンが作り上げた異界だろう。それを可能とするポケモンがエンザンが求めていたポケモンだ。エンザンは異界の中に足を踏み入れて一歩ずつ歩く。通路になっている部分を歩けばピカチュウのグッズがズタズタに切り裂かれている部屋に辿り着いた。

 

「これは……まずいな」

 

 ピカチュウのグッズがズタズタに切り裂かれていることをエンザンは驚かない。異界の中に1枚の布が落ちていることに気付き拾い上げたのだが、それはなんとミミッキュのばけのかわだった。ミミッキュの中身を隠すばけのかわが落ちている、それはつまり見るだけで発狂するミミッキュの中身が何処かに居る。この状況でSAN値チェックになれば多少は肝が据わっているエンザンでも無理がある。

 

「カカ」

 

「っ、色違い!」

 

 ミミッキュのばけのかわがある以上は中身が何処かにある。見てはいけないから帰るしかないのかと思っていれば色違いのミミッキュが出てきた。目的であるミミッキュ、しかも色違いが出てきたのはラッキーだとポケモンを出そうとするのだが直ぐに違和感に気付く。落ちているばけのかわは通常のミミッキュの色、眼の前に居るのは色違いのミミッキュ。まさかと思ってミミッキュに触れようとすればミミッキュは自分を通過した。

 

「正真正銘の幽霊か」

 

 

本物を見たのははじめてだな。

 

 

 目の前にいる色違いのミミッキュ、その正体は色違いのミミッキュの幽霊だ。ゴーストタイプのポケモンでなく文字通り正真正銘の幽霊だ。ポケモンの中にはあの世に関係しているポケモンも居る。魂に干渉するタイプのポケモンも何体かはいる。おばけのポケモンでなくポケモンのおばけ、調べようとしたらポックリと逝ってしまったと言う一例は普通にある。

 

「このばけのかわはお前のじゃないなら、何処かにミミッキュがいるんだな?」

 

「カッ……ケケ?」

 

「俺はミミッキュを探しにここまでやってきた」

 

 アローラのヤベえポケモン、ミミッキュ。ゲットして使いこなすことが出来ればとても頼りになるポケモンだ。だからミミッキュをゲットしようと考えていた。ミミッキュを探しに来たのだと言えば色違いのおばけのミミッキュは驚いていた。世間的にはピカチュウの紛い物としてはみ出し物になっているミミッキュ。その事について割と気にしているのだが、エンザンは最初からミミッキュが目的だとおばけのミミッキュに言った。

 

「流石に中を見れば死ぬ可能性もあるから、探すに探せない。何処かに知り合いはいるか?」

 

「……」

 

「そういうことか」

 

 おばけのミミッキュ以外のミミッキュはいないのかを聞けばエンザンが持っていたばけのかわが動いた。

 

 ばけのかわを求めているミミッキュの中身が動いたのかと思ったのだが違う。色違いのミミッキュの本体、亡骸に向かった。そこには幾つものミミッキュのばけのかわがあった。ばけのかわがあるが中身は無い……そこら中にミミッキュの中身が居るのかと思ったのだが妙なものは感じない。

 

 エンザンは両手を合わせて目を閉じる。見えてはいないものの、なんとなくだが温かい光を感じる。色違いのミミッキュが鳴き声を出したのでもう目を開けていいのだと思えば色違いのミミッキュの分を含めてばけのかわが消えていた。ばけのかわが剥がれてどうすることも出来なかったミミッキュ達の怨念の様な物が供養されたのだとエンザンは感じ取る。

 

 

幽霊なり未来人なり異世界なり色々とある世界は混沌だな。

 

 

 正しく供養されていないから幽霊になって出てくるはSFやオカルトの世界では常識である。エンザンは正しい供養の読経を心で唱えてミミッキュが成仏出来るように祈った。エンザンは超能力の才能は無いのだが憑き物落としとかは意外と才能があった。

 

 色違いのおばけなミミッキュは成仏されていないが、こちらに対して威嚇をしていない。それどころか自分を求めてくれるトレーナーが居ることを知って嬉しそうにしている。色違いのミミッキュはとても魅力的だ。ただこの色違いのミミッキュは既に死んでいて幽霊になっている。

 

「生きているミミッキュは何処に居る?」

 

「キュ」

 

 ばけのかわの下からミミッキュがシャドークローを出して指差した。後ろにいると言っているので振り向けばミミッキュがいた。

 

「フシャアアアアア!!」

 

「……そんなオチだとは思っていた」

 

 後ろにいると言われたので驚かせに来るのだなと考えていた。ミミッキュは予想通りと言うべきか驚かせてきた。目の前には正真正銘の本物のおばけである色違いのミミッキュがいるのだから今更ミミッキュが出てきても大して新鮮味を感じない。ただ直ぐに驚く。

 

「デカいな」

 

 色違いのおばけのミミッキュより倍ほどの大きさを持っているミミッキュだった。個体によって大きさに差があるのは知っているがここまで大きく差を開くものか?と気にしていればミミッキュが固まった。なにか驚いているみたいだがなにを驚いているのか。

 

「いけ、ドリュウズ」

 

「ドゥ!」

 

「カゥ?……シャアアアア!!」

 

「悪いが一撃で終わらせる。ドリュウズ、アイアンヘッドだ」

 

 ドリュウズを出したのでポケモンバトルを挑んだのだと気付くミミッキュはシャドークローを出した。エンザンはドリュウズにアイアンヘッドを指示。ドリュウズはアイアンヘッドをぶつけた。普通であればばけのかわが切れるところなのだがエンザンのドリュウズの特性はかたやぶり、特性を無視して攻撃を当てることが出来る技でありばけのかわを無効化しミミッキュを一撃で倒し、エンザンはモンスターボールを取り出しミミッキュに向かって投げた。

 

「カゥ……」

 

「まだか」

 

 何時もの様にゲットすることが出来ると思ったらゲット出来なかった。バタフリーを持ってきているのでねむりごなで眠らせるかと考えていればミミッキュはエンザンのドリュウズになにかを語った。

 

「ドゥ」

 

 バタフリーが入っているモンスターボールを手にしているエンザンにドリュウズはバタフリーは出さなくていいと言う。

 

 ミミッキュは色違いのおばけミミッキュと共にエンザンが歩んだ道を戻る。異界への入り口の様な場所から出ればプツンと異界への入り口が消え去った。

 

「一緒に来てくれた、ということは……」

 

「ゴス!」

 

「ヤミ!」

 

 一緒に来てくれたということはゲットされるつもりがあるのかを聞こうとすればゴースやヤミラミが出てきた。

 

 通常のミミッキュよりも倍大きいミミッキュを慕っている。スーパー・メガやす跡地に住んでいるゴーストタイプのポケモン達はミミッキュが大丈夫かどうかを聞くがミミッキュは問題は無いと言う。

 

「あんちゃん、悪いがそいつはダメだ」

 

「……いきなりですね」

 

「少し胸騒ぎがしたもんでな。トレーナーのポケモンゲットに関してとやかく言いたかねえが、そのミミッキュはダメだ」

 

「……カッ!?」

 

「お前さん自身、分かってんだろ?自分がそこを離れるとどうなるのかを」

 

 ゲットしようという空気が生まれる中に割って入ったのはクチナシだった。

 

 ガラにもなく警察としての勘が動いており、スーパー・メガやす跡地に向かってみればエンザンがミミッキュはミミッキュでもぬしポケモンであるミミッキュをゲットしようとしていた。トレーナーのポケモンゲットに関してとやかく言いたくないが、ぬしポケモンであるならば話は別である。

 

「生態系の頂点が居なくなっちゃならねえ」

 

「そんな……どうにかならないんですか?」

 

 スーパー・メガやすを中心に辺り一帯のボスがエンザンがゲットしようとしていたミミッキュだった。そのミミッキュがゲットされたのならばアローラの均衡が崩れてしまう。あまり口出ししたくないがしまキングとして言うしかない。しかしエンザンもこのミミッキュをゲットするつもりだったので諦めろと言われても諦めるに諦めれない。

 

「だったら、ポニ島に行ってこい。そこにある祭壇にはこのアローラの護り神がいる。護り神から許可を貰えればゲット出来る。ただし許可が降りなきゃ諦めな」

 

 だからまずはミミッキュのゲットをやめろ。

 

 クチナシにそう言われたエンザンはミミッキュのゲットを一旦中止した。ポニ島にある祭壇にいる護り神達から許可を貰うべくポニ島に向かった。

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