マンホールへ次々入った4人、20分間に何が 水の音が聞こえた後に
埼玉県行田市で下水道管の調査中に作業員4人が死亡した事故で、4人の勤務先の「三栄管理興業」(さいたま市)が3日夜、事故の概要を報道各社に公表した。約20分間で4人が次々とマンホール内に入っていった様子が明らかになった。会社側の発表をもとに、なにが起きたかを振り返る。(「作業員B」などの呼称は会社側資料による)
この日の作業は、地下約12.6メートルの位置にある下水道管の内部を調査するため、水を抜くことが目的だった。
この下水道管は、そばの川をくぐるように設置された「伏越管路」と呼ばれるもの。川をはさみ、下水道管の上流側と下流側の2カ所にそれぞれ複数のマンホールがあり、そこから地下に入って作業する予定だった。
作業手順では、午前8時以降、ポンプを設置し、水抜きや調査のための清掃をすることになっていた。
午前9時ごろから、下流側で水抜きのための排水ポンプの運転が始まった。下流側の責任者は、上流側にいた現場責任者Aに携帯電話で連絡し、「硫化水素に気をつけること」と伝えた。
水抜きが始まると、下流側のマンホール踊り場付近で硫化水素濃度が急激に上がり、下流側に設置されたガス検知器の警報が鳴った。下流側では作業員を地上に退避させ、ポンプを止めた。この時、濃度は市が作業開始の基準とする10ppmを超え、30ppmから上昇中だった。
一方、上流側で午前9時10~20分ごろ、作業員Bが排水状況を確認するためマンホールに入った。上流側に設置されたガス検知機の警報は鳴っていなかった。
Bは踊り場より3メートルほど下の金物につかまっていた。
地上の作業員は、Bが大きな…