抗がん剤の内服薬を5倍の量で処方…17日後に患者が死亡する医療事故 宮城県立がんセンター
名取市の宮城県立がんセンターは、2023年患者に抗がん剤の内服薬を予定の5倍の量を処方するミスがあり患者が死亡する医療事故があったと発表しました。
宮城県立がんセンター 佐々木治 病院長
「ご遺族の皆様に多大な心痛をおかけしましたこと、誠に申し訳ございませんでした」
宮城県立がんセンターによりますと、死亡した高齢の患者は血液のガン治療と診断され、2023年7月27日に赤血球などの増加を抑える抗がん剤の内服治療を始めたということです。
その際、主治医は1日1カプセルを処方するつもりが、電子カルテに誤って1日5カプセルと入力してしまい、院外の仙台調剤名取店で薬を渡してしまったということです。
患者は副作用による白血球の減少で入院し、薬の服用から17日後に重篤な合併症で死亡したということです。
宮城県立がんセンターでは、事故を防げなかった要因として、通常の投与量を超えた場合の警告などが電子カルテシステムに表示されなかったこと、調剤薬局からも処方箋に疑わしい点があるのに医師に確認をしなかったことなどを挙げています。
患者家族との示談が成立し4日の公表に至ったということで、宮城県立がんセンターでは主治医に対し厳重注意としたうえで再発防止策の徹底を図るとしています。