ブルーハーツも尾崎豊も清志郎も、広島で歌った8月 伝説のライブ
被爆80年を迎えた広島ではかつて、「伝説」と評されたロックコンサートが開かれた。1987年、ザ・ブルーハーツ、尾崎豊さん(故人)、安全地帯らが原爆忌の8月6日に合わせて集まった「広島ピースコンサート」だ。
「平和がいいにきまってる」をスローガンに掲げ、20組超の出演者はノーギャラ。8月5、6日に広島市の広島サンプラザホールで開かれ、両日とも満員だった。
ザ・ブルーハーツの甲本ヒロトさんは「爆弾が落っこちる時」でこう歌った。「爆弾が落っこちる時 全ての幸福が終わる いらないものが多すぎる」。6日の開演前には出演者らが被爆者から体験を聞いた。
翌88年には忌野清志郎さん(故人)がザ・タイマーズとして飛び入り参加したほか、オフコースなども演奏。その後、規模は縮小しながらも95年まで続いた。
コンサートの呼びかけ人は南こうせつさんらで、9年分の収益や利息の約2億1700万円は、広島市を通じ被爆者らが住む原爆養護ホームの整備基金として寄付された。
88年、ザ・タイマーズのライブを撮影したのは広島出身のカメラマン、内藤順司さん(66)。祖父など親族2人を原爆で失っていた。「8月の広島にロックスターが集まって、原爆のことを考えてくれたことがうれしかった」と当時を振り返っている。