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有名IPでも大爆死したゲームが、“座組”を変えただけで売上200倍になった話。当時学んだ3つのこと

過去の話し。

ある
をしてみる。その時に何が起きたのか? 何が原因だったのかをひも解く。(タイトル名は伏せさせていただきます)

ある著名IPを活用したグローバル戦略

当時日本国内の有名IPを使って、グローバル展開を目指してPCのオンラインゲームを開発していたこと。有名IPを使い、世界観を作り込み、シナリオや演出にも時間とコストを惜しまなかった。競合調査もして、事前インタビューも繰り返しながら慎重に開発を進めていった。

でも——
まったく売れなかった。


なぜ、そんなことが起きたのか。

今なら、痛いほどはっきりわかる。

そして当時の自分に言いたい。
「大事なのは“プロダクトの中身”だけじゃない」ということ。

原因は“中身”じゃなかった
そのゲームは、誰もが知る有名IPを使ったゲームだった。

ファン層も厚く、社内の期待値も高かった。

「これは絶対にいける」と思っていた。

 でも、現実は全然違った。

DAUは伸びず、課金率は1%を下回り、初月売上は想定の数分の一。

改善を重ねても、手応えは得られなかった。

 

ゲーム内容が悪かったのか?
それは違った。

ユーザーインタビューや調査、テストでは「世界観はいい」「ファンとして嬉しい要素が多い」とポジティブな声もあった。

数値的にも「遊ばれてはいるが、続かない」という状況。

 

では、なぜダメだったのか?

真の失敗理由は「座組」だった。

複数の企業が出資し、開発、原作側、マーケ、それぞれが違う目的を持っていた。 

原作サイドはブランディングと世界観の厳守を重視

出資会社は利益や利権が最優先

開発会社は品質と納期の死守。
希望通りにやれば報酬はもらえるので。

プロダクトチームはプレイヤー体験を最優先したい

全員が“正しい”ことを言っている。

でも、その“正しさ”が衝突し合い、誰のためのプロダクトなのか見失っていった。

仕様は二転三転し、意思決定は遅れ、開発は疲弊。

 

最終的にできあがったのは、
「誰にも怒られないが、誰にも刺さらないゲーム」。


当時学んだ、3つのこと

①企業側の思惑が多ければ多いほど、誰にも必要とされないものになる

たとえばユーザーのことや市場に詳しくない出資者の権限が第一だという場合。出資者の言う通りに従いすぎていると、当たり前だけど誰も欲しいものにはならなくなること。

当時は言われたままに調査、設計、企画等を行っていて、いや、でもこの座組って絶対むりじゃね?とは思っていたけど、伝えたところで聞いてくれるわけもなかったので従うしかなかった。

そもそも当時の上司は聞く耳もなかった。

ここで学んだことは、「このままでは良くない」と分かっていても、いいように動けないプロデューサーは無力だということ。
 

② 機能として優秀なゲームを作るよりも、ユーザーが「欲しいか」の方が大事

いいゲームなんだけどな~

それってゲーム業界に限らず、誰しもよく聞くことはあるはず。

その背景には何かしらの原因でそうなっていることが必ずあるということ。


一流の開発者や、豪華スタッフがかかわったとしても、ビジネスとしての座組やしがらみが多いものはやっぱり上手くいかない。これは過去20年を振り返ってもそう言える。

テストプレイやKPIを見て「反応はいい」のみ伸びないものはめちゃくちゃ多い。そもそもテストプレイをする人と、一般ユーザーの壁はとてつもなく厚いことも頭には入れておいた方がいい。

仮にいいものができたとしても、それが伝わらない、届かないのであれば意味がない。

 

③ 意思決定がゆがんだプロジェクトは数年が無駄になることもある

「正しいことをやろうとしても、正しく作れない」という矛盾がある場合、そしてその我慢する期間が想定よりも長いと思うならば、思い切ってそこを去るべきだな思っている。

それは途中で逃げ出すこととは違う。ある程度戦ったうえでも変わらないと判断した場合、違うことに時間を費やした方がいい。それは仮に給与が出ていたとしても。


そのプロジェクトの行く末

このプロジェクト、海外の大手ファンドが巨額を出して権利を買い切ったことでオーナーとビジネスモデルが大きく変わったことで、収益が200倍に跳ねた。

これは皮肉なことだった。
意思決定者が変わったことで、提案していたことがすべて受け入れられて実装されたからだ。

結果としてはそのプロダクトは世界中で大ヒットして大きな収益を上げた。

その頃は権利元もリリース元も変わっていたことと、我々が関わっていた1つのデベロッパーは赤字で解散までしていた。当時私はその解散した会社に配属していたので、これまた苦い思い出しかない。



まとめ


もし今あなたが、プロダクトに手応えを感じられない、ユーザーが思ったように使ってくれない、社内調整に時間を取られて疲弊している。

そんな状況にあるなら、企画やUIの前に、座組(開発体制やビジネスモデル、利権、手数料や報酬形態等)を疑ってみてほしい。

割とその辺がゲームのクオリティを大きく下げる原因になっていることはめちゃくちゃあるからだ。

すべてがすべてとは言わないが、 構造が変われば、プロダクトは生き返ることもある。これは20年以上、現場で戦ってきた自分の、リアルな実感です。

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うきょう|フリーゲームプロデューサー兼マーケッター(株スタジオデルタ代表) いただいたサポート費は還元できるように使わせていただきます! 引き続き読んでいただけるような記事を書いていきたいと思います。
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