育鵬社の教科書といえば、「新しい歴史教科書をつくる会」の元幹部が執筆に加わっており、例えばアジア太平洋戦争について
「欧米に植民地支配されたアジアの解放」
だと強調していて、日本のアジア「侵略」を大日本帝国と同じく、
「進出」
と記載し 、
「この日本軍の勝利に、東南アジアやインドの人々は独立への希望を強くいだきました」
などと書いている、トンデモ教科書で名高い右翼教科書会社です。
また、安倍首相にぞっこん惚れ込んでいて、なんでもたとえに安倍政権のことを持ってくるので、公民の教科書に安倍首相の写真が10数枚も出てくるという、安倍首相のグラフィック教科書になっていることでも有名です。
政治的中立性を言うなら、アベ政治批判の文具の前に、安倍首相の写真12枚入り育鵬社教科書をしまえ。
そんな「偏向」教科書が各地の教育委員会で採択されないようにしようという市民運動も盛んではあるのですが、じりじりと押されており、育鵬社の「歴史」と「公民」の教科書の採択率(生徒数をベースにした割合)は4年前の2011年の4%台から2015年には6%台に上り、1・5倍になってしまっています。
その原因の一端が次々と分かっています。
まず、多くの教科書会社も検定途中の教科書を各地の学校に閲覧させていることが明らかになっているのですが(しかも金品付き)、育鵬社だけは、少なくとも大阪府を含む1府4県にまたがる6市で、教育行政をつかさどる最高の地位にある教育長に教科書を閲覧させていたことがわかりました。
教育長と言えば、教育行政の事務方トップであるばかりでなく、教科書採択を決定する教育委員会のメンバーでもあります。
それだけに、事前に教科書を閲覧するようなことには敏感で、ほかの教科書会社はそこまでできていないのですが、育鵬社の手口は
『「あいさつだと言って訪ねてきて見せられた』
という騙しのテクニックです。
これら6市では育鵬社の教科書の採択には至っていませんが、ほかにどれだけ事前閲覧をさせているかの全貌はわかっていません。
さらに、橋下市長時代に育鵬社の教科書を採択してしまった大阪市(新しく採択した政令指定都市のは大阪市のみ)では、教科書採択の参考となる「市民」のアンケートで、育鵬社の教科書がいいという人が7割もいました。
2015年の大阪市の歴史・公民の採択会議の冒頭において市の教育委員会は、市民アンケートの結果として育鵬社に肯定意見が約7割(779件)、否定意見が約3割(374件)と報告して、圧倒的に育鵬社支持が多かったと印象付けました。
市の教育委員会が冒頭にアンケート結果を発表したのは初めてのことだと言います。
ところが、ここにある会社の社員が動員されていたことが判明したというのです。
それも、日本最大の極右団体日本会議系の組織である日本教育再生機構の発起人が会長をやっているフジ住宅(岸和田市。フジテレビとはまさか関係がないと思う 笑)の社員が一人で10枚、100枚とアンケート用紙を持ち帰ったと。
その結果、大阪市の教科書なのに、アンケートのうち4割以上が市外からのものとなり、そのうち8割以上が育鵬社の教科書を肯定するものだったのです。
日本会議系の草の根保守運動が強力なことは有名ですが、具体的に目の当たりにすると、ここまでやるかという感じです。
本日2月23日の大阪市議会でこの問題が取り上げられるそうですが、右翼、恐るべし。警戒の上にも警戒をしないといけません。
文科省も後押し。
| 育鵬社教科書をどう読むか―中学校歴史・公民 | |
| 子どもと教科書全国ネット21 (編集) | |
| 高文研 |
育鵬社教科書に書かれていること、書いてないことを研究者、弁護士、教員、保護者・市民が検証。中学校の「歴史・公民」で何を学んだらいいのかがわかる本。
| ここが問題「つくる会」教科書―「つくる会」新版歴史・公民教科書批判 | |
| 子どもと教科書全国ネット21 (編集) | |
| 大月書店 |
「つくる会」の改訂版歴史教科書、新訂版公民教科書について、多くの問題点の中からとりわけ「教科書としてふさわしくない」問題を取り上げ、歴史17、公民10のQ&A形式によって、わかりやすく述べる。
| 子どもの権利―次世代につなぐ | |
| 喜多明人 著 | |
| エイデル研究所 |
最新刊。
子どもの問題について、子どもの権利の視点を欠けば、決して解決しないと考えられる実践課題について問い直し、考察した「子どもの権利」普及の書。子どもの権利条約批准20周年・国連採択25周年を記念して刊行。「子ども権利」はわがままであり、途上国向けであるといった「子どもの権利バックラッシュ」に歯止めをかけ、「子どもの権利」を次世代につなぎ、国際子ども法としての子どもの権利条約の発展に道筋をつけたいという著者の思いが込められた一冊。『子どもの権利―日韓共同研究』(日本評論社、2009年)、『子どもの権利―アジアと日本』(三省堂、2013年)に続く「子どもの権利」シリーズ3作目。単著としては約20年ぶりの著作となる。
すでに東京都や横浜市では育鵬社の教科書で多くの生徒が学んでいます。
これから大阪市、横浜市と大都市が次々の陥落していったら、もう若い人は大東亜会議とかだけよく知ってるようになってしまいます。
恐ろしい。話が合わなくなる。
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「育鵬社」 教育長に検定途中の教科書閲覧させる
教育長は教育行政の事務局トップで、自治体が使用する教科書を決める「採択」で最終的な決定権を持つ教育委員会の一員でもあります。教科書会社を巡る一連の問題で教育長に閲覧させていたことが明らかになるのは初めてです。
育鵬社などによりますと、6人は当時、福井県、大阪府、広島県、山口県、愛媛県の1府4県にある合わせて6つの市の教育長で、NHKの取材に対し「あいさつだと言って訪ねてきて見せられた。ざっと目を通しただけで金品も受け取っていないが、検定中の教科書だと気付いた時点で断るべきだった。脇が甘かったと反省している」などと話しています。
また育鵬社は、「教育長はプロ中のプロであり、よりよい意見を聞くことができると思った。採択が目的ではなかったが不適切だった」と話しています。
これら6つの市で育鵬社の教科書を新たに採択したところはありませんが、文部科学省は採択の公正性に疑念を生じさせる行為だとして、影響などを引き続き詳しく調べています。
同一文面で育鵬社「支持」 大阪市教科書アンケート、動員か
2016年2月22日 東京新聞 23時06分
大阪市教育委員会が昨年8月の中学社会科教科書採択で参考にするため保護者らを対象に実施した無記名のアンケートをめぐり、採択された育鵬社版を支持した回答中、1人で10枚以上記載したと疑われるケースが多数あることが22日、分かった。文面や筆跡が似通っていた。企業の動員が背景にある可能性もあり、採択の公正さをどう担保するか議論を呼びそうだ。
市教委は採択審議冒頭、育鵬社に肯定的な意見が約7割、否定的な意見が約3割と報告した。市民団体が情報公開請求で回答の写しを入手。共同通信が分析したところほぼ同じ文面で筆跡の似た回答が10枚以上あるケースが少なくとも8例あった。
大阪市での育鵬社採択問題で重大な不正疑惑が発覚しました。
昨年の歴史・公民の採択会議の冒頭で、
市教委は、歴史・公民採択の冒頭で、市民アンケートの結果として、育鵬社に肯定意見が約7割(779件)、否定意見が約3割(374件)と報告し、圧倒的に育鵬社支持が多かったと印象付けました。
市教委が特定教科書の賛否数(割合)だけを報告するのは初めてのことで、育鵬社採択に向けての意図的な世論誘導を感じました。
その後、岸和田市にあるフジ住宅(今井会長は日本教育再生機構の設立発起人)が大阪市の教科書アンケートに社員を大量動員していることが明らかになりました。
今井会長は、育鵬社教科書事業部の関係者の情報として
「大阪市については教科書展示場にて数多く教科書アンケートを記入していただければ、育鵬社に採択される可能性が高くなる」
今井会長は、「男性はフジ住宅の社章を外し、女性は制服を着替えて私服で」展示場へ行くよう指示し勤務時間中に社の車に分乗して展示会を回ることも奨励しました
さらには、未記入のアンケート用紙を大阪市内33の展示場のうち32箇所から持ち帰らせ、なかには一度に150枚前後を持ち帰った場合も複数回あります。
持ち帰り総数は最低1,232枚を確認できます。
アンケート用紙を大量に持ち帰り、展示会場に行かずに記入し、代理人が提出する。
このような教科書展示会の趣旨を完全に逸脱する行為が日常的に行われていました。
今回私たちは、大阪市で提出された育鵬社の賛否を記載した市民アンケート1153枚を情報公開によって手に入れました。
独自に集計した結果から明らかになった最大の特徴は、「大阪市外」からのアンケート数が異様に多く、469件(全体の40.7%)にも達していました。」
しかもその内、398件(84.9%)が育鵬社への肯定的意見でした。
「保護者」「大阪市内」の集約結果からは、育鵬社の賛否に有意な差は見いだせないことから、「育鵬社7割肯定」とする市教委集約は、大阪市外のアンケートの影響が決定的であったことが明らかになりました。
さらには、アンケートの記載内容にも愕然としました。
大阪市外のアンケートには、同一人物が、同一文面で、市内各地の展示会場を回って投函していることが分かりました。
1人で4枚以上提出していると思われる事例が28件以上あり、その内1人で10枚以上提出しているケースが7件あった。
最大で24枚に提出している人物までいた。
特定の団体・個人による大量動員を思わせる結果でした。
フジ住宅での大阪市アンケートへの大量動員とアンケート集約結果は、驚くほど一致します。
フジ住宅と育鵬社、日本教育再生機が共同して行っていたことは間違いありません。
大阪市教委の責任は重大です。
アンケート内容を読めば、育鵬社の賛否を数値化することなどできないこと、これらは市民の意識を反映したものではなく、採択の資料としては何の意味ももたないこと、などは誰の目にも明らかです。
大阪市教委は、アンケート集約したときにその信憑性を疑うことが出来たはずである。
しかし、大阪市教委はこれをわざざわ数値化し、採択会議の冒頭で報告したのです。
2月23日の大阪市会教育子ども委員会では、私たちが提出した真相究明を求める陳情書に基づいて、上記の新たな疑惑を取り上げてもらう予定です。
是非とも、教育子ども委員会の傍聴をお願いします。
◇日時 2月23日(火)13:00から(陳情書の審議時刻は未定)
◇場所 大阪市役所P1階傍聴受付
◇定員 10名。傍聴希望者は委員会開会予定時刻の30分前から先着順(ただし30分前の時点で希望者が定員を超えている場合は抽選)
育鵬社の教科書採択 東京都教委、歴史と公民
東京都教育委員会は23日、都立中高一貫校の10校で来春から4年間使う中学生向けの歴史と公民の教科書に、「日本教育再生機構」のメンバーらが執筆した育鵬社(東京)の教科書を採択した。都立特別支援学校の中学部(視覚障害を除く)22校で使う歴史と公民の教科書にも同社を選んだ。
採択は中井敬三教育長と5人の教育委員の無記名投票で行われ、育鵬社が4票、その他の教科書が2票だった。採択に際しての意見陳述はなく、採択理由については「今後、委員の意見をとりまとめた上で公表する」としている。
前回(平成23年)は中高一貫校の歴史と公民、特別支援学校の歴史は育鵬社、特別支援学校の公民は自由社(東京)だった。
育鵬社は、多くの教科書が自虐的な歴史記述に満ちていると批判し、歴史・公民の教科書を発行してきた扶桑社の事業を継承。15日には栃木県大田原市教委が市立中9校の教科書に採択している。
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