「きゃーっ]
人気のない深夜の港倉庫街。静寂を破る悲鳴が夜空に響く。
逃げる少女を4人の男達が追いかけている。
少女の衣服は破けており、白いブラを露出したまま必死に走っている。
「待てよ!逃げられるとでも思っているのか?」
追走する男達。少女との距離はみるみる縮まっていく。
「ハア、ハア」息が切れる。限界が迫ってくる。
捕まれば身ぐるみはがされ、男達の汚らしいペニスに貫かれ強姦されるのは目に見えていた。
「助けてぇー、誰かーっ」
すぐ背後まで男と達の足音が近づいてくると、少女な必死に叫び声を上げる。
「ぎひひひっ、捕まえたぜ」
先頭を走る男が少女の肩を背後から鷲づかみにし、後方へ引きずり倒した。
倒れた少女にピラニアのように群がる男達。服を引き裂き、露わになった乳房を鷲づかみにする。
「いやーーーーっ、助けて、助けてー、誰か!」
少女は泣きわめくが、野獣と化した男達は聞く耳を持たない。
「馬鹿めっ、泣きわめこうが誰も助けに来やしねぇよ。観念するんだな」
そういうと少女の下着を引きずり下ろし、脚を左右に大股開きにしてしまう。
「いやああっ」絶望の叫びを上げる少女。
「まずは俺からいくぜ」
男のペニスが正に挿入されようとした瞬間、
「待ちなさい!」
鋭い声が闇を裂いた。
「!」
驚いた男達か声の方向を振り向く。
港に積まれたコンテナの上に、月明かりを背にした女のシルエットが浮かび上がる。
風になびくマント、肘の上まであるグローブ、きわどい角度で股間に食い込むV字型のレオタード、すらっとした脚を包むハイヒールのロングブーツ。藍色のエナメルに包まれた女が、腰に手を当て男達を見据えている。
「誰だ!てめぇはっ!」男が吠える。
謎の女は悠然と男達を見下ろすと、微笑を浮かべ言った。
「ふふ、私はあなた達のような悪党を懲らしめる闇の仕置き人よ!」
「何ぃ?おかしな格好しやがって、降りてきゃがれこのアマッ!てめぇから先に犯してやる!」
いきり立った男達は、押さえつけていた少女を放し、謎の女の方へ駆け寄る。
「ホッホッホッ、あなたたちのようなチンピラにあたしの相手ができるかしら?」
高笑いを上げる謎の女。近づいてくる男達を見据えると、気合いもろともヒールを蹴って跳び降りた。
「ハッ!」
ブルーのマントが宙に舞う。
まるで青い矢の様に、鋭く男達を襲う女仕置き人。
「ぐあっ」
ブーツのヒールが先頭にいた男の顔面につき刺さる。
悲鳴を上げて地面をのたうち回る男。
「ヤロウッ」
「油断するな!この女ただ者じゃねぇぞ」
「前後から一気に攻めろ!」
男達は女を取り囲むと、一斉に躍りかかる。
バサアッ、バサッ!
しかし女仕置き人はまるで闘牛士のようにマントをはためかせ、男達の攻撃を鮮やかにかわしていく。
「こいつめ!」
男が背後から腰のあたりにタックルを決める。
「あっ!」
「へへへ、捕まえてしまえばこっちのもんよ」
ハイレグレオタードの上から女仕置き人の乳房を鷲づかみにする。
「うっ・・」
「まずはこの気取ったコスチュームを引っぱがして、裸にひん剥いてやる」
女のコスチュームを引きちぎろうと爪を立てる男、だが女は後方に蹴り上げた踵が男の股間を直撃する。
「うぎゃーっっっ」
苦悶の叫びを上げうずくまる男。
これで4人の内、2人の男が倒された。
「味なまねしやがって!こいつを喰らえっ!」
女仕置き人の強さに焦った男は、その高慢ちきな顔面めがけハイキックをとばす。
ザッ!
が、まるで体操選手のように華麗なバク転で、男の攻撃はかわされてしまう。
「ホッホッホッ、どうしたのウドの大木さん?」
尊大な笑みを浮かべ、男をからかう。
「くっそー」
怒りに燃えた男はやみくもに女めがけ突っ込んでいく。
バサッ。女は体を開いてその突進をかわすと、男の頭をマントで覆ってしまう。
「うわっ」
目をふさがれもがく男。
バキッ!
男の首筋に貴婦人の肘が落ちる。
ガクっとその場に崩れ落ちる男。
「さあ、残るのはあなただけよ、チンピラの親分さん」
「このアマァ、言わせておけば!ぶっ殺してやる!」
リーダー格の男が懐からバタフライナイフを取り出し、女仕置き人と対峙する。
「死ねっ!」
胸めがけて鋭く突く。
寸前のところでかわす女。
そのナイフさばきはさすがに悪党どもの頭なだけのことはあった。
さすがに女の表情から余裕が消えた。
「くらえっ!」
鋭い刃が藍色のエナメルレオタードを擦る。
ビッ!
半球状の右乳房を覆ってる部分のエナメルに切り込みが入る。
「へへへへっ、いい眺めだぜ。次はそのオッパイをざっくりといくぞ」
サディスティックな笑みを浮かべながら仕置き人に迫る男。
女の顔に焦りの色が浮かぶ。
「止めだ!」
飛び込む男。
バッ
マントを叩きつけるようにしてナイフを絡め取る。
「し、しまった」
「あたしの犯すには百年早かったわね!」
バギッ
女仕置き人の強烈なキックが男の顎を蹴り上げる!
朽ち木のように崩れ落ちる男。
戦いが終わり、ふうっと一息ついて辺りを見回す女仕置き人。
彼女が倒した4人の男達は、いずれも無様に地面に転がっている。
物陰に隠れていた少女がおずおずと近づいてきた。
「あ、ありがとうございます。なんとお礼を言っていいか・・・」
「危ないところだったわね。気をつけないとダメよ。さあ、安全なところまで送っていってあげる」
道すがら少女が女に尋ねる。
「お姉さま、お名前を聞いてもいいですか?」
「あたしの名前?そうね・・・」
女仕置き人は夜空の満月をちらっと見上げると、にっこりと微笑む。
「月光貴婦人とでも名乗っておきましょうか」
「月光貴婦人様・・・・」
「では」
月光貴婦人は少女にウインクをとばすと、マントを翻し闇の中へと去っていった。

こうして正義のヒロイン、月光貴婦人の伝説は始まったのであった。

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