「待ちなさい!」
暗い闇を裂いて凛とした声が響く。
「誰だ!」
驚いて振り返る男たち。その視線の先にはマントを翻した女性のシルエットが。
月明かりに浮かび上がるその姿。黄金に輝く髪にきりっとした表情の美少女。
ビキニタイプのボディスーツ。ハイヒールのロングブーツとグローブ。風になびくマント。全てがシャープな光沢を放つ黒いエナメルで統一されている。
「なっ何だ、てめぇは」
「私はセイントガール、エルカ。街に蔓延る害虫ども成敗する正義の戦士よ」
「ふざけがって。やっちまえ!」
男たちはいっせいにエルカに飛び掛っていく。
ダッ!
飛び掛っ来る男からすばやく身をかわし、マントで地面に叩き落す。
「このあまっ」
更に一人が突っ込んでくる。
サイドキックで迎撃するエルカ。ブーツのヒールがのみぞおちに食い込む。
「うぎゃぁー」
あっという間に四人のうち二人が地面に転がり動けなくなくった。
「ち、畜生。おい、後ろに回れ」
セイントガールの思わぬ強さに焦った男達は、前後から挟み撃ちにする作戦にでる。
じりじりと前後から距離を詰めてくる二人の男。
「へっへっ調子にのりやがって。格好つけたコスチュームをひん剥いて裸にしてやる」
野獣の欲望をむき出しにして飛び掛ってくる男。
危うし、と思われた寸前さっと身を交わすエルカ。二人の男は無様に同士討ちになる。
バシッ
エルカのチョップが首筋に炸裂し、たちまち二人の男は昏倒し、地面に転がった。
「ふふっ、あたしを手込めにしようなんて百万年早いんじゃない?」
にっこりと笑いながらうそぶくエルカ。
倒れている男たちにウインクを飛ばし、漆黒の闇の中へ消えていった。
「くそったれ!またあの女にしてやられるとは。いったい、うちの組織にどれだけの損害がでていると思っているんだ」
机に拳を叩きつけながら自由団の支部長Xがわめき散らす。
昨日も麻薬の密売現場で手下がセイントガールに倒され、その後連絡を受けたしょっぴかれてしまった。
「落ち着いてくださいボス」
幹部が口を挟む。
「落ち付けだと?これが落ち着いていられるか」
「私に任せてください。いい考えがあります」
「なんだと」
「やつを偽の情報で誘い出すんです。こちらは人数を集めて隠れて、一気に襲いかかればセイントガールといえどもひとたまりもないでしょう。」
「なるほど」
「所詮は女。捕まえてしまえばこっちのもの。女をどう扱うかはわかっているでしょう」
「ふふふっ、そいつは楽しみだぜ」
「待ちなさい!」
薄暗い倉庫の中に今夜もまた、セイントガールの声が響く。
しかし、今日は男達に驚いた様子は見られない。
「ふっふっふっ、罠にはまったなセイントガール」
「何!?」
倉庫の明かりがともる。荷積みのに影から十人近くの男たちがあられた。
男たちはガールが現れることを予想し、罠を掛けたのだった!
(しまった!罠だったのか)
さすがのセイントガールの顔にも焦りの表情が浮かぶ。十人以上の男を相手にし果たして勝機はあるのか?
しかしセイントガールは不屈だ。きっと男達をにらみつけるとエルカは颯爽と飛び掛った。
ビシッ!フライングキックが炸裂する
「うわっ」
吹っ飛ぶ男。
「チンピラどもが何人束になってかかってこようと、このセイント・エルカを倒すことはできないわ」
今度はとび膝蹴りだ。あっという間に二人の男がノックアウトされ地面に転がる。
「油断するな、囲え、囲え」
セイントガールを中心に円を描くように配置する男たち。
背後を取られないようにエルカは細かいステップを踏みながら体を回す。
「うおっ」
背後から男が踊りかかる。後ろから抱きかかえるようにエルカの体を押さえつけた。
「うっ」
体をきつく抱きしめられ呻くエルカ。ぐいっと醜く膨らんだ下腹部がエルカのマントに押しつけられる。
バキッ!後ろに蹴り上げたブーツのヒールが股間の一物を直撃する
「うぎゃー」悶絶し地面に倒れる男。
しかし多勢に無勢、間髪を入れず今度は低空タックルがセイントガールを襲う。
かろうじてかわしたエルカだか一瞬バランスを崩す。
その隙を見逃さなかった男。エルカのマントを鷲づかみにすると後ろに引っ張った。
「あっ」
思わずバランスを崩すエルカ。
バサッ
男はそのままマントを得るかの頭にかぶせてしまう。
「うわっ!」
なんと自分のマントで目隠しをされてしまったエルカ。まさかの失態だ。
男は更にマントをエルカの体にきつく巻きつけ、体を縛ってしまう。
(しっ、しまった)
普段は敵の攻撃を防御するはずのセイントマントがあだとなり、身動きができなくなってしまった。
「へっへっへっ、自分のマントで苦しみな」
ついにセイントガールを捕らえた男たち。これまでの恨みを込めた攻撃が始まる。
ドスッ
無防備にさらされたエルカの土手っ腹に残酷な拳が突き刺さる
「ぐぅっ!」
こもった声がマントに覆われた口から漏れる。
前のめりになったところを今度は膝蹴りで突き上げられる。
黒エナメルの張り付いた顔面に膝がめり込む。
グラッと傾くエルカ。情け容赦のない攻撃が次々と、頭からマントをかぶったままの美少女に降り注ぐ。
ようやく、マントが頭から外される。しかしセイントガールの目は既に焦点が定まっていない。夢遊病者のようにあたりをよろよろと彷徨い、男の一人の胸元に倒れ掛かる。
「馴れ馴れしく触るんじゃねぇ」
ヅカッ!
顎を蹴り上げる男。エルカの体が一瞬硬直しそのまま地面に崩れ落ちる。
「へっへっ、てめえがどんなに強がっても女だということを思い知らせてやる」
そういうと朦朧とするエルカに近づき、黒いエナメルに包まれた半球のような乳房をやおら鷲づかみにした。
「あうっ」
おもわずエルカの口からあえぎ声が漏れる。
「はっはっ、なにが『あうっ』だ。よがってんじゃねぇぞ、この淫乱が」
周りの連中と共に喘ぐエルカを嘲笑する。
しかしさすがはセイントガール。体は動かなくとも心は折れない。傷つきながらもきっと凛々しい顔で男たちを睨み付ける。
「なんだ、その目つきは。このアマぁっ」
ここまで痛めつけてもまだ強気を失わないエルカに男が憤る。
「さっさと裸にひん剥いちまえっ」見ている男達はじれて叫び始めた。
その声に答えるかのように、男は懐からドスを抜き黒エナメルを切り刻む。
ダメージの大きいエルカは、聖なるコスチュームへの冒涜されながらも、歯を食いしばり屈辱を絶えるしかなかった。
下半身を覆うパンティに刃が掛かかり、一気に引き裂いてしまう。
「ひゅー」
下卑た歓声をあげる男たち。
その視線にエルカの下腹部が無防備にさらされける。
「おら、もっとよく見せろよ」
男たちはエルカのロングブーツを鷲づかみにし、左右に大きく開く。セイントガールの恥ずかしい割れ目が、衆目に晒されてしまう。
「ううっ」
さすがのエルカも屈辱あまり、思わず目を伏せてしまった。
「もっと奥まで見せろ」興奮した男の野次が飛ぶ。
グイッ
セイントガールの性器に2本指が当てられると、左右に大きく押し広げる。その中は蜜で濡れたように光っている。
体の中まで覗き込まれてしまい、顔を背けるエルカ。
「さて、まずは俺から言っちゃうぜー」
いきり立ったペニスをエルカのスリットに押し当てる男。セイントガール絶体絶命!このまま犯されてしまうのか?
と、その時、
「動くな!」
怒声が響くとともに警官隊が一気になだれ込んできた。
不意をつかれた男たちは逃げることができず、次々とお縄につく。
警官隊を指揮していたのはエルカの良き協力者、皆川刑事だ。エルカが事前に通報していたおかげで、現場を押さえることができたのだ。
その彼女を探すと、倉庫の奥で股を大きく広げた格好で地面に倒れている。
刑事はあわてて駆け寄り、そっマントの裾を持つと露わになっている股間を隠してあげる。
「大丈夫ですか?セイント・エルカ」
朦朧としているエルカに声を掛ける。
はっとわれに返るエルカ。刑事の前であられもない格好をしているの気づき、さっと顔を赤らめる。
「ありがとう。危ないところを助けてもらったわ」
「いいえ、例をいうのはこちらのほうです。あなたのおかげでやつらを一網打尽にすることができた」
そういいながら手を差し出す刑事。エルカ派その手を握り返す。
「では、あとはよろしく」
エルカはマントを翻すと、倉庫の外へ駆け出していく。その姿はやがて夜の静寂に同化し見えなくなった。
「ありがとうセイント・エルカ」
皆川がつぶやく。
「しかし艶めかしい体だったなぁ」
思わず本音をもらしあわてて股間を押さえる皆川刑事だった。

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