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2025年7月31日木曜日

ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.2 FT新聞 No.4572

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ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイ vol.2

 (東洋 夏)
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 FT新聞をお読みの皆様、こんにちは!
 東洋 夏(とうよう なつ)と申します。

 本日はサン・サレンが舞台のd33シナリオ『写身の殺人者』のリプレイ小説をお届けいたします。
 製本版『雪剣の頂 勇者の轍』に収録された、サン・サレン四部作のひとつです。
 ファンメイドのリプレイとなりますが、お楽しみいただけましたら幸いです。
 
 さて、前回は冒険のはじまりをお届けいたしました。
 サン・サレンの街を悩ませる飛び切りの悪夢。自分の姿をした何者かに殺される夢を見て、その後、現実でも殺されてしまう。そんな気味の悪い事件が連続しているところに居合わせた十二歳の見習い聖騎士のシグナスは、昨夜ついに同じ悪夢を見てしまいました(そして、おねしょをしました)。自分の身に迫る危機を前に、主人ノックスの助けを借りず、自ら捜査に乗り出すことにしたシグナス。不思議な喋る剣・クロを相棒に、果たして悪夢殺人事件を解決することはできるのでしょうか?
 
 なお、ここから先はシナリオのネタバレを前提に記述します。プレイするまで内緒にしておいてくれという方は一旦この新聞を閉じ、代わりにシナリオを開いてサン・サレンにお出かけいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 それでは主人公紹介、そして捜査の記録をお読みいただきましょう!
 
 
 [主人公紹介]
 
(1)シグナス(12歳、人間、男性、レベル7、聖騎士)
・技量点:0
・生命点:6
・筋力点:3
・従者点:9

・技能:【高潔な魂】【全力攻撃】【癒しの光】
・持ち物=見習いの片手剣(片手武器、斬撃)、丸盾、板金鎧、金貨10枚、食料2個
 
◆作成コンセプト:従騎士(見習いの騎士)であることを念頭に、半人前の冒険者ということで初期レベルを7に設定しています。初期経験点は7で計算。未熟なので技量点も0スタートにしてみました。しかし聖騎士について鍛錬を積んでいるので、聖騎士としてのスキルは一応発揮できるよという設定です。ちなみにレベル7スタートは、基本ルールにはない、オリジナルの処理となります。
 

(2)クロ(?歳、おどる剣、男性、レベル10、炎属性)
・技量点:1
・生命点:6
・器用点:6
・従者点:7

・技能:【装備化】【凶器乱舞】【精密攻撃】【鋼の意志】
・持ち物=金貨10枚 (※〈おどる剣〉は食料を消費できず、初期の持ち物は金貨のみ。また装備品を所持も装備もできない)

◆作成コンセプト:ヒーローズオブダークネスの種族が紹介された折、「半人前の少年を導く喋る剣」というファンタジーの王道のようなことが出来るなあと思って温めていたコンビです。本来はチャマイ製のゴーレムなのですが、少し捻らせていただいて「元は人間だったと主張している」という設定を付与しました。
 
 
 ※ヒーローズオブダークネス(HoD)についてはこちらをご参照ください。
 https://ftbooks.xyz:443/ftwiki/index.php?%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8D%E3%82%B9

 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 
 
[探索記録1]21:薬局


 洗濯係は金貨を見せるなり笑顔になったので、シグナスの不安はひとつ消えた。急ぎ足で部屋に取って返し、鎧と分厚い毛皮のマントで、危険な外出にふさわしい装いを整える。
「これでいいかな、クロ。変じゃない?」
「子熊としては立派な仕上がりだぞ」
「褒めてないじゃんか!」
 シグナスは口を尖らせながら、〈おどる剣〉クロとは別の剣を一振り持って、部屋を出た。こちらは喋りも動きもしない金属製の、平凡な剣である。
 屋敷の廊下も寒かったが、街なかは輪をかけて冷え込んでいる。春先なのに小雪がちらついており、街路の左右には掻き上げられた雪がシグナスの背丈よりも高く積み上がっていた。遠景には万年雪をいただくスォードヘイル山脈が見え、剣先の如き峰々は真っ白に輝いている。
 サン・サレンの街並みは、シグナスが慣れ親しんだナリクの景色とは全く違って、全てがもの珍しかった。従騎士には雑務が多く、街をじっくり眺めるのは初めてである。
「ドルツ石の線路も見てみたいね、クロ」
「物見遊山じゃないんだぞ」
「社会勉強って言うんだよ」
「ふん、口だけは達者に育ちよって」
 さてどこから調査すべきか、と周りを見渡したシグナスの目にとまったのは『アグピレオ薬局』の看板だった。アグピレオと言えば領主様お抱えのお医者さんで、今朝方も屋敷で見かけている。領主の悲鳴を聞いてシグナスが駆けつけた時、騎士の先輩たちと話し込んでいたのはアグピレオ先生だった。悪夢についての詳しいことが聞けるかもしれない。
「クロ、ここから行ってみるね。〈お静かに〉の姿でお願い」
「分かっている」
 ゴーレムの〈おどる剣〉は誰もが知っている種族だけれど、本人たち──本剣たちの数はと言うと、極めて少ない。なのでいきなり剣が口を開くと、びっくりされてしまう事があるのだ。ナリクなんかでは、悪魔みたいだって悪口も言われる。だからシグナスとクロの間では、喋ってはいけないときの合図を決めてあるのだった。
 薬局に入ってみると、折りよく客はいなかった。
 出て来た下働きと思しき人に、
「すみません、アグピレオ先生はいらっしゃいますか? あの、ナリクの聖騎士の遣いで来たシグナスと申します」
と告げた。主人の行方も聞いてみようと思っているから、嘘をついた訳では無い。
 奥に通されたシグナスは、宮廷医アグピレオの穏やかな顔にほっとした。お医者さんというのは怖いものだと思っているので、怒られたり尻を叩かれたりするのでは、と戦々恐々だったのである。
「夢を見てしまいましたか。それは困りましたね」
 アグピレオ先生はシグナスにもハーブティーを淹れてくれた。陽だまりの草原のような香りがして、草原の多いナリクで育ったシグナスは心から安らいだ。
「これ、ご領主様がお飲みのものと同じですか?」
「少し変えてあります。大人と子供では、体も心も働き方が異なりますからね。決して馬鹿にしている訳では無いのですよ。シグナス殿のお年頃は大人よりも感受性が高いので、同じものだと作用が強すぎる恐れがあるんです」
 シグナスは、アグピレオが子供だからと手を抜かずに説明してくれる態度に感激した。領主様からも街の人からも信頼されて、ハーブティーが良く売れているという話も納得である。
「ところで、聖騎士の方からご用命とか?」
 あっ、とシグナスは声に出してしまった。ハーブティーに癒されて、本来の目的を見失いかかっている。
「えっと、サー・ノックスをお見かけしていないでしょうか。黒髪で、前髪が右側だけこう長くて」
「ああ、こう……」
 アグピレオ先生が、目が隠れるほど前髪を伸ばした主人の髪型を真似したものだから、思わずシグナスはハーブティーを噴き出してしまうところだった。
「いやはや、今のは黙っておきますよ。しかし残念だが、君のご主人の事はお見かけしていないな」
 悪夢のことを調べるなら、まず宮廷医には声をかけるだろうとシグナスは読んでいたが、空振りのようである。がっかりした様子があからさまだったのだろう。アグピレオ先生は、
「見かけたら、君が探していたと声をかけておくよ」
と気遣ってくれた。
 
 
 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 
 今回のリプレイは、ここまでです。
 記念すべき最初のイベント「薬局」は【休憩】して生命点と副能力値を回復出来るイベントですが、何の消耗も無い初手で来てしまいました。ちょっと勿体ないと思いつつ、シグナス君がリラックスできたので良い事としましょうか。初めてのお仕事って緊張しますもんね。しかも命懸けですからね。
 ただ、肝心の事件の概要について情報が聞き出せなかった(フレーバーテキストに記述がない)のが少々引っかかるところ。捜査協力者とはいえ、他国の騎士にほいほい内部情報を渡したくはないというお気持ちでしょうか。地道に足で稼いでいくしかなさそうです。
 
 それではまた木曜日にお目にかかりましょう。
 良きローグライクハーフを!
 
 ◇
 
 (登場人物)
 ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。殺人者の悪夢を見ておねしょした。
 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉。元は人間かつ騎士だと主張している。
 ・ノックス…シグナスの主人。超が付くほど厳格な聖騎士。
 ・ベルールガ…ノックスの同僚の聖騎士。優しい。
 ・サン・サレンの領主…殺人者の悪夢に苛まれている。
 ・アグピレオ…領主付きの医師。心が落ち着くハーブティーの売り上げが好調。

■作品情報
作品名:『写身の殺人者』
著者:ロア・スペイダー
イラスト:海底キメラ
監修:杉本=ヨハネ、紫隠ねこ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/6820046
『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録


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2025年7月30日水曜日

第3回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4571

第3回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ

※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。


ぜろです。
ローグライクハーフリプレイ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」をプレイしています。
竜鍵諸島の町マックルーで開催される露店祭のスタンプラリーに参加して、お祭りを楽しんじゃおう、というのが今回の目的です。
一緒にスタンプラリーを巡るのは、竜人の女性ヨアケさん。最初のお店でふたりして見事に酔っぱらい、意気投合しました。
この露店祭、裏ではなにやら不穏な陰謀もあるようですが、そんなこと知ったこっちゃありません。
とにかく祭りを楽しもう、それだけ。
では今回も、露店を巡ってスタンプを集めましょう。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】6
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復
2 黄金魚

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:6/7 筋力点:3/4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)


●アタック01-6 ポストんとドルルドルルレース

【22 ドルルドルルレース】

ここはドルルドルルレースの会場だ。
ドルルドルルレース。

名前の響きがちょっとデジャヴる。
あれはそう、ゲームブック「マドレーンの海域」だ。
そこには「ポルルポルルレース」なるものがあった。
ポルルポルルという飛べない鳥をレースで競わせ、勝敗を当てるという競馬や競艇を思わせる内容だった。

では、こちらのドルルドルルというのは、どういう生き物?

ドルルドルルは、トンネル掘りを得意とする家畜とのこと。
この瞬間にイメージはモグラに確定。
そういえば名前の響きも、土を掘る擬音のイメージっぽい。
ドリルでルンルン。

ここではホムを支払うことで、どれか1匹に賭けることができるという。
やはり競馬系のイベントだったようだ。

ホムなら持ってる。参加可能だ。
選べるドルルドルルは次の3匹。

レースマッハ 速さを追求。スピード命。能力5。
ドンゴット タフネスで度胸がある。能力3。
スターゴッテス 脚は遅いが頭が光る。能力1。

サイコロを1個振って、能力を足した結果で順位が決まる。
もちろん、有利なものほど配当は低い。レースマッハなど勝って当然だからだ。
だが、ほぼ勝ち目のない鈍足のスターゴッデスにも勝ち目はある。
スターゴッデスのサイコロの出目が6だったとき、特殊技能「ワープ」をきまぐれ発動して、必ず勝利するのだ。

さて、どれに賭けるかだけど。
そんなの、決まってるよね。

スターゴッデス一択だだだ!
考えてもみてほしい。
これがシリアスなシナリオの中の出来事で、金銭管理もシビアなら、別の考えもあるだろう。
けれど今私は、祭を楽しみに来ているのだ。

ならばこの中で一番楽しめるのはどれか。
勝ち目は薄いが一発逆転あり。しかも高配当なスターゴッデス。
それ以外にどれを選べというのか。

というわけで、スターゴッデス、君に決めた!

賭けがまとまったら出走だ。
ドルルドルルのレースってのはどんななんだろう。
やっぱり土に潜って、進むのだろうか。
見えない。実況できない。

あれかな。漫画的表現で、土の上にもこもこと跡がついていくやつ。
あんな感じで土中を進むイメージでどうか。そうだそれでいこう。

出走!!

レースマッハがサイコロの出目4を出した。能力を合わせて9だ。
ドンゴットがサイコロの出目6を出した。能力を合わせて9だ。

あれ、これ優勝者が引き分けた場合、どうなるんだろ。
そこまでの説明はないな。

さあ、我らがスターゴッデスの番だ。
先の2匹とも9。もうすでに、普通の出目では絶対に勝てない。
クリティカルワープ以外での勝ち筋はない。

サイコロを振る。
結果は……6だった!!

なんと、いきなりワープしてゴールへ。
スターゴッデス、優勝!!

こうした私は、1ホムを賭けて6ホムの配当を得たのだった。
最高の結果だ!


●アタック01-7 ポストんとドーナツ

【23 ジキとエッダの薬草茶】

「お疲れさま。がんばっているようだね。一休みしていきなよ」

声をかけられた。
2人の樹人だ。森の薬売り、ジキとエッダ。
木の葉のような頭髪のある頭から、両側に枝が生えている。
普段は薬売りをしている2人だが、今日は薬草茶を提供しているという。

ここでは、休憩して生命点と副能力値が回復できる。
それだけでなく、スタンプラリーのポイントでもある。
何もしなくてもスタンプゲットだ。

2人の樹人はイラストを見ると、魅力的な造形だ。
もっといろいろ活躍させたいところだけれど、ここでできることは回復だけだった。
私たちは、しばらく樹人の2人とのおしゃべりを楽しむと、席を立った。


【33 キラードーナツ】

さあ、のんびり休息を取った後は、激しいバトルが待っている。
それは新作ドーナツの大食いバトル!

うーん。私は大食い系はあまり好みではないのだけれど。
ここまででけっこうつまみ食いもしてきたし、この先だっていろいろ食べ歩きたい。
それをここで胃袋を使い潰してしまうのはちょっと気が引ける。

別に無理に勝負しなくても、ちょっとだけ味見させてもらおうかな。
そう思ってドーナツを1個つまむと、おいしい。

ルモーイさんのドーナツショップはけっこう人気のお店みたいだ。
そこの新作ドーナツで大食い大会をするなんて、やっぱりもったいなくない?

あまりのおいしさに、もう1個と手を伸ばす。
その時、信じられないことが起こった。

突如ドーナツに手足が生え、私の手が振り払われたのだ。

「我ら新作ドーナツ、かような大食らい大会なんぞで食べつぶされてたまるものか!」
「立てよ同胞! 怒れよ同胞! 今こそ反撃の時!」

次々と手足が生え、覚醒していくドーナツたち。その姿はさながら円盤人。
そう、覚醒した彼らはキラードーナツというクリーチャーなのだ。

ちょっとちょっと、ルモーイさーん。
新作ドーナツたちが反乱を起こしてますよー。

しかしルモーイ氏は、ドーナツを揚げるのに余念がない。
こっちの状況に気づいてさえいない。

これはまずいぞ。つまり、次から次へとキラードーナツが作り出され続けるということじゃないか。

ひとまず、目の前で暴れている一団をなんとかしよう。
ところで、このキラードーナツ、【アンデッド】に属するクリーチャーらしいんだけど。
動き出したところで十分アレだけど、そのうえアンデッドとか言われると、食べる気なくすなぁ。

【キラードーナツ 出現数4 レベル4 攻撃回数1】

さて、この大食い大会に参加していたキャラクターは、おいしいドーナツを食べたことにより生命点1点を回復できる。
そのかわり、満腹すぎて、攻撃と回避にマイナス1のペナルティを負ってしまう。
私は、まともに勝負はしていなかったので別に満腹にはなっていない。
しかしつまみ食いとはいえ大会に参加しているため、ルールにのっとってペナルティは受けておこう。
きっと、ドーナツが動き出したのを見て、自分の胃の中で暴れる未消化のドーナツでも幻視して、気分が悪くなったに違いない。

まずは0ラウンドの先制攻撃で、手元のキラードーナツ1体をはたき落とした。
黒子が影から飛び出して攻撃するが、そちらは外してしまった。

残り3体から通常の戦闘ラウンドスタートだ。
ヨアケが1体を叩く。
これで残り2体。半分に減らしたが、キラードーナツは戦いをやめる気配がない。
それもそのはず、彼らは常に【死ぬまで戦う】なのだ。
彼らにとっては、この戦いは、食うか食われるか。生死を賭けた戦いなのだ。
もう食べる気ないけどな。

残る2体が私とヨアケに攻撃してくるが、レベル4の相手なら、回避の可能性は十分ある。
2人ともうまいこと、回避に成功した。
そして次のラウンドで、その2体もはたき落として動きを止めたのだった。

しかし、まずいな。
今のは手近な一団を叩いたにすぎない。
会場全体のキラードーナツをどう対処したものか。

と、そんな時だ。

「はいはーい。次のが揚がったよー」

能天気な声とともに、ルモーイ氏が次なるおかわりドーナツを大皿に乗せて会場に現れた。
それを見るや否や、キラードーナツたちはひゅんっと手足をひっこめて、元のドーナツに戻ってしまったのだ。

どうやら彼ら、創造主のルモーイ氏には見られたくないらしい。

「あの…俺…棄権します」「ワイも」「アタイも」

大食い大会の参加者たちが、次から次へと棄権していく。
無理もない。あんな場面を見て、さらにドーナツを食べて勝負を続けようなんて人はいない。

「おやおや、そうなのかい。新作ドーナツのいい宣伝になるかと思ったのだが」
「いやいや、やっぱりドーナツは味わって食べなきゃ」「そうそう、もったいないですから」

こうして大食い大会はうやむやになり、この場所は、新作ドーナツの試食会会場となったのだった。
大食い大会の参加者たちは、そのままその場を去り、やがてそこは、試食会めあての客でにぎわっていった。
キラードーナツたちも、味わって食べてもらえるのなら本望なのだろう。その後騒ぎになることはなかった。

私たちは、一応宝物判定で金貨3枚を得た。
キラードーナツたちが持っているわけがないので、きっと騒ぎの混乱で落ちていたお金を発見したのだろう。


●アタック01-8 ヨアケと異次元キャッチャー

【中間イベント2 トットマックの異次元キャッチャー】

外の特設会場では、なにやら特別なイベントで大盛り上がりをしているようだ。
そこでは、この露店祭の主催者、トットマックが楽しげに実況をしていた。
それは、巨大なUFOキャッチャー?

いやいや、そんな生易しいものでは断じてない。
無重力に浮かぶプライズ宝箱を、キャッチャー役とクレーン役との2人1組になってゲットしようという、いわば人間キャッチャーなのだ。

「やりたいやりたい。あれやりたい!」

なぜかヨアケがものすごく乗り気になっている。
プライズ宝箱への反応がすごい。
私は聞いていないので知らないことなのだが、実はヨアケは元海賊。
海賊から転身して魚屋さんになったという筋力キャラなのよね。宝箱に目を輝かせるのはそのへんがあってのことなのだろうね。
私は知らないけど。

こういうときは、まずはルールを確認してみよう。
確認したところ、キャッチャー役は器用キャラか幸運キャラが向いていて、クレーン役は筋力キャラか魔術キャラに向いているということのようだった。

つまり、キャッチャー役を器用キャラの私、クレーン役を筋力キャラのヨアケがやるのが適任ということになる。
が、ヨアケは直接賞品をゲットできるキャッチャー役がやりたかったらしく、不満そうだ。

まあたしかに、通常のUFOキャッチャーなら、アームの力が弱すぎて持ちあがらないということはよくある。
キャッチャー役には筋力キャラこそ適任かもしれない。いざプレイしたら筋力が必要だったりして。

なんてことを考えもしたが、ルールは嘘をつかない。確実にいこう。
最終的にはヨアケも納得した。

ちょっと待っててね、私がキャッチャー役になるには、この重力おパンツ脱がないと。

キャッチャー役の私がワイヤーをつけられ、無重力空間に放り込まれる。
目標値5の器用ロールをする。これはクリティカルで成功した。
なるほど、こうやって無重力を漂っていると、プライズ宝箱を取るにはかなりの細やかさが要求されることがわかった。
これは器用さが必要だ。筋力キャラでは、宝箱をキャッチするところがまず壁だろう。

さあ、宝箱を手に入れたら、次はクレーン役のヨアケが私を引き上げれば良い。
実際のUFOキャッチャーと違ってアームが弱くて落ちるなんてことはありえないから、よほどの手違いがなければ大丈夫のはずだ。
ヨアケの筋力ロール、目標値は4。
サイコロの出目だけで4を出して成功だ。

と、無重力地帯を脱した瞬間にずっしりと重みがきた。
危うく宝箱を落とすところだった。これがアームの弱さに相当するトラップだったのだろう。
私はがっちりと宝箱を挟んで離さず、ついにプライズ宝箱をゲットしたのだった。

ヨアケとともに、わくわくしながら宝箱を開けて宝物判定。
中身はノーマル品で、宝石(金貨20枚)だった。
ちなみに、宝石箱のほかは、砂が詰まっていた。それで重みを増してたのか。

ヨアケは、お宝をゲットすることに意味を見出していたらしく、この宝石は私にくれるとのことだった。
そこはありがたくもらっておこう。

次回もたたかう露店祭。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】6→9
【ホム】6→11

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復
2 黄金魚
3 宝石(金貨20枚)

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:6→7/7 筋力点:3→4/4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)


■登場人物
ポストん 宇宙忍者。おパンツ大好き。マックルー滞在中に露店祭に参加する。
ヨアケ 竜人の女性。ポストんと一緒に露店祭スタンプラリーの攻略を目指す。
キモリコ マックルーのお騒がせキャラ。祭りに乱入した。
測量三銃士 器用さと魔力と運とで測量を行う測量士たち。
トットマック この露店祭の主催者。ステージ上で一緒に盛り上がっている。
ルモーイ 味に定評のあるドーナツ屋さん。丁寧に作りすぎてドーナツに魂が宿ってしまった。

■作品情報
作品名:「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」
著者:ロア・スペイダー
監修:杉本=ヨハネ
原案・設定:海底キメラ


ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946

竜鍵諸島 〜フェスティバルだよ大集合!〜
https://booth.pm/ja/items/5331098
※「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」が収録されています。

本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg


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2025年7月29日火曜日

『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.6 FT新聞 No.4570

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『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.6

 (田林洋一)
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 FT新聞の読者のあなた、こんにちは、田林洋一です。
 全13回を予定しております東京創元社から出版されたゲームブックの解説「SAGBがよくわかる本」、6回目の記事を配信いたします。今回と次回の7回は日本が生み出したゲームブックの申し子「鈴木直人」の諸作品を扱います。6回は『スーパー・ブラックオニキス』を中心に解説します。
 なお、本連載はSAGBとして東京創元社版のみを検討・分析する記事とさせて頂いておりますので、後に別会社から出版された復刻版・改訂版など(今回では『ブラックオニキス・リビルド』)については取り上げていないことを予めお断りいたします。
 
 本連載は「名作」と呼ばれるものを最初に集中的に扱っている関係上、連載の後半になるに従って厳しい批評が多くなりますこと、ご寛恕ください。作品そのものを全否定する意図は全くないことをご理解いただければと思います。「私はそうは思わない」という感想がございましたら、ぜひともお寄せいただければ嬉しく思います。
 
 毎回の私事ではありますが、アマゾンにてファンタジー小説『セイバーズ・クロニクル』とそのスピンオフのゲームブック『クレージュ・サーガ』を上梓しておりますので、そちらもご覧いただければ嬉しく思います。なお、『クレージュ・サーガ』はこの記事の連載開始後に品切れになりました。ご購入くださった方には、この場を借りてお礼申し上げます。

『セイバーズ・クロニクル』https://x.gd/ScbC7
『クレージュ・サーガ』https://x.gd/qfsa0

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6.日本人作家最高峰の作品 -鈴木直人の世界(その1)

主な言及作品:『スーパー・ブラックオニキス』(1987)
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 「ドルアーガの塔」三部作で鮮烈なデビューを果たした鈴木直人は、その後も優れた作品を残し、日本のゲームブック作家として最も成功した人物の一人である。鈴木直人の作品が傑作の地位をほしいままにしているのは、圧倒的な文章力、表現力に加えて、面白いゲームを構築するというゲーム作家としての二つの素質を高レベルで備えているからであろう。ゲームブックを作成するのが小説やゲームを作るよりも遥かに難しいのは、単に一つの才能に特化するだけでは足りないという点、即ち、マルチな才覚が要求される点にあると思われる。ここでは、鈴木直人の作品のうち、執筆順としては「ドルアーガの塔」三部作に続く『スーパー・ブラックオニキス』を検討してみよう。
 
 『スーパー・ブラックオニキス』は、同名のパソコンゲームを原作・下敷きとしているのは「ドルアーガの塔」とほぼ同じだが、内容は(やはりアーケード版やファミコン版「ドルアーガの塔」と同じく)大幅に異なる。完成度という点では他の国産のゲームブック、そして海外の作品と比べても群を抜いていて、今でもゲームブックの最高傑作と評されることも多い。
 放浪の戦士テンペストが、呪われた街ウツロで仲間を集めて秘宝ブラックオニキスを探し出すというのが物語の筋書きだが、単純な宝探しに終わるわけではない。宿敵マサイヤとの手に汗握るドラマチックな戦いや緻密に計算された豊富な謎解きなど、随所に飽きさせない仕掛けがされていて、単純な迷路や意味のないイベントなどは全くない。ここまで濃密かつ細部にまで配慮が行き届いた、隙のないゲームブックも珍しい。
 独特のストーリーや雰囲気を特徴づけているのは、原作のパソコンゲーム「ザ・ブラックオニキス」が、海外出身のゲームプログラマーであるヘンク・ロジャースが日本で制作・販売したという「ハイブリッドな」ゲームという要因もあるだろう。原作では各キャラクターの数値が固定化されており(これは後述するように、ゲームブック『スーパー・ブラックオニキス』のプレイヤーキャラクターが「盗賊」や「魔術師」、「聖職者」など、確固たる役割(職業)を担っていることに反映されている)、出てくるモンスターがファンタジー的な魔物に加えて、自然界に存在する動物も頻出するなど、他のゲームとは一線を画する特徴を備えている。

 『スーパー・ブラックオニキス』の興味深いところは、主人公側が四人パーティで臨むという点だろう。最終的には最初の戦士テンペスト(A戦士)、盗賊のバムブーラ(B戦士)、魔法使いのシモン(C魔術師)、そして聖職者タラミス(D戦士)という個性溢れる四人が集合するが、「誰を仲間にするか」も主人公側の決断に委ねられている。例えば最初に仲間になるバムブーラには(そしてシモンにも)候補が三人おり、名前こそ同じだが全くの別人物という設定で、それぞれ能力値や特殊能力が異なっている。つまり、プレイヤーはそれぞれの「バムブーラ」と「シモン」を仲間にできるというわけだ。唯一タラミスだけは固定だが、この美人戦士の加入を喜ばないものはいないだろう。
 基本的に、こちらのパーティが一人(テンペストのみ)の場合はレベル1の迷宮、バムブーラと組んだ場合にはレベル2の迷宮、という具合に探索が行われることになるが、作者があとがきでも述べているように、誰かが死ぬだけでゲームオーバーになるわけではなく、また主人公のA戦士テンペストだけが生き残れば残りは全滅してもいい、というような冷酷なシステムにもなっていない。四人のうち誰か一人でも生き残っていれば冒険が継続できる(ゲームオーバーにならない)という寛大かつ計画的なシステムを採用しているのだ。
 この辺りは、ちょうどコンピューターゲームの「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」シリーズに似ている。もっとも、双葉社から1987年に出版されたゲームブック『ドラゴンクエストII』(上)(下)は、仮に仲間が死んでも生き返らせればそれでゲームが続けられる仕様になっている(仲間が死亡状態の場合は、冒険を一時的に中断し、仲間を寺院などで復活させるために急いで町や城まで戻る必要がある)一方で、主人公が死んでしまえばそれで終わり、というシステムを採用している。
 これは、双葉社版『ドラゴンクエストII』が「パーティキャラクター全員が生きていることを前提としたストーリー構成」であることもその理由の一つだろう。当時のファミコンは容量やスペックの都合で、どうしても「キャラクター同士の掛け合い」や「会話」といった側面が削ぎ落とされていた。双葉社のファミコン冒険ゲームブックは、ファミコンでは表現し切れなかったキャラクターの関係性を前面に押し出した結果、「常に三人のパーティで進行する」という展開に立脚することになったのではないかと思われる。
 
 「主人公が複数」というシステムはファイティング・ファンタジー・シリーズの第四巻『さまよえる宇宙船』でスティーブ・ジャクソンが採用しているが、着陸した惑星を調査する場面では双葉社版『ドラゴンクエストII』と同じく、「主人公が仲間を連れて行動する」というルールを用いている(安田均はこのシステムの複雑さと作品の量が折り合わないことから『さまよえる宇宙船』を「失敗作」と断じている(『ファイティング・ファンタジー・ゲームブックの楽しみ方』p. 116-117))。もっとも、『さまよえる宇宙船』は主人公である船長が生きていれば残りのメンバーに欠員が出ても冒険を継続できるので(パーティ全体の特殊能力は限られてしまうが)、双葉社版『ドラゴンクエストII』よりも現実主義なところがある。
 また、双葉社版『ドラゴンクエストII』の能力値が一人分(パーティ全体を一つの単位として扱う)であるのに対し、『さまよえる宇宙船』では科学官や警備員にまで固有の能力が付与されている。つまり、『スーパー・ブラックオニキス』と同じシステムになっているのだが、『さまよえる宇宙船』はパラグラフ数が三四〇しかないのに対し、『スーパー・ブラックオニキス』は六〇〇とほぼ倍の分量である。
 
 前者は設定しなければならないパーティメンバーも多く、やや複雑で皮相的なパーティプレイになる危険性も秘めているが、逆に言えば、より細かなデータをプレイヤーキャラクターに落とし込むことで、ゲームとしてのリアリティ(各個人の特性)をゲームシステムに反映させたパイオニアとも捉えられる。因みに、同じファイティング・ファンタジー・シリーズの第十六巻『海賊船バンシー号』は、複数いるであろう船の乗組員に個別にデータを付与することはせずに、(主人公とは別に)乗務員をまとめて一塊とみなし、「襲撃力点」と「戦力点」の二つの数値で能力を表している。
 その一方で、後者『スーパー・ブラックオニキス』は壮大なボリュームと同時に、きめ細かく練られて使われているシステムが濃密なストーリーとうまくマッチしている。『スーパー・ブラックオニキス』は、『さまよえる宇宙船』のパーティーシステムを改良した、非常にバランスの良い構成になっているのだ。

 要の戦闘ルールは、「ドルアーガの塔」三部作と『ドラゴンバスター』両者の利点を取り入れた内容になっている。キャラクターごとに攻撃力(戦力ポイント+武器ポイント)と防御力(防御力ポイント+防具ポイント)が設定されており、サイコロを二つ振って出た目に攻撃力を加え、やはりサイコロを二つ振って出た目を相手の防御力に足した数とを比較する。体力ポイントの概念は主人公側にはあるが敵側にはなく、基本的に攻撃が一回当たれば敵は死ぬ。具体的には、怪物チェックと呼ばれる空欄のボックスがあり、攻撃が当たるとチェックを加えることで「敵の死」を表し、「敵があと何匹生きているかどうか」が分かる仕組みになっている。よって、敵が単体で出現した場合には(一度当たれば敵は死亡するので)怪物チェックを用意する必要がない。
 外すと相手が攻撃してくるが、仮に敵の攻撃が当たったとしても敵のダメージポイント分の点数を体力ポイントから引くだけで、再び自分の攻撃ターンが回ってくる。つまり、戦闘においては圧倒的に主人公側が有利なように設定されているのだ。もちろん例外はあって、体力が極めて高い敵については一体につき複数の怪物チェック(つまり、特定の敵は通常の雑魚敵よりも体力が高いことを示す)を要求されることもある。
 これは、このゲームブックの難易度が非常に高いこととも関係している。他のゲームブックと違って主人公側の体力ポイントは低めで、しかも体力を回復する手段が極めて限られている(ウツロの街では、体力を回復する方法が宿に泊まるか食事をするかくらいである)。初期装備も甚だ貧弱で、また金銭的にもあらゆる場所で金策を練っておかないとたちまち破産する。敵も単体で出現することは少なく、たいていは徒党を組んで襲ってくるので、戦闘でも苦戦することになるだろう。

 戦闘において、敵は一撃で死んでくれるが味方は体力ポイントを削られていくだけというルールは賛否両論があるだろう。手順が単純化されて戦闘システムが進めやすく、また敵を一刀両断するという爽快感が味わえるという利点はあるが、逆に敵の耐久力を無視するという点ではリアリティを損なうからだ。例えば、攻撃力はたいしたことはないがタフな相手(ゾンビなど)、逆に攻撃力は凄まじいが一瞬で死んでしまう敵(巨大クモなど)のように、敵を個性化することができない。つまり、細かい敵の能力を戦闘に反映できないという欠点があるというわけだ。
 これに対する反論は当然あり、前者のゾンビのような敵は防御力を極めて高くすればいいという意見もあるだろう。リアリティとゲーム的な煩雑さの軋轢をどうなくしていくかという問題は、ゲームブックだけでなく等しくRPGという形式のゲーム(コンピューターゲームやテーブルトークRPGを含む)に共通していると言っていい。例えばコンピューターゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズは、徐々に主人公側の能力値が上がっていくことで成長を楽しむことができるが、かよわい女性や子供のキャラクターでもレベルを上げれば、低レベルの筋肉マッチョの男戦士よりも能力値が上回ってしまうという事態が往々にして頻出する。これはゲーム的にはレベルで成長を感じさせるという点で優れているが、リアリティという点では相反する。
 どのようなシステムを採用するにしても一長一短があるが、『スーパー・ブラックオニキス』は『ドラゴンバスター』などと同じで、一撃で敵を倒せる爽快感に加えて、敵の側にも「攻撃力」と「防御力」を差異化させることで体力ポイントをこの二つに内在化させ、(プレイヤーを必要以上に戦闘に拘束させない)ゲーム的に自然な流れを作り出したように思われる。このように、そのゲーム的効果は極めて高いレベルで保持されている。

 また、双方向移動の常としてフラグ管理の問題があるが、『スーパー・ブラックオニキス』ではチェックリストという『ネバーランドのリンゴ』の「キーNo.」に近いシステムをとっている。この辺りは、鈴木直人が「ドルアーガの塔」の鐘などに代表されるアイテムの捨象問題を改善させたことが示唆される。アイテム名もいちいち記録する必要がなく、アイテムの有無もチェックリストで管理できるという利点も併せ持つ。もっとも、入手したアイテムを記録することで臨場感を味わうのがたまらないというプレイヤーは物足りなさを感じるかもしれない。

 ルールシステムは以上の通り、売りの四人パーティと別個に能力値を振り分けるという以外はごくシンプル(あるいは既出)だが、『スーパー・ブラックオニキス』が傑作との呼び声が高いのは、その物語性の濃さにあると言っていいだろう。まず、無駄なものが極めて少ない。「無駄」とは、単に迷路のための迷路(迷わせるだけの迷路)や襲いかかってくるだけの障害物のような敵は出て来ないという意味で、基本的に全ての事件が何らかの役割を持っている。
 例えばレベル1の迷宮にはテンペストが単身で挑むことになるが、一見「単なる迷路」にみせかけておきながら、ここでのマッピングが後々の展開に多大な影響を与える。更にはレベル2の迷宮で遭遇する「汚物溜めに浮かぶ石をジャンプしていく仕掛け」は、「ドルアーガの塔」の第一巻『悪魔に魅せられし者』に登場する七階の熱湯風呂に浮かんでいる浮き石をジャンプして渡っていく罠を彷彿とさせるが、前者がスマートに作られているのに対し、後者はやや浮き石の迷路がくどく、意味が希薄になっている。もっとも、鈴木直人はここでもさりげなく隠しアイテム「レッドソード」を用意することで、「探索の楽しさ」を十分に味あわせ、かつ読者の興を惹く仕様も忘れない。
 ウツロの街も、「ドルアーガの塔」の第三巻『魔界の滅亡』を思わせるような個性的かつ人を惹きつける登場人物が満載で、「商品を並べただけのつまらない店」や「ただ体力を回復させるためだけの宿」といった単純な場所は一つもない。全ての場所や出会いに意味があり、主人公とゲーム的にもストーリー的にも濃厚にかかわってくる。一回立ち寄っただけでは「その場所の深み」を味わうことができず、チェックリストの状態によってそれぞれの場所で起こるイベントが変化する。「前に来た時にはなかったのに、こんなところにこんなものが」という意外性が物語に更に深みを与えているのだ。
 
 もっとも、ゲーム的な「イベントフラグ」だけでないところが『スーパー・ブラックオニキス』の素晴らしいところで、圧倒的な筆力にちょっとしたチャームポイントを加えたり、数々の新しいアイデアを施した謎解きがあったりと、繰り返すようだが無駄なパラグラフが一つもない。例えばレベル3の迷宮には、魔術師シモンを加えた三人パーティで挑むことになるのだが、回転扉という非常に精緻な仕掛けが施されている。ジャクソンやリビングストンの作品ではこうしたイベントにヒントがなく、運任せでトライする「覚えゲー」という展開になることも多いが、『スーパー・ブラックオニキス』では事前に情報を集めてアンテナを張っておけば、こうした罠や迷路を回避することは比較的容易である。
 これはレベル3の迷宮に言えることだけでなく、ウツロの街を含めた全ての場所でも同様である。この作品には、いわゆる「理不尽なイベント」や「突発的な死」がない。プレイヤーは注意深く迷宮を探索し、周囲の声に耳を傾けながら徐々に明らかにされていく壮大な謎と向き合っていくという、「こちら側の才覚」も要求されることになる。ある意味で、ゲーム的なパズルが冒険全体に押し広げられていると言ってもいいだろう。「パズル」と言っても、パズルのためのパズルや迷路のための迷路、つまり、そのイベントの目的がゲーム的に明らかにはっきりしているのではなく、物語と重厚に絡みながら解き明かしていくという、ゲームブックの極みを体現した形になっている。
 
 前の回でも既に述べているように、海外産のゲームブックの代表格であるファイティング・ファンタジー・シリーズ、中でもイアン・リビングストンを中心とした作品群ではこの点がかなり高難易度な作りになっていて、例えば「右に行くか、左に行くか」という単純かつノーヒントの迷路を右往左往させられることがままある。安田均は、リビングストン著の『盗賊都市』で起こるイベントが気ままかつノーヒントであることを「起こった事件の突飛さを楽しめばいい」(前掲書、p. 79-80)と好意的に受け取っているが、プレイヤーから見ればその「突飛さ」が時として予期せぬもので唐突な印象を受けることもあるのではないだろうか。
 同じくファイティング・ファンタジー・シリーズの第十四巻、リビングストン著の『恐怖の神殿』では、五つの竜の飾りを探し出さなくてはいけないのだが、それと同時に「死の使者」が用意した五つの呪いの文字(DEATH)を回避しなければならない。あちこちと家捜しをしなければ竜の飾りを逃がしてしまうかもしれず、かといって全ての箇所(机の引き出しなど)を覗き込んでいくと必然的に死の使者のDEATHの文字を見てしまうというジレンマに立たされる。そして、ある場所を探索するかどうかという基準やヒントはほとんど皆無で、「運ゲー」「覚えゲー」の様相を呈することになる。だからこそと言うべきだろうが、こうした「予兆」や「ヒント」がないことで、プレイヤーは真に迫った「リアルな冒険」を楽しむことができるようになっている。
 
 この「運」という概念において、ファイティング・ファンタジー・シリーズではキャラクターの特性ないしは属性(能力値)として運点が設定されているのだが、これではプレイヤー自身の「本当の運」がどこで生かされるのかという問題に直面する。この問題にダイレクトに解答を与えうるのが、「右へ行くか、左へ行くか」が単に並列的に(つまり、何のヒントもなく)提示される選択肢と言っていいかも知れない。つまり、どちらへ行くかは全く「プレイヤーの運次第」という理屈である。『恐怖の神殿』では、序盤の何気ないルートの選択によってクリアの可否がダイレクトに影響していたり、その他の作品でも道を一つ間違えただけで即死したりする(あるいは、単にアイテムを拾っただけで即死する)という罠が、特にリビングストンの作品では豊穣に見られるような気がする。
 このようなシステムを「偶発的なイベント」として楽しめるかどうかは、結局のところプレイヤーの好みに一任するしかないが、少なくとも『スーパー・ブラックオニキス』においてはこの手の「運」の要素は皆無である。練りに練られたイベント群を、提示されたヒントを手がかりに周到に分析していく手法が要求される。そもそも、場当たり的なプレイではクリア(ブラックオニキスを見つけ出す)は不可能だろう。徹底してやり込んだプレイができる反面、ライトで気軽なプレイヤーには向かないとも言える。
 
 こうした物語全体にまで広がった謎解きに加え、マサイヤとの一騎打ちや憎々しい黒騎士たちとの絡み、タラミスの磔刑を阻止して救出するシーンなど、映画を観ているような展開が重厚に広がっている。ゲーム的な側面と同じく、ストーリー的(小説的)な意味でも無駄が極力削ぎ落とされ、物語に深みを与えている。
 更にとどめを刺すように、主人公たちにもキャラクター的な個性の魅力が満載である。既に『魔界の滅亡』で魅力的なキャラクターを創造することに長けていることを証明して見せた鈴木直人だが、ここでは俯瞰的・客観的な登場人物だけでなく、能動的に絡み合ってくるキャラクターに加えて、主人公自体にも個性を持たせているのだ。
 これは国産品のゲームブックの特徴とも言えるが、ここまで徹底的にキャラクターを大事にする手法は、やはり鈴木直人の諸作品が頭一つ抜けている。例えば『ゼビウス』のP・J、『ドラゴンバスター』のクロービス、そして『ネバーランドのリンゴ』のティルトなどもその個性が遺憾なく発揮されているが、『スーパー・ブラックオニキス』ではキャラクターの魅力が他の作品よりもいっそう際立っているように思われる。テンペストの狂戦士ぶり、バムブーラの愛嬌、シモンの冷静さ、そしてタラミスの屈託のなさといった魅力満載のキャラクターになりきる(ロールプレイする)楽しさがある。

 おそらく鈴木直人は、ジャクソンの「ソーサリー」やリビングストンの『死のワナの地下迷宮』のように、自身の集大成として『スーパー・ブラックオニキス』を完成させたのだろう。この「魅力的なキャラクターの操作」という点は、後の鈴木直人の作品の特徴ともなっていく。次章では、突き抜けたキャラクターという点から鈴木直人のゲームブックを見てみよう。

※次回は「鈴木直人の世界(その2)」と題して、「メスロン・サーガ」シリーズを中心に扱います。

◆書誌情報
 『スーパー・ブラックオニキス』
 鈴木直人(著)
 東京創元社(1987/12/24)絶版

 『ブラックオニキス・リビルド』
 幻想迷宮ゲームブック(Kindle版)(2017/12/21)

■参考文献
 『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(上)(下)
 樋口明雄(著)
 双葉文庫(1987/9/1)絶版

 『さまよえる宇宙船』
 スティーブ・ジャクソン(著)浅羽莢子(訳)
 社会思想社(1985/9/20)絶版
 SBクリエイティブ(2025/2/19)安田均(訳)

 『海賊船バンシー号』
 アンドリュー・チャップマン(著)鎌田三平(訳)
 社会思想社(1987/3/25)絶版

 『ファイティング・ファンタジー ゲームブックの楽しみ方』
 安田均(著)
 社会思想社(1990/8/1)絶版
 
 ドルアーガの塔 第一巻『悪魔に魅せられし者』
 鈴木直人(著)
 東京創元社(1986/7/31)絶版
 創土社(2006/12/29)絶版
 幻想迷宮ゲームブック(Kindle版)(2016/3/1)
 
 ドルアーガの塔 第三巻『魔界の滅亡』
 鈴木直人(著)
 東京創元社(1986/12/21)絶版
 創土社(2013/11/23)絶版
 幻想迷宮ゲームブック(Kindle版)(2016/3/1)

 『盗賊都市』
 イアン・リビングストン(著)喜多元子(訳)
 社会思想社(1985/10/20)絶版
 SBクリエイティブ(再生産版) こあらだまり(訳)(2024/3/28)
 
 『恐怖の神殿』
 イアン・リビングストン(著)浅羽莢子(訳)
 社会思想社(1987/1/30)絶版


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2025年7月28日月曜日

私の新作のお話 FT新聞 No.4569

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
この記事は「スペインへの旅に出ることが決まって」から、「キャンセルする」までの間に書かれたものです。


◆新作の構想☆
旅に出ると決めた瞬間、私の周りにあるさまざまな鎖から、一時的に解放されることが決まりました。
その鎖は、私をこの世界につなぎ止める大切なものであると同時に、私の行動をひとつひとつ重くするものでもあります。
「義務」から解放されたとき、私が最初にとった行動は、どこからか湧いてくる食欲に身を任せることでした。
1日半で8回の食事をして、1.7kgほど体重が増えました。
それから12時間ほど寝て、また食べて、心がどんどん落ち着きを取り戻してくるのを感じました。


◆私にとっての「神」。
私はクリスチャンですが、唯一神とは別に信じているひとつの「神性」があります。私にとって神に最も近いのは「言葉」です。
キリスト教の聖書には「神は言葉であった」と書かれていますが、ここで言うのはもっと、ずっと個人的なことです。
私は少年時代には英語を、青年時代にはスペイン語を、そして29歳からは冒険分岐小説作家としての道を選び、生きてきました。
言葉は私にとって、何よりも大切な「生きる力」そのものなのです。
鬱になって、その力が、人に見せられるほどの強さを失っていることに苦しんできました。
その力が今、戻ってきつつあります。


◆根源的な理由。
私が鬱になった理由をひと言でまとめるのは難しいことなのですが、簡単に言ってしまうと「人間関係の負担」でした。
私は周囲の人たちに対して「何かをしてあげられる「人間」であることが、ひとつの誇りというか、アイデンティティになっている存在です。
しかし、ある時、そのこと自体が負担になってしまい、しかもそのことに自覚がないという状態で、数ヶ月を過ごしていました。
そしたら、あるキッカケを経て、どかっと調子が悪くなってしまったのです。


◆何を書こうか?
そんな経験を経る間に、私は、それまでにない「人間のキレイでない面」に触れる機会に恵まれました。
自分と異なる価値観を持つ人たちとの、あつれきと和解。
なんだかんだ言って、ふだん自分の周りにいる人が、常識と良識の枠内にいる存在だと、強く認識させられる経験でした。

さて、私は冒険分岐小説作家として、さまざまな人間の考え方を、自分の作品に役立てる術に長けています。
このような人とグループに触れ合ったことを活かして、次の作品を書きたい。
新しい価値観を持つ「敵の集団」と、それに対峙する主人公たち。
そう思った瞬間に、文章がすらすらと書けるようになり出しました。
止まっていた「創作」が、動きはじめたのです。

今、私は「死霊都市フアナ・ニクロ」を拠点とした作品を執筆しています。
ひとつの街の領土の端に現れる、新興宗教の教祖の討伐を目的とした作品です。
教祖は触れたものを爆弾に変える力を持っている【悪魔】で……そんな物語です☆
【アンデッド】と【悪魔】の激突!
そんな冒険をお届けしたいと、考えております☆

それではまた!




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2025年7月27日日曜日

「ローグライクハーフ」村サプリメント:末裔村イシュ・ムス FT新聞 No.4568

おはようございます。
FT新聞編集長の水波流です。

8月第1日曜は、急遽決定となりました「クトゥルフ×ローグライクハーフ」!
中山将平によるd33シナリオ『クトゥウルウの聖なる邪神殿』を配信予定です。
(元の予定でした水波流作『汝、獣となれ人となれ』は9月をお待ちくださいませ)

本日はその拠点となる村サプリメントの配信です。
シナリオを遊ぶ前後に、装備品や従者を購入するなどぜひご活用下さい。

↓村サプリメント:末裔村イシュ・ムス
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/RogueLikeHalf_SUP_Ish-Mus.txt

↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/MAPofARANCIA.png


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2025年7月26日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第650号 FT新聞 No.4567

From:水波流
名著『ベデカー・ロンドン案内1905年度版』がAmazonオンデマンドで復刊!
私はネットで噂を聞いて第四刷をなんとか入手済みだったのですが、これがいつでも購入できようになったのは素晴らしい。
ヴィクトリア朝、ホームズ、クトゥルフバイガスライトなどが好きな人にはお勧めの1冊です。
というか、ヒラヤマ探偵文庫さんは
『ロンドン夜と昼 他の本では行けない場所ガイド』(1953年)
『写真集 1893年の大英帝国』
『写真集 1906年のロンドン』
『写真集 女王陛下のロンドン』
『テリーの日本案内 大正3年版』
とどれも珠玉の出来なのよ。タイトルでビビッときた方はぜひ。

from:葉山海月
メモに書かれた「マタマナ」
何のことかと思いましたら「エダマメ」やんかー!

from:くろやなぎ
今週の中山氏の記事は「世界地図」がテーマでしたが、架空の世界地図って、見てて楽しいですよね。
FT書房の作品でいえば、アランツァや竜鍵諸島。
アランツァなら、それぞれのゲームブックやシナリオ、あるいはワールドガイドなどの充実した情報と一緒に楽しめるし、
竜鍵諸島なら逆に、地図そのもの以外の情報が限られているぶん、書き込まれた地形やシンボルを眺めながら自由に想像を広げるのがワクワクします。
みなさんは、何かお気に入りの世界地図ってありますか?


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(く)=くろやなぎ
(明)=明日槇悠


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■7/20(日)~7/25(金)の記事一覧
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2025年7月20日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4561

Re:アランツァワールドガイドVol.12 蛮族都市フーウェイ
・今日配信するのは「アランツァワールドガイド」。
来月第一日曜に配信の、水波流氏のd33シナリオ、『汝、獣となれ人となれ』の舞台となる「蛮族都市フーウェイ」の再配信です。
の、はずでしたが、ゴメンナサイ!
次回は中山将平先生による『クトゥウルウの聖なる邪神殿』になりました!(詳しくは7月21日の記事をご覧ください)
ちょっと登場まで間が空きますが、『汝、獣となれ人となれ』の予習として!
どうぞよろしくお願いいたします。
(葉)


2025年7月21日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4562

真夏のホラー!
・夏です!  夏と言えば、ホラー!
実は1年以上前から、FT書房のメンバーである中山将平氏と「クトゥルフ×ローグライクハーフ」をやりたいと、相談してきました。
アランツァの世界にクトゥルフ的な要素を持ち込んだ「ローグライクハーフ」!
はたして、これがどういう化学反応を示すか!?
作者は、本書房のクトゥルフホラー大好きイラストレーター!
中山将平氏!
予定を変更して、8月の第1日曜日にリリース予定です!
どうぞお見逃しなきよう!
(葉)


2025年7月22日(火) 中山将平 FT新聞 No.4563

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第47回
・『カエルの勇者ケロナイツ』は、カエル人の世界フログワルドを舞台とする中山氏のオリジナル作品です。
その創作の中で見つけたこと、知ったことが書き綴られるこの連載、今回のテーマは「世界地図」。
これまでフログワルドのさまざまな側面が事細かに語られてきたので、地図についても充実したものが作成されている……と思いきや、実はフログワルド全体の世界地図は、まだ用意されていないのです。
「ファンタジーの地図を描くのが大好き」という中山氏が、なぜ、フログワルドの地図をまだ描いていないのか? そして、どのような条件が満たされたときに、世界地図が描かれることになるのか?
創作における、世界の地図を作ることの意味について、皆さんもぜひ一緒に考えてみてください!
(く) 


2025年7月23日(水) ぜろ FT新聞 No.4564

第2回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ
・冒険の目的は、とにかくお祭りを「楽しむ」こと! そんなわくわくするシナリオの描写はお手のもの、ぜろ氏のリプレイ第448回です。
露店巡りを続ける宇宙忍者ポストんと竜人ヨアケ。今回も、魔法陣から出てきそうな謎生物との遭遇から、おパンツのおかげで宇宙忍者活動に支障が出そうなポストん、黄金魚を見つけてテンションMAXのヨアケなど、キャラクターの個性と露店でのできごとが絡み合う展開に目が離せません。
そして迎えた中間イベントその1、突然の乱入者とのバトルの行方は?! ふたり(と黒子)の冒険はまだまだ続きます!
(く)


2025年7月24日(木) 岡和田晃 FT新聞 No.4565

子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』3 
・娘さんと一緒に過ごす時間が飛躍的に伸びた岡和田氏。
それを受けて(?) 今回紹介するものは、『甲竜伝説ヴィルガストRPG』。前回に引き続き、その顛末をつづります。
『甲竜伝説ヴィルガストRPG』に限った話でもないのですがオールドスクールなRPGをプレイしていると、しばしば直面するのが、「ルール面での不備や、言葉足らずな記述をどのように補っていけばいいか」という問題です。
厄介なのは、「基本体力」と「基本HP」、2つのデータが与えられていること。
基本HPに、職業ごとに推奨されている装備を組み合わせた合計のHPを足せばいいのか?
基本体力に基本HPと装備の合計加算HPを加えていくのか?
あなたがゲームマスターだったら、どう運営しますか?
(葉)

(編集部註)
本記事の配信時に一部誤りがありました。
「同作はA5判ながら」→「同作は四六判ながら」
訂正してお詫び申し上げます。


2025年7月25日 (金) 緒方直人 FT新聞 No.4566

機動灼熱追撃日記その4 
・『機動戦士ガンダム』の名作ゲームブック、『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』(山口宏 著 角川書店)
その復刻版に、リプレイの名手、緒方直人氏が追撃(リプレイ)をかけます!
前回、ズゴックA装甲無双のままに完全勝利を遂げたはずの緒方氏。しかし氏はこの戦いに満足してはいなかった!!
更なる熱いバトルを求めて、再プレイではあえて本作最弱MSのデザートザクにその身を投じます。
しかし激闘の果てに見えてきた壁とは、なんとこの作品そのもの!?
好みの辛さを選んで味わうことも勝者の特権。
緒方氏、禁忌ともいうべき再々追撃をかけます!!
(明)


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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(ぜろさん)
東洋夏さん、FT新聞にてリプレイ連載開始、おめでとうございます!
いつかこの日が来るのを待ちわびておりました。ローグライクハーフ界隈を盛り上げている第一人者ですからね。これまでもキャラクターを深掘りする筆致で魅力的な物語を紡いできたことですし、この連載にも期待しています。X上で細切れに見るより読みやすくて嬉しいです(笑)
おどる剣を出すならやりたい組み合わせ、先を越されてしまいました。私もいつかやると思います。
それにしても最近は、FT新聞リプレイが充実してますね。これなら、超多忙な私が消えても……って、いやいや。まだまだ書きたいしプレイしたいので、ともに盛り上げたいと思います。

(お返事:東洋 夏)
ぜろさん、いえ、ぜろ先輩と呼ばせていただくべきでしょうか。お便りを頂戴するばかりか、参戦を歓迎してくださり、嬉しい限りです。
こちらは大先輩とお隣の曜日での掲載ということで、大変ドキドキしております。ぜろさんのような求心力に溢れる文章が書けるようになりたいものですが……。
ともあれ、ローグライクハーフをご一緒に盛り上げていけるならば、幸いなことです。
〈おどる剣〉と少年。この組み合わせは本当に魅力的ですよね! 先に取ってしまってごめんなさい。
しかしこの組み合わせは幾つあっても美味しいと思いますし、ぜろさんの創造されるコンビならばお味は保証されていると申して過言はないでしょう。
いつか剣に導かれた少年たちが出会ったら面白いかも、なんて妄想がすでに膨らんでいるところです。
ぜろさんのファンとして、今後のリプレイも楽しみにお待ちしております。


(くろやなぎさん)
FT新聞で連載中のぜろさんのリプレイを読んでいて、とても楽しそうだったので『竜鍵諸島〜フェスティバルだよ大集合!〜』を購入したのですが、設定資料集がものすごく充実していてびっくりしました!
(設定資料集があると知ってはいたのですが、実際に見ると、キュートなキャラクターたちと詰め込まれた情報量に圧倒されました!)
せっかくのリプレイ連載中の機会に、制作当時のエピソードやお気に入りのキャラクター、あるいはぜろさんのリプレイの中で好きなシーンや設定など、何かありましたらお聞かせいただけるとうれしいです。
ちなみに私は、ちょうど今週のリプレイで登場したキモリコの、設定資料集での愛読書の設定が面白い上にちょっと切なくて大好きです!
(フィクション)って…とか、愛読書なのに自分の本じゃないんかい!とか、あの1枚の絵だけで自分の情緒が忙しくなります…。

(お返事:ぜろ)
感想ありがとうございます。
やや! 私のリプレイで購入を決めていただいたとのこと。とてもとても嬉しいです。オールカラーでイラスト豊富で本当に素敵な作品ですよね。私は別作品(具体的には「龍の王女と大釜の魔女」)から海底キメラさんの挿絵が大好きになっておりますので、おもちゃ箱のように散りばめられたイラスト、挿絵の数々にほんわかした気持ちになりました。その雑多さが良いのですが、雑多がゆえにプレイ中には参照しきれてなくて、今回みたいに独自の解釈で進めたら、後でキャラ違うってことも時々起きておりまして、それはそれで楽しかったりも。
キモリコさん……私はかなり浅いキャラづけしかしていませんでしたが、そうやって読み込んでいくと、性格づけから内心まで伝わってきてかなり深いですね。湿布ドラゴンに捕まっているキモリコさんのイラストを拝見したら、湿布ドラゴン込みでかわいすぎて、これは助けたい!ってなりました。
設定資料集の中では樹人のエッダとジキに心惹かれましたが、本編ではほんの休憩所という感じだったので、もう少し活躍を見たくはありました。あとは相棒候補の脳みそロボ、パリン。あまりといえばあまりの見た目に、「このキャラは相棒にはすまい」と最初に思ってプレイしたのですが、このページをめくるたびに、放たれる異彩と謎の存在感に、後になってじわじわ後ろ髪を引かれるという不思議な感覚に。さすが謎の生命体です。あとキャラクターではないですが、このワールドマップがもう好きで好きで。ワールドマップのマグネットとかTシャツとかトートバッグとか購入してしまいました。休日には竜鍵諸島マップTシャツで活動しています。
制作当時のエピソードといえば……この作品をプレイするにあたって、作品の雰囲気をつかんでいるうちに、「ポストん」というネーミングが急に降ってきたんですよね。カタカナとひらがな混じりのこの混沌としたネーミングが世界観に自然と溶け込めそうに思ったんです。どちらかというと名前を考えるのは苦手な方なので、私には珍しい体験でした。
いけない。思わず長く語りすぎました。続きは次回の本編をお楽しみください。


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2025年7月25日金曜日

機動灼熱追撃日記その4 FT新聞 No.4566

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《機動灼熱追撃日記 その4》

 緒方直人
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前回までで無敵A装甲ズゴックでバトル無双という荒業に丸々乗っかり、安々とゲームクリアをもぎとった筆者。
しかし、ほぼダイスバトル無しで終わってしまったという虚しい勝ち名乗りに、果たして価値はあるのだろうか。
やり場のない憤りに悶え苦しむ大いなる拗らせ野郎、、、もといゲームブック大好きっ子な筆者は、他の機体による別ルートクリアにその一縷の望みを見い出すのであった。


ハイ、それではリスタートです。
やはりズゴックはいかんですよ。強すぎです。チートすぎです。中にジャスティスでも入ってんすか。ちゃんと弾数制限のある実弾武器を使って、ダメージ計算もちゃんとして、本来の設計であるリソース管理ゲームとして楽しんで、それで灼熱の追撃を攻略してやるのです。


そんじゃま、MS選択からやり直しますかね。
今度はデザートザクを選びます。こいつが間違いなく本作で最弱です。ドムはB装甲&最大機動P15に対して、デザートザクはC装甲&最大機動P12ですから。装甲が薄いけど機動性は高いYO! とかですらない。
こいつでクリアができれば、間違いなく灼熱の追撃は完全攻略したと言えるでしょう。再びやぁってやるぜ!


@ジョン・クエスト 熟練P【0】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/10】 近接武器:ヒートホーク


ちなみにジョン君の持ち物が変わってますが、これは選んだMSのコクピット内によっておまけアイテムが異なる仕様のためです。全部調べてから行けばよかったのにね。


さーて攻略ルートはどうすんべっと。
まぁ、おおむね前回プレイのルートが最適解なのは間違いないのでそれを踏襲しますが、どの敵に戦いを仕掛けるか逃げるかは、今回の貧弱C装甲のダメージ量を考慮して変えていくことになるでしょう。
まずは初戦のジムキャノン戦ですが、いきなり逃げます、撤退(汗
ズゴックじゃないのでキャノン砲では普通にダメージ食らいますからね。敵も機動Pが6もあるのでダイス目が8−1じゃないとバズーカ当たりませんからね。すたこらさっさ。


次のバルカンジムでようやく勝ちの目が出てきますので、初戦闘。
敵は紙クズD装甲なのでバズーカ1発がヒットすれば倒せます。それでも敵の機動Pは4もあるので、熟練ゼロのジョン君ではダイス差−4、これはなかなか当たりません。
しかし、ココは初戦。勝てなきゃ勝てるまでリセマラすればいいだけの話です。何度目かの泥仕合の末、ようやく5ターン目でヒットダイスが出て勝利できました。熟練P+2。


@ジョン・クエスト 熟練P【0→2】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/10→5】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/10→5】 近接武器:ヒートホーク


こっちもゴッソリと機動Pが減りましたが、幸いすぐ先にひとつめの補給ポイントがありますのでここで機動Pとバズーカ弾を全回復できます。助かる。
お次の強敵ビーム戦車からの逃亡は変わらず。手持ちのヒートホークをドロップしてしまいますが、先のディックルートの残骸グフから同じものを回収できるので無問題。もちろん高機動バックパックも忘れずにゲット。


@ジョン・クエスト 熟練P【2】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/5→12】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/5→10】 近接武器:ヒートホーク
 高機動バックパック(攻撃&回避P+2)


続いてはガンタンクII戦。コイツは楽勝。満タン機動Pとバックパックのおかげで回避はスイスイ。1発で速攻仕留めました。熟練P+2。


@ジョン・クエスト 熟練P【2→4】 脱出用ランドムーバー
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/12】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/10→9】 近接武器:ヒートホーク
 高機動バックパック(攻撃&回避P+2)


こっからはロベルトとの共闘まで一気に話を進めます。
狂犬バックパックジムはもちろん撤退。続くふたつめの補給ポイントで1発減っただけのバズ弾を補給し、トムルートへ移ってロベルト師匠の立ち回りを学んで熟練P+3。そしてジムキャノンとの一戦です。
ここまで来ればジョン君の熟練Pは7まで上昇。ザクの機動P12とバックパックの+2ボーナスを合わせて、回避Pは計21という高さになってます。こうなれば熟練P8だけの敵攻撃などカスリもしません。ワハハ当たらなければどう(略
結果、こちらのバズーカ判定だけを行い3発きっちりで倒してやりました。熟練P+2。


@ジョン・クエスト 熟練P【4→7→9】 脱出用ランドムーバー スギアンダブウのナイフ
 搭乗MS:デザートザク C装甲 機動P【12/12】
 遠距離武器:バズーカ【弾数10/9→10→7】 近接武器:ヒートホーク
 高機動バックパック(攻撃&回避P+2)


予想以上に順調です。こうなれば欲が出てきました。もうジムスナイパーカスタムへの乗り換えすら無視して、初期ザクのまま完クリまで行けちゃうんじゃなイカ??


ということでククスの街エリミアの進言を無視して初期のデザートザクのままやってきましたゲド要塞。機動Pが12という低さのままですが、どっこい勝算はありますぜい。
ズゴック編ではエリミアの紙切れ通りにダンジョンを最短ルートで突き進みましたが、そんなもの無視して寄り道ルートをくまなく回り切ることで、内部を徘徊している鉄のサソリのザコMS狩りが可能なのは、最初のロケハン時からとっくに下調べ済みだったりするのです。
1度だけダンジョン脱出後の再突入が可能でして、これで計2体のザクグフ(熟練P+6)を余分に狩れます。これに拳闘場でのドムグフ分(熟練P+7)を足せば計13の強化を経て、ジョン君はラスボス戦までになんと熟練P【22】のパワーアップを図れるのでありました。ベンベン。


ということで、ラストバトルの戦況はというと。。。。。。


#クランベリー大佐 熟練P【22】ゲルググキャノン 機動P【16】 
@ジョン・クエスト 熟練P【22】デザートザク 機動P【12】高機動バックパック【+2】


※クランベリーのこうげき!【22+8d=最大30】
※ジョンのかいひ!    【22+12+2=36】


。。。。あ(^皿^)またやってもーた。。。。。


なんてこったい。またしても戦う前からのクリアが鬼確定です。


バズは7発しか残っておらずコレ全弾だけでは倒しきれませんが、弾切れしたらその時は白兵戦に移行できる手が用意されています。機動力の落ちたゲルググなぞ、もはや一方的にタコ殴りでしょう。
例え道中のパンクラチオンでダメージを受けてきてたとしても、ジオニック社製のザクならゲド要塞内の補給物資が使えるために決戦前に強制的に+5回復されます。残り機動Pが1だったとしても最低6までは機動Pが回復して『しまう』ため、結果、回避Pが30を下回ることはどうやってもありえません。


あぁ、どうしてだ。
なんどやり直しても結局こうなっちまう。どうしてこんなことにぃ。うぅ。。。
俺は、、、、俺は男の中の男クランベリー大佐と正々堂々熱いバトルがしたいだけなんだぁぁ!!


熟練Pを増やしすぎだァ? バカいうない、これは読者と作者の真剣勝負なんだぜ。こっちが手ぇ抜いてバランス調整してやる接待プレイに何の価値があるってんだ。。。


いや、最弱デザートザクでもちゃんとクリア可能な設計にしてあったのは間違いなくアッパレ山口宏先生の手腕でしょう。
だがしかし、やはりこの『ジョン側の回避Pだけが後半加速度的にハネ上がっていく「機動P+熟練P」計算ルール』は、ラスボス戦の興を削いでいるのではないでしょうか。
確かにこんな詰め詰めで来なくても、そこそこの雑攻略ルートで熟練Pが16ぐらいになってさえいれば、こちらの攻撃はトントンで届くし、キャノンIIの機動P14にしても回避Pは30到達が容易。つまり、ゲド要塞突入時は9もあれば充分となる。
逃げに逃げまくりの適当なルート選択だったとしてもそれくらいならまぁ溜まるか。結局はその程度のゲーム難易度だったということになるのか。


ちなみにこれをヌルいと断じることはできない。本作はあくまでガンダムという大看板を背負った商業作品。購入してくださった大多数のガンダムファン、そしてゲームブックご新規様であろうお客様にご満足でクリアまで到達していただくための接待低難易度に調整するのは、提供側として当然の義務です。


うん、理解はしたよ。理解はしたけどね。
せっかく俺好みのメカロボゲームブック、拗らせ野郎としてはもう一越えなんとかして楽しみたいのよ。何よりあのロベルトさんとの特殊エンディングをまだ見られてないしぃぃぃ。


こうなったら、、、世界の『ルール』そのものを捻じ曲げるしかないッ!
勝手に俺ルールを採用するのです。ジョン君の回避Pも敵側と同じく「機動P+8面ダイス」に変更して、再々プレイしてみるのでっす。
もちろんそんなことすりゃこちらの回避アップ要素は機体性能だけで頭打ちとなり、ザクの機動P12じゃクランベリー相手じゃ確実にサンドバックは自明の理。かと言って最高機動P18のジムカスタムに乗り換えてきてもそれでもまだダイス差は4もあるし。
いや、それはクランベリー側も同じか。するってーとアレか。結局最後は熟練者同士ノーガードの撃ち合いになるのか。それってんならむしろ装甲の分厚いガンキャノンIIで来た方がダメージ軽減で有利じゃ。。。。。。
おぉ、なんかこれならいい勝負ができそうな気がしてきたZE!!


というわけで延長戦の延長戦。
勝手に味変敢行し、とことんまでしゃぶりつくす気マンマンの灼熱の追撃。3度目の再々挑戦に突入でっす!


∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴
■書誌情報
『機動戦士ガンダム0079 灼熱の追撃』
 著 山口宏
 出版社:角川書店 2025/3/26
 新書 968円(税込)
 Kindle版 949円(税込)

 旧版:
 勁文社(新書) 1986/9/1・絶版
 バンダイ出版(文庫) 1989/10/1・絶版


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2025年7月24日木曜日

子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』3 FT新聞 No.4565

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子どもと遊ぶ『甲竜伝説ヴィルガストRPG』(3)

 岡和田晃
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 『甲竜伝説ヴィルガストRPG』に限った話でもないのですが、オールドスクールなRPGをプレイしていると、しばしば直面するのが、「ルール面での不備や、言葉足らずな記述をどのように補っていけばいいか」という問題です。
 「FT新聞」No.4525においても、本連載第1回への反響として、ポール・ブリッツさんから、「『ヴィルガストRPG』、ルール通りにキャラクターを作成してプレイしようとすると完全にルールが破綻しているとしか思えないのですが、どうやってバランスを取ってプレイしているのですか?! 自分も再トライしたいのでぜひ、そのコツなりハウスルールなりをお教えください。真剣にいってます。」
 とのおたよりをいただきました。
 そうなのです。子どもと遊ぶときも最初にキャラクターメイキングを行うわけですが、その段階で、この作品には、ルール面の根幹部分に疑問符がつくところがあるんです。
 本作はクラス制で、戦士、勇者、狩人、盗賊、魔術師の5つの職業に、異次元界からの旅人、ねこまた、ワーウルフといった種族が用意されています。
 僧侶や司祭に相当するクラスがありませんね。また異次元界からの旅人は異世界往復ファンタジーならではの現実世界からやってきた人間という設定で、戦士のヴァリアントのような感じですので、基本は5つの職業のどれかから選択する、という形になります。
 選んだ職業には、戦士だと「同じ消費体力で2体のモンスターを連続攻撃できる」、「攻撃に成功したとき、一回の戦闘で、一度だけダメージを倍にできる」などといった「特殊能力」があり、これを1つ選ばねばなりません。これは特に引っかかるところはありませんよね。
 「特殊能力」はキャラクターの長所ですが、「くせ」という短所も1つ選ぶ必要があります。勇者だと「モンスター・味方問わず、血を見ると戦意喪失(1ターン休み)」、「影が薄い」などから、1つ選ぶ必要があります。前者を選ぶと、通常のファンタジーRPGの冒険だと、ひたすら戦意喪失して使い物にならなさそうですが、子どもと遊ぶときは流血がらみの演出が避けられていると考えれば、まあ納得もいきましょう。
 厄介なのは、「基本体力」と「基本HP」、2つのデータが与えられていること。
 これが何度読んでも、よくわからないんです! ポール・ブリッツさんのご指摘も、おそらくはこの箇所のことでしょう。
 
 私は小中学生の頃は、ほぼゲームマスター専業に近い形でRPGをプレイしていました。当然、ピアニストが初見で演奏するように、ルールブックを卒読し、プレイヤーと一緒にキャラメイクをしながらルールを習得する、ということも多々やってきました。
 不特定多数を相手にするイベントGMであれば顰蹙ものですが、友人同士での気楽なプレイならば、それも充分「アリ」でしょう。『ヴィルガストRPG』も、それくらいのノリが想定されていると思うのですが……。そうしていると、まず躓くのがこの点なのです。
 
 あらかじめフォローをしておくと、これは『ヴィルガストRPG』がディヴェロップメント不足だと非難したいわけではありません。同作は四六判ながら160ページもの厚さがあって、データブックとして充実しており、読み物としてケイブンシャの大百科シリーズならではの満足感があります。子どもが、暇さえあればルールブックを眺めたくなる気持も、よくわかるんですね。まずはそこを優先した作りになっているのではないでしょうか。
 それに対し、現代のゲームデザインは、データブックとしての厚みを求めるよりも、デザインとしての洗練、誰がプレイしても同じ満足感を与えられるようなシステム的な矛盾を解消したうえで、スリムなダウンサイジングを追究していく方向性を目指すものとなっています。それこそ、基本ルールブックがB5判48pとソロプレイや少人数プレイでのバランス確保に特化した『ローグライクハーフ』なんかが好例だろうと思います。
 
 『ヴィルガストRPG』 で、キャラクターの数値管理は基本的にHPがらみしか存在しません。装備は固有のアクションポイント(AP)やディフェンスポイント(DP)こそ設定されてはいるものの、基本的にはHPがベース。
 それだけなら簡単で、基本HPに、職業ごとに推奨されている装備を組み合わせた合計のHPを足せばいいというわけです。
 戦士の基本HPは3。装備は男性向けと女性向けに分かれており、ひとまず男性向けを選ぶと、鉄のかぶと(加算HP4)、鉄のよろい(加算HP4)、戦士のこて(加算HP2)、鉄の腰アーマー(加算HP2)、戦士の足アーマー(加算HP2)になります。
 あとは盾と武器も選べますが、これは別枠であるため、ひとまず省略。
 HPを合計すると、3+4+4+2+2+2で合計17。これは基本体力の「17」と一致します。どうも、「基本体力」というのは、アーキタイプがわりに、あらかじめ計算値を出してくれているもののようです。
 アーキタイプとは、1からキャラメイクをする代わりに、完成されたサンプルキャラクターのデータを提供し、そこから選ぶだけでゲームができるようにするというものですね。最近のRPGでは珍しくありませんが、『ヴィルガストRPG』が出た1992年時点では、さほどメジャーなものではなかったのです。
 
 ただ、これまで書いたこととは別の解釈もできなくはありません。
 基本体力に基本HPと装備の合計加算HPを加えていく——というもの。そうすると、初期のHPは34ということになります。これなら強そう! ただし、モンスターデータを見ると、このくらいHPがあると、中ボス級になってしまいます。原作ではお馴染み、ルードクレック(紫)という魔法を使える強力な幽霊のHPが35ですから。
 また、本作にはリプレイが付属しており、そこには……。
 
 >ムロボ:オレは基本HPが5で、装備の合計が19だ。だから体力は24だな。
 
 という台詞があり、これを運用の参考にするとしたら、基本HPに基本体力をさらに足す、という解釈は、どうもやりすぎであるようです。
 ただ、ここで悩ましいのが、基本体力と装備の傾向に、大きな落差があることです。以下、それをリストアップしてみます。
 
 戦士:基本体力17、男性用装備と基本HPの合計17、女性用装備と基本HPの合計16
 勇者:基本体力15、男性用装備と基本HPの合計10、女性用装備と基本HPの合計12
 狩人:基本体力15、男性用装備と基本HPの合計13、女性用装備と基本HPの合計11
 盗賊:基本体力19、男性用装備と基本HPの合計14、女性用装備と基本HPの合計12
 魔術師:基本体力21、男性用装備と基本HPの合計12、女性用装備と基本HPの合計7
 
 ——特に盗賊と魔術師の落差が激しいですね。このゲームはHPを消費してベットし(賭ける形で相手と比べ)、勝ったらダメージが入るというシステムなので、女性魔術師の合計HP7というのは、かなり絶望的な数値です。
 
 さて読者の皆さんに質問です。皆さんがGMだったら、どのように運用を行いますか? 公式へのお伺いは立てず(現実的にも不可能です)、必要とあれば、ルールを曲げてもかまいません。
 ただしセッションは、小学3年生の引っ込み思案な女の子との1 on 1での短時間のプレイングを想定するものとします。お子様がいらっしゃらない方は、友人や親戚の子どもや、学童保育でのボランティアなんかで遊ぶシーンを想定してみてください。

 ■書誌情報
 ケイブンシャの大百科別冊
 『甲竜伝説ヴィルガストRPG』
 ゲームデザイン:佐藤俊之(怪兵隊)
 出版社:勁文社
 1992年5月15日・絶版

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2025年7月23日水曜日

第2回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4564

第2回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ

※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。


ぜろです。
ローグライクハーフリプレイ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」をプレイしています。
竜鍵諸島の町マックルーで開催される露店祭のスタンプラリーに参加して、お祭りを楽しんじゃおう、というのが今回の目的です。
一緒にスタンプラリーを巡るのは、竜人の女性ヨアケさん。最初のお店でふたりして見事に酔っぱらい、意気投合しました。
この露店祭、裏ではなにやら不穏な陰謀もあるようですが、そんなこと知ったこっちゃありません。
とにかく祭りを楽しもう、それだけ。
では今回も、露店を巡ってスタンプを集めましょう。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:5/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:6/7 筋力点:4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)


●アタック01-3 ポストんとペットントン

【13 ふれあいペットショップ】

ふれあいペットショップにやってきた。
ここではペットの購入だけでなく、ペットとのふれあいを楽しむことができる。
よその星系から連れて来られた、かわいらしい様々なペットがいるのだ。

いいな。ねこいるかなねこ。ねこねこ。
プレイヤーがねこ大好きなため、私の作成するキャラクターは、必ずねこ好きなのである。

「にゃあ」

いた! ねこだ!
見ると、姿かたちは猫だったが、額に第三の瞳があり、体の各所から触手がうねり出る謎生物だった。

「おお。それに目をつけるとはお目が高い。そちらは惑星グルグルに生息する『ヒッポロ系ニャポーン』です」

うん。ごちそうさま。
美的感覚は人それぞれ。今のがいいっていう人もいるのだろう。
私の趣味には合わなかったけど。
でも、それ以外にもかわいらしいペットはいる。
ウサギっぽいのもいるな。かわいいな。
ちょっとなでてみようかな。

ここで、判定ロールを求められた。
器用ロールとか筋力ロールとかではなくて、単に判定ロールか。
この場合どうすればいいんだっけ。
ここのところのプレイでは見ない処理に、基本ルールを参照した。
すると、サイコロ1個の出目に技量点を加えることがわかった。
特に副能力値に頼ることなく、自身の技量のみでなんとかするということか。

目標値は、4。

私のサイコロの出目は3だったが、技量点を含めれば成功だ。
私は思う存分、ウサギっぽいペットをモフり倒した。

ヨアケの方はといえば、爬虫類系のペットに果敢に挑んでいた。
サイコロの目は6でクリティカル。大成功なので、大満足なふれあいができたのだろう。

モフりと癒しで、2人とも生命点が1点、回復した。

その時店主が、あることに気づいた。

「ポストんさん?! ビビエ氏に特別なパンツを作ってもらった宇宙忍者ポストんさんじゃないですかっ!!?」

なんと店主は、おパンツ同盟の一員であった。
私がビビエ氏からオリジナルのおパンツを作ってもらったことは、同盟の中ではけっこう有名なのだという。

まいったな。これでは宇宙忍者活動に支障が出かねないぞ。
これからは「忍びなれども忍ばない」をモットーに活動するしかないかもしれない。

「ところでおパンツ同盟のよしみで、特別なペットをお見せしたいのですがね」

店主がいい笑顔で顔を近づけてくる。悪意はなさそうだけど、怖い。
ふと、目の端に、さっきモフっていたウサギの食事風景が目に入った。
そのウサギは、口元が十字に裂けるように開いて、餌をもしゃもしゃ食べていた。

う……。判定に失敗したら、アレに食われていたのかも。
なんてやばげなペットばっかり取り扱っているんだ。

私は、特別なペットとのふれあいタイムは辞退し、たわむれ足りなさそうにしているヨアケを呼んで、次へ行くことにした。


●アタック01-4 ポストんと測量三銃士

【21 蛇綱引き】

仮面をつけた3人のフワリミミナガが、私たちの前に立ちふさがった。
思い思いにポージングしている。

「器用の測量士 フワレッドことサフサフ!」
「魔術の測量士 フワブルーことマーフ!」
「幸運の測量士 フワイエローことニーフ!」

「「「我ら、測量三銃士サンバルカン!!! 我らに測れぬ場所はなし!!!」」」

彼らも露店みたいだ。気合の入り方がすごい。
測量士の露店っていったい何をやっているの?

「この測量に用いるコブコブヘビを使って、綱引き勝負だ!」

おお。それは面白そうだ。
しかしそっちは3人、こっちは2人だ。不利じゃない?

「心配ない。勝負は1対1。チャンスは1度」
「挑む相手によって景品は違う」
「サフサフなら黄金魚。マーフなら日桂樹の苗。ニーフなら月クラゲの布だ」

するとヨアケが突如目を輝かせた。

「黄金ギョだよ! 黄金魚!! お・う・ご・ん・ギョ〜〜!! あれ欲しい! あれ取って〜!!」

ヨアケは語彙が少なくなっている。
無理もない。ヨアケが露店祭に参加している目的のひとつが黄金魚の入手。
キャラクタープロフィールのところには、「スタンプラリーの景品である『黄金魚』をゲットする協力をしてくれる」とまで書かれているのだ。
ところが黄金魚ゲットの対戦相手は器用の測量士フワレッド。
筋力キャラのヨアケでは協力できない。ここは器用キャラの私の出番ということになる。

ちょっとちょっと、話が違うよ。
筋力キャラはいないの?

「わ、我らは三銃士なので。四天王になればあるいは」

じゃあ、ヨアケのためにも私が綱引き勝負に参加してやろうじゃないの。

器用ロール!
出目は3。器用点6を加えて9の大成功だ。

「なんという器用さ。君ならすぐにでも測量士になれる!」

その後、しつこく勧誘されたものの、無事に黄金魚をゲットすることができたのだった。
黄金魚を幸せそうになでくり回すヨアケの笑顔が見られたことで、良しとしよう。


●アタック01-5 ポストんと湿布ドラゴン

【中間イベント1 突然の乱入者:湿布ドラゴン】

露店の一角で、大きなざわめきが起きた。
巨大なシルエットが動いているのが見える。

私とヨアケは現場に急行した。

あたりには、薬品の臭いが充満している。
そして湿布だか包帯だかよくわからないものにぐるぐる巻きにされた巨大な…枝?
それが、うごめきまわってあたりの露店を破壊している。
その姿は、ドラゴンのようでもある。

その時、その湿布ドラゴンの方から声が響いた。

「ふはははは。我が名は…キモリコッ!」

それは、マックルーでは比較的有名なお騒がせな人物の名前だった。
イメージ的には、バイキンマンとかドロンボー一味程度のノリだろうか。

「ははは。これこそが私の新作自信作! 薬樹に怪しい薬をしみこませて作ったニューフェイス!」

そして高らかに宣言した。

「さあ、自然の力を見て、己の行いを反省せよ!」

……。
もう、どこから突っ込んでいいのやら。
まず、どこからどう見ても自然の力ではない。歪めているのはそっちだろう。
次に、それを見たところでいったい何を反省せよと言うのか。
キモリコは自然崇拝者ではなさそうだし、主張の軸がまったく見えない。

あ。単に、露店祭が楽しそうだったから、乱入して大騒ぎしたくなっちゃっただけか。
ところで、肝心のキモリコはどこに?
声はすれども姿は見えず。

「あの…だから…できれば、反省した後でいいので…タスケッティ」

見ればキモリコは、湿布ドラゴンにくっついていた。
自ら作った湿布の粘着につかまってしまったらしい。

仕方ない。戦うか。

私とヨアケは武器を構えた。

【湿布ドラゴン レベル5 生命点3 攻撃回数1】

レベル5か。強敵だな。
レベル4と5の間が、戦いやすさの分岐点だ。
レベル5になると、格段に強敵感が増す。
これまでの経験から得た知見だ。

湿布ドラゴンは、0ラウンドに巻きつき攻撃をしてくる。
だが甘い。0ラウンド攻撃は私も持っている。同じ0ラウンド攻撃なら、こちらの方が早い。

私と黒子の飛び道具だ。
そう。このエピソードでは特に説明はしていなかったが、私は従者として黒子を連れている。
普段は影に忍んでいるので存在は見えないが、こういう時にすかさず出てきて不意打ちを行うのだ。
役割は弓兵。私よりも忍者らしい。それが黒子。

私のシュリケンは湿布ドラゴンに見事命中。
黒子は攻撃を外した。
湿布ドラゴンの絡みつきはヨアケに向かう。
ヨアケは戦士キャラの特技【全力防御】をクリティカル成功させ、見事に回避してのけた。

さあ、ここから通常の戦闘ターン。
1ラウンド目に動けるのはヨアケのみだ。
ヨアケはここもクリティカルを出し、サンゴの槍で湿布ドラゴンを串刺しにした。
湿布ドラゴンの残り生命点は1点だ。
しかし途中で逃げることはしないので、残る1点を削り切るまで戦闘は続行する。

湿布ドラゴンの攻撃がヨアケに。
ヨアケは、今度はファンブルを出してダメージを負ってしまった。

2ラウンド。私も接近戦に参戦だ。
私の忍者刀が一瞬で湿布ドラゴンの枝を払い、戦闘は終了した。

さて、残るはキモリコだけど。
粘着湿布から切り離して救出する。
さっき「己の行いを反省せよ」とか言ってたけど……。

「は、反省しましたあ〜〜」

キモリコは、スタコラサッサと逃げサッサ。

宝物判定はできるようなので、一応振ってみた。
結果は、金貨6枚だった。いただいておこう。

次回、露店巡りって楽しい!


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:5→6/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0→6
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復
2 黄金魚

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:6→7→6/7 筋力点:4→3/4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)


■登場人物
ポストん 宇宙忍者。おパンツ大好き。マックルー滞在中に露店祭に参加する。
ヨアケ 竜人の女性。ポストんと一緒に露店祭スタンプラリーの攻略を目指す。
キモリコ マックルーのお騒がせキャラ。祭りに乱入した。
測量三銃士 器用さと魔力と運とで測量を行う測量士たち。

■作品情報
作品名:「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」
著者:ロア・スペイダー
監修:杉本=ヨハネ
原案・設定:海底キメラ


ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946

竜鍵諸島 〜フェスティバルだよ大集合!〜
https://booth.pm/ja/items/5331098
※「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」が収録されています。

本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg


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2025年7月22日火曜日

カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第47回 FT新聞 No.4563

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カエル人が教えてくれたファンタジー創作 第47回
「世界地図」
(中山将平)
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 おはようございます。
 8月10日にサークル出展する大阪でのイベント「TGFF」に行く予定のイラストレーター中山将平です。
 先日コミケに落選してしまったため、夏の新刊2冊はこのイベントにて頒布開始となります。
 ぜひ遊びにお越しいただけましたら。
 なお、僕はFT書房のメンバーとして出展ブースに立っていますので、ぜひお声がけいただけましたら。

 昨日、もしかしたら突然僕の作った「新作ローグライクハーフシナリオ」の話題が出てきたかもしれないですね。
 そのことはまた後日書かせていただけましたら。

 さて、今日は「ファンタジーにおける世界地図」について語ろうと思います。
 ご存知の方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、僕はファンタジーの地図を描くのが大好きです。
 その地図というのは、例えばダンジョンマップであったり、街の俯瞰図であったりします。
 そしてもちろん「ワールドマップ」(世界地図)もその例外ではありません。 
 冒険の舞台となる世界地図は、僕にとってまさに煌めく宝石箱だと言えるものです。
 眺めているだけで幸せな気持ちになります。

 しかしながら、実は僕、自分の「カエル人の創作」において世界地図をまだ用意していないのです。
 「そろそろ考えようか」と最近思いはじめまして、その時はじめて気づきました。
 「まだ世界地図を作っていない」ということが、「僕がどのようにファンタジーが好きか」ということと、深く結びついているようなのです。
 
 今日はこの話題を中心に、ファンタジーの創作について考えたいと思います。
 この記事が、創作を楽しまれている方にとって有意義なものになれば幸いです。
 
◆ 世界地図を描いていないたった一つの理由
 僕がカエル人の世界:フログワルドの全体地図を描いていないたった一つの理由。
 それはズバリ、「世界地図を作るほどシナリオを作ってないから」です。

 考えてみると、当たり前のことかもしれません。
 僕はカエル人TRPGのシナリオを4つ作って友人と遊んでいますが、それは僕にとって十分な量ではなかったのです。
 逆にこのことから、1つ2つのシナリオを遊ぶのに、世界の全体像はそれほど必要ないと分かってきました。
 僕がカエル人の世界について決めていることは、冒険の舞台や主人公の拠点となる村(紫の蓮村「ロータシディア」)以外では、本当に少ないのです。
 「どの種族、どの勢力も、この世界を支配しているわけではない」というくらいのものです。
 
 では、いつ世界地図を作りたい気持ちが満ちるのか。
 それは、ありていに言うと5つ目のシナリオを作ろうと思った時だと感じられました。
 ええ、何を言ってるんだというお話ですよね。
 この、5つ目のシナリオというのにどういう意味があるか、もう少し詳しく見ていきましょう。

◆ 5つ目のシナリオを作る意味
 思うに、一つのTRPGを遊ぶのに、シナリオは5つも必要なのでしょうか。
 いえ、一般的な作品ならばある方が良いと感じますが、自作して友達と遊ぶゲームについて、という意味です。
 遊ぶプレイグループは1つというわけではありません。
 それなら、3つくらいで十分すぎるはずです。
 3つ遊んだら、違うシステムの別の作品を作っても良いわけですし、十分に1つのストーリーを完成できるのではないでしょうか。

 現に、4つのシナリオを作ってはみたものの、最後のシナリオについては1グループとしか遊べていません。
 「ゲームのために集まること」自体が、簡単ではないためと感じます。
 カエル人のTRPGはだいたい本編3時間、感想戦1時間で合計4時間の遊びだと考えていました。
 ほとんどの場合オンラインで遊んでいるとしても、気軽とは言いがたいゲームだと感じています。
 しかも、それぞれに個別で楽しめる資料のようなものも配っていない作品です。
 正直、4つのシナリオすべてに参加してくれた友達がいたこと自体が、奇跡的だと言えるかもしれません。

 そういう状況下で、5つ目のシナリオを考えるというのは、なぜか。
 それは、「1〜3つ目のシナリオと、4つ目以降のシナリオで役割が異なる」からです。
 1〜3つ目のシナリオは、新しいゲームでどんな面白いことが表現できるか、確かめるようなもの。
 つながりはあるものの単発性の高いシナリオで、どれか1作だけを取り出して遊ぶことを想定した作品です。
 4つ目のシナリオは、それとは少し異なる部分を持たせました。
 単発で遊ぶことができるものの、キャンペーンとしての良さが多く表現できるつくりを意識したシナリオです。
 先にまで続く謎のようなものが要素として散りばめられた作品となりました。
 つまり、5作目は4作目を受けて物語を大きく進めていくようなシナリオだということです。
 
 このゲームの世界で表現したい「大きなテーマ」、それを描くために第5シナリオが必要だと感じています。
 特に5つ目くらいになるとキャラクターも成長してきて、できることが多くなるかと。
 その分、物語の中で意味の大きい行動がとれるようになってくることを想定しています。

◆ 世界地図の「有機性の確保」
 以上のような状況が、現在僕に世界地図を作らせようとしています。
 というのも、「本質的にこのゲームで何が得られるのか、何を得たいのか」がはっきりと定まってきたため、それに合わせてどんな世界が前提になっているか分析できたのです。
 
 これが、「僕がどのようにファンタジーが好きか」ということだと感じています。
 僕は、物語やキャラクターの柔軟な表現を中心にファンタジー創作を楽しんでおり、その大筋と矛盾しない世界を求めていた、というわけです。
 これを指して、僕は「有機性の確保」と呼んでいます。
 世界に設定される都市、地形、施設などはどれもただの場所ではないはずです。
 その場所にキャラクターたちが住む都市。
 その場所が冒険の舞台となる地形。
 その場所が歴史を物語り、人物の足跡となる施設。
 つまりは物語と「意味のある因果関係(有機的なつながりがある関係)」を持っている場所と言えるのではないでしょうか。

 僕自身はそう考え、この有機性の確保をできる状況まで全体地図の創作を思いとどまっていたのです。

◆ まとめ
 この記事は僕が感じたこと、学んだことをまとめたものであり、もちろん「具体的に5回目のシナリオから世界地図が必要となる」というようなことは(常には)ないと思います。
 一方で、僕にとってファンタジー創作は1つずつに意味があるものであり、それを欠く状況ではワクワクが減じてしまうことが分かったのです。
 今日は、そのことを記事にしてみました。
 共感していただける方がいらっしゃれば、ぜひご感想にて教えていただけましたら。

 それでは、今日はそろそろこのあたりで。
 よきファンタジー・ライフを。


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2025年7月21日月曜日

真夏のホラー! FT新聞 No.4562

おはようございます、自宅の書斎から杉本です☆
蝉の声が聞こえるなか、原稿を書いています。
キーボードを叩く打刻音とともに世界が遠のき、自分自身の内側へと潜っていく。
気がつけば、静かで満たされた気持ちになっています。


◆ねえ、ホラーやろうよ☆
「30分で遊ぶ1人用TRPG ローグライクハーフ」のシリーズ。
共通世界「アランツァ」を舞台に、これまでに展開してきました。
このローグライクハーフでは、たとえば「SF×ローグライクハーフ」のような、ファンタジーのジャンル以外の展開にも、挑戦してきました。

さて、8月といえば夏。
夏といえば、なんでしょうか?
はい、そこのロア・スペイダーくん!
正解です、ホラーですね!


◆「クトゥルフ×ローグライクハーフ」?
実は1年以上前から、FT書房のメンバーである中山将平と「クトゥルフ×ローグライクハーフ」をやりたいと、相談してきました。
しかしながら、今回は「SF×ローグライクハーフ」のような、ルール部分からの構築ではありません。
どちらかといえば、アランツァの世界にクトゥルフ的な要素を持ち込んだ「ローグライクハーフ」です。
そいつがどうやら、8月の第1日曜日に間に合いそうだというお話です☆


◆もともとはd33シナリオが予定でした☆
8月の第1日曜日はもともと、水波流氏によるd33シナリオを配信する予定になっていました。
水波さんと相談しまして、そこをズラしてもらうこととあいなりました。

中山将平による『クトゥウルウの聖なる邪神殿』です!


◆村サプリメント「末裔村」!
これにともないまして、次の日曜日に配信する記事も差し替えられます。
都市サプリメント……ではなく、拠点となる村のサプリメント「末裔村イシュ・ムス」が登場いたします☆
【新職業】のほうは、今のところ予定がありません★


それではまた!




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2025年7月20日日曜日

Re:アランツァワールドガイドVol.12 蛮族都市フーウェイ FT新聞 No.4561

おはようございます、編集長の水波流です。
今日配信するのは「アランツァワールドガイド」。
来月第一日曜に配信の、私のd33シナリオの舞台となる「蛮族都市フーウェイ」の再配信です。

ラドリド大陸北端のこの地方を書く時、私は北欧やヴァイキングなどをイメージしています。
また文化としてはケルトやスラヴ、ネイティブアメリカンなど、自然と共に暮らす人々が頭に浮かぶのです。
アランツァの他の街との大きな違いは、西洋文明的ではないところとでも言いましょうか。ひとことでは言い表せない精神性や土俗的な奥深さを描ければと思っています。
特に次のd33シナリオでは、自然と信仰が融和している底が知れない雰囲気を感じて頂ければ嬉しいです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■

日差しは決して弱くはないが、雪が深く、しばしば吹雪になる。
ラクダ人であるカメル教授が蛮族都市フーウェイにたどり着いたのは、冬のはじまりの頃だった。
カメル・グラント教授はいま、この大陸を旅してまわっている。
混沌都市ゴーブの城塞めいた堅牢な街壁を見た後であったため、木材でできたこの街の壁はいささか頼りないもののように見えた。


◆街門にて。
狼にも似た〈魔犬獣〉の毛皮をまとった衛兵たちが、カメル・グラントの都市通行証をいぶかしげに眺めている。
外の世界から人が来るのは珍しいことではない。
北の端にあるとはいえ、フーウェイは街である。
しかし、文字が読めない兵士たちには、通行証が本物かどうか、このラクダの獣人を通していいかどうかを、確信をもって判断できないのだ。

結局、兵士たちのリーダーがカメルを通すことに決める。
紳士的なカメルの態度は彼らの価値観にそぐう「立派な大人」ではないが、危険を感じる存在という結論には至らなかったらしい。


◆トレント材の街壁。
門をくぐりながら、珍しい街壁の素材をまじまじと眺める。
衛兵の1人が「トレント材だ」と、いささか誇らしげにつぶやく。
この街の主な外敵のひとつは、動きまわる大きな樹木、〈トレント〉と呼ばれるクリーチャーである。
このクリーチャーから採れたもの(特にトレント樫)を使っているのであれば、石にも似た堅さと燃えづらさを持った街壁といえよう。
しかし……と、カメルは街壁を見渡しながら思う。
街をぐるりと囲む、高い城壁。
そのすべてがトレント樫を素材としているのなら……この街はどれだけの歳月を〈トレント〉たちとの対決に費やし、彼らを狩ってきたのだろう?


◆毛皮でつながった家々。
街といっても大きくはない。
家々は何軒かごとにまとまっており、壁の一部を共有している。
氏族ごとにまとまって生活しているのだ。
壁がつながっているのは、こうすることで暖房の熱が壁づたいに伝わりあい、冬の寒さを軽減する工夫である。
屋根の部分には、木材の上に毛皮が使われている。
つながった家々と毛皮の屋根……火事に弱そうだなと、カメルは思った。


◆想像と異なる人々。
そうはいっても、フーウェイは街である。小さな蛮族の集落とは違う。
「外の人間」との交流はあるし、店屋も開いている。
カメルはメイン通りを歩き、開いている何軒かの店のひとつに入ってみる。
店とはいっても丸太を切って造った小さな家で、床はなくむき出しの地面だが……店屋は店屋である。
汚れた毛皮をはおった店主が、切株を引っこ抜いただけの椅子に座っている。
暗い店内には食料と毛皮などの生活必需品が並んでいる。

別の店に入ってみる。
店がまえに大きな違いはないが、店内には木の枠でピンと張った状態の脱脂した皮や、緑のにおいが残った樹木の幹が転がっている。
〈魔犬獣〉の皮だと、ひと目で分かる。
魔獣皮革だ。


◆魔獣皮革。
〈魔犬獣〉の外見は狼に似ている。大きさもそう変わらない。
発達した犬歯をもち、知能が高い。
{ルビ:よつあし}四足の生きものだが、文化を持つひとつの「種族」である。
掟に従って行動し、契約を守る。
堕落都市ネルドでは、いち市民として街を歩いていたのを覚えている。
それが、皮だけになって、地面がむき出しの店の片隅に転がっているのである。
形容しがたい感情が心を駆けめぐって、カメルはしばしその場にたたずむ。

〈魔犬獣〉や、魔獣と呼ばれる強力な獣たちの皮をはがしてなめすと、魔獣皮革と呼ばれる素材になる。
これが使われている製品は、いわゆる「上モノ」である。
高級品の部類として扱われる、頑丈で長持ちする優秀な製品である。


◆街を歩く人々。
街を歩きながら、目に入る人々をそれとなく観察する。
武器を持った人々が、他の街よりもずっと多い。
皮を使った簡素な衣服をまとい、上半身は裸である。
その上半身には、いろいろな{ルビ:タトゥー}刺青が彫られている。

フーウェイの戦士は、あまり鎧を着ない。
その主な理由は、彼らが持つ「鉄」の力があまり強くないからだと言われている。
領土からはあまり鉄が採れないため、鉄は主に泥炭を燃やすことで獲得される。
ウイスキーの香りつけにも使われるこの泥炭だが、そこから作られる武器は端的に言ってもろく、いい武器とは言えない。

そこで、鎧の代わりに発達したのが刺青文化である。
力のある彫り師が入れた刺青には、彼らが信仰する「獅子顔のセリオン」こと獣神セリオンの力が宿ると考えられている。
しかし、その力を発現するには、自らの肌を露出し、外気にさらさなければならない。
だから、彼らは鎧を脱ぎ捨てて戦うのだ。

そのさまを見た「外の人間」は、彼らを蛮勇の持ち主であるとみなした。
彼らのほうも、それを強く否定をすることはなかった。
そんな風に、カメルは推察した。


◆集団での営み。
街の中央に大きな広場があり、外から来た人々が泊まる宿の他に、石造りの大きな建物がそこに面している。
石の建造物には大きなアーチ型の扉がある……そこは開いていて、中を覗くことができる。
そこでは女性たちが、{ルビ:はたお}機織りをし、動物の皮を縫っている。

男性が集団で狩りを行うように、女性はひとつの大きな建物にまとまって、仕事をする。
それがフーウェイの流儀なのだと、聞いたことがある。
カメルは集団をつぶさに観察する。
女性のなかに男性が少し、混じっている。
これもフーウェイの特徴である。

フーウェイの民は成人するときに、「男」になるか「女」になるかを自分の意思で選ぶ。
「男」「女」という訳がそのまま当てはまるかは言語学的に難しいところだが、勇敢さに自信を持てない男性は、女性とともに手仕事をする人生を選ぶのだ。
「女」の仕事には、他の街であれば男仕事と呼ばれるようなものも含まれる。武器づくりのような鍛治や、荷物の上げ下ろし。
「男」の仕事と呼ばれるものは、命の危険があるものを指しているように見える。狩り。戦い。護衛。冒険者。
「女」であることを選んだ男性は伴侶を見つける上で不利になりそうなものだが、実際にはそこまでの差はない。
女性たちに混じって仕事をするぶん、仲良くなりやすいのだろうか。


◆フーウェイの収穫人。
広場に目を戻すと、狩りから帰ってきたであろう集団が目に入る。
街の衛兵たちの格好と少し異なる、自然に似た服を着た集団だ。
森のなかに溶け込むための服装というのか……上半身は濃い緑色、下半身は茶色の服を着ている。
木の棒を組んで造ったそりに、大きな樹の幹を載せている。
そりで引かれている樹が、うめくような低い声をあげる。
〈トレント〉だ!
地鳴りのようなその声を聞いても、フーウェイの人々は振り返りもしない。

彼らは〈フーウェイの収穫人〉と呼ばれる集団だ。
太古の森から押し寄せてくる「動く植物」と戦い、トレントの身体を生活の糧とする。
〈魔犬獣〉や、ときどき出現する〈巨人〉のような【巨大生物】と戦うための戦士集団とは別に形成された、対植物の専門家である。
フードを目深にかぶり、彼らは他者と目を合わさない。
誰も口をきかず、2人で使う大型のノコギリで、〈トレント〉の身体を寸断していく。
カメルはその手ぎわをしばらく眺めた後に、広場から離れることにした。


◆家畜厩舎。
朝のうちに門をくぐったカメルは、広場で少し時間を費やした後に、反対側の街壁まで歩く。
フーウェイはそれほど大きな街ではない。
街の東の端にたどり着いたのは昼すぎで、厩舎めいた建物がいくつか見える。
馬を飼っている厩舎の横に、奇妙なものが見えた。
鎖でつながれた「切株」が、牧草地に放置されているのだ。
足を止めてよく見ると、切株は少しずつ動いている。
なんだこれは?
ピッチフォークで馬のエサを持ち上げている男を呼び止めて、カメルは尋ねる。

「〈切株トレント〉だよ。〈トレント〉を倒した後で完全に死んでいなかったら、俺らはその身体の根っこを残して、上の部分を切り落とす」

男が言うには、数分の1のサイズになった〈トレント〉は知能が下がり、従順になるのだという。

「すると、根だけになっても、すぐには死なないで何年か生きる。だんだん枯れて、しまいには死んじまうが、それまでは役に立つってわけよ」

男に礼を言って、カメルはもう少し奥まで歩く。
そこにも厩舎がある。
【騎乗生物】を飼っているのだろう……そう思ったカメルは、確認のつもりでその屋根の下を確認した。


◆奴隷厩舎。
それが何なのかを理解するのに、少し時間がかかった。
屋根の下の暗い部分で、何かが動いている。
黒い肌の人間型生物。エルフのように耳が尖っていて、エルフよりもずっと目つきが悪い。
闇エルフだ!
ここは奴隷厩舎なのだ。
ここフーウェイの北西部には「太古の森」と呼ばれる、古い時代から続く森がある。
そこには「動く植物」トレントの他に、邪神を信仰するエルフである闇エルフたちが生息している。
生きたまま捕まった闇エルフは【捕虜】として生かされ、奴隷として飼われるのだ。

カメルは来た道を急ぎ戻る。
先ほどの男が、しかめ面で立っている。
カメルからすると、彼が何も言わないので奥へと進んだのだが……男のほうは単に自分の馬のほうに気がいっていただけだったらしい。
あまりいい行動ではなかったようだ……カメルは軽率な行動を謝ると、足早に「牧場」をあとにする。


◆仕事の後に。
引き返して宿に着くまでに、少しずつあたりが暗くなる。
夜空に星が見える頃、先ほどの石造りの建物の前にやってくる。
カメルの宿に面した広場である。
女性たちの集団が、建物の前の広場に出ている。
広場の中心で焚き火をたき、1人が月に似た楽器(ムーンハープというらしい)を弾いている。
静かな声で残りの女性たちが歌いながら、空へと昇っていく煙を眺めている。

広場に続く道から、男たちの太い歌声が呼応するように返ってくる。
日暮れとともに、狩りから戻ってきたのだろう。
枝にくくりつけられた数匹の〈魔犬獣〉を、皆でかついでいる。
今日の狩り──あるいは戦いと言ったほうがいいのだろうか──は、上々の首尾だったらしい。

宿に入り、2階の個室に上がっても、その心地よい音楽は鳴り続けていた。
カメルはその旋律と歌声を、焚き火の前で笑い合う人々を、部屋の窓からずっと眺めていた。


◆その他の話。
毛皮などの動物素材と石材を中心とした独自の文化は、より南方の都市民に「野蛮」との印象を与え、未開の部族のように思われることもある。
しかしながら、実際の彼らは(我々の基準とは違うものの)おしゃれ好きで、戦闘や鍛冶のみならず、航海術や占星術に発達した洗練された部族である。

彼らは集団で行動するが、それはひとつには厳しい寒冷地方に住んでいるためである。
日中の燃料消費を抑えるための最適な方法は、個別に暮らさないことだ。
街にはいくつかの部族がまとまって暮らしている。
とはいえ、そのすべてが集団行動を行うわけではない点にも注意が必要だ。
店を営む者や、少人数で行う仕事をなりわいとする者たちもいるのである。


◆北方の2つの街。
エドワルド・フォン・ハルト3世は「ドラゴンごろし」の異名を持つエドワルド・フォン・ハルト1世の孫である。
しかしながら、フーウェイの統治は世襲ではない。
1世が実力でこの街のリーダー(「長」と呼ばれる)の地位を勝ち取ったように、3世もまた戦いのなかで周囲に認められ、長となった。
フーウェイのなかでも彼らハルトの一族は代々、特に武勇に秀でていた。
エドワルド1世がこの街の長となるずっと前に、彼の先祖の一部はフーウェイの街を出て、危険なスォードヘイルの雪山を越え、新たな街をつくった。
街は北方都市サン・サレンと呼ばれた。
サン・サレンは「聖なるサレン」という意味であり、サレンという名称は彼らが信仰する獅子の顔を持つ神、獣神セリオンを由来とすると言われている。


◆旅は続く。
翌朝早くにカメルは街を出る。
西の端にあるハルト川に面した港から、船旅をはじめるのだ。
盗賊都市ネグラレーナへと向けて。


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↓「アランツァ:ラドリド大陸地図」by 中山将平
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2025年7月19日土曜日

FT新聞1ウィーク! 第649号 FT新聞 No.4560

From:水波流
『吾輩は猫である』を読み終わり、藤田和日郎『三日月よ、怪物と踊れ』を手に取って、ふと自分が好きなものってだいたいこの時代(1900年代前半)が舞台なんだなぁと。そう思っていると『八雲百怪異聞』に漱石とメアリー・シェリーが登場し、リンクしている感覚。(怪物と踊れ、の主人公がフランケンシュタインの作者であるメアリー・シェリーなのです)

from:葉山海月
「見える人」に「つかれているの?」と聞かれる。
オカルトとは無縁の生活を送ってきた私に、何か悪霊が!?
聞き返してみると「疲れているの?」ということでした!
そう、つかれているのよ……

from:くろやなぎ
遅ればせながら、火呂居美智氏の『幽霊屋敷の果実酒』(7/6配信)をプレイしました。
詳細については、火呂居氏からのお返事と合わせて、下のコーナーでご覧いただければと思います。
ゲームブック的な歯ごたえもあり、攻略までの試行錯誤が楽しめるシナリオだと思いますので、未プレイの方はぜひいちど遊んでみてください。プレイされた皆さんからのご感想もお待ちしてます!


さて土曜日は一週間を振り返るまとめの日なので、今週の記事をご紹介します。
紹介文の執筆者は、以下の通りです。
(葉)=葉山海月
(く)=くろやなぎ
(天)=天狗ろむ


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■7/13(日)~7/18(金)の記事一覧
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2025年7月13日(日) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4554

アランツァクリーチャー事典 Vol.18
・本日は日曜日。ローグライクハーフ関連記事をお送りいたします。
アランツァクリーチャー事典の第18回、今回のジャンルは『動物』!
ラインナップは、「人喰い」の代名詞、トラなどオーソドックスなものから、殺人リスというとんでもないものまで!
先月に引続き、後編となります。
どうぞお楽しみ下さいませ。
(葉)


2025年7月14日(月) 杉本=ヨハネ FT新聞 No.4555

旅に出ません! 
・スペインに行かなかったご報告を、最初にします。
から騒ぎでおしまいとなりました、すみません。
その件と、夏の新作ですが、通販ページができました! というお話です。
どうぞよろしくお願いいたします。
(葉)


2025年7月15日(火) 田林洋一 FT新聞 No.4556

『スーパーアドベンチャーゲームがよくわかる本』 vol.5  
・田林洋一氏による、1980年代半ばから1992年の間に東京創元社から刊行された「スーパーアドベンチャーゲーム(SAGB)」の一連のゲームブックの解説記事です!
今回は日本のゲームブック界(及びTRPG)をリードしてきた安田均氏とTTGによる「デュマレスト・ゲームブック」2作品を主に扱います。
E・C・タブのSF小説を原作とした「デュマレスト・ゲームブック」は、原作を元にした小説的な雰囲気をふんだんに持たせてキャラクターを確立させる一方、移動は単方向で海外の雰囲気も併せ持っています。
小説を基にした圧倒的な背景世界の広がりと、「読ませる」文章、物語を主体とした本作の魅力に迫ります。
(葉)


2025年7月16日(水) ぜろ FT新聞 No.4557

第1回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ
・コミカルでちょっとシュールな竜鍵諸島のシナリオと相性抜群、軽妙な語り口でおなじみ、ぜろ氏のリプレイ第447回です。
前回までの冒険で、とっても素敵だけどすっごく不便なおパンツを手に入れた宇宙忍者ポストん。
このおパンツをどうしたものかと思いながら竜鍵諸島に滞在を続けていたところ、露店祭でのスタンプラリーの企画が目に入ります。
せっかくの機会を目いっぱい楽しもうと決めたポストん、そして新たな相棒・ヨアケ。2人が最初に入った露店では、さっそくハードな「バトル」をすることに…?!
再び始まる奇妙な冒険に、どうぞお付き合いよろしくお願いいたします。
(く)


2025年7月17日(木) 東洋夏 FT新聞 No.4558

ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.1
・X(旧Twitter)にて意欲的にリプレイ執筆中であり、生き生きとしたキャラクターたちが魅力的な、東洋夏氏による「写身の殺人者」リプレイが満を持してFT新聞に登場です!
一人目の主人公は齢十二の少年・シグナス。
厳格な聖騎士サー・ノックスに仕える従騎士……騎士見習いです。
そして二人目の主人公は、何と剣型ゴーレム「おどる剣」クロ!
少し弱気ながらも、騎士の素質を垣間見せる少年と、彼を導く不思議な剣。
王道ファンタジーな組み合わせに胸が高鳴る中、彼らが挑むはサン・サレンの街で起きている奇妙な殺人事件。
——自分自身に殺される夢を見た者が、その後本当に殺されてしまうのだという……。
しかし少年シグナスは、冒頭から騎士の沽券にかかわる大ピンチを迎えてしまったようで……!?
好評発売中であるローグライクハーフd66シナリオ「廃城の秘宝」に登場した、ファンメイドリプレイ出身のキャラクター、
ソール・オ・リエンス氏の生みの親でもある東洋夏氏による、世界観への解像度の高さに支えられた鮮やかな筆致で紡がれる新たな冒険譚の幕開けを見逃すなかれ!
(天)


2025年7月18日(金) けいねむ FT新聞 No.4559

モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション・レポート
・6月に開催された「モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション」で運営スタッフ兼GMを務められた、けいねむ氏によるコンベンションのレポートです。
ラヴクラフト・ヴァリアント2nd、ケン・セント・アンドレ作品、そしてオリジナルシナリオと、個性ある3つの卓すべてがトラブルなく完走となり、ベテランプレイヤーの方も実プレイが初めてという方も、参加者の皆さんが笑顔で楽しめるコンベンションとなったようです。
9/28(日)には、「遊びやすさ」と「交流の深さ」に磨きをかけて、第2回のコンベンションが開催されます。FT書房からのゲスト参加も含め、企画と準備が進行中ですので、詳細の発表までしばしお待ちください!
(く)


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■今週の読者様の声のご紹介
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ひとことアンケートへのご意見をご紹介します。
紙面の都合で、一部省略させていただくかも知れませんが何とぞご了承くださいませ。
すべてのお便りは編集部が目を通し、執筆者に転送しておりますので、いろんなご意見やご感想をぜひお送り下さい。

↓↓

(ジャラル アフサラールさん)
緒方さんはズゴックですか。私は「当たらなければどうという事はない。」という赤い彗星の名言に従い機動ポイントの高いデザートザク選んだ覚えがあります。でも結構ボロボロで機体乗り換えた覚えが(笑)
『灼熱の追撃』ネット読むと意外に(笑)ズゴックでプレイした人多いようで、デザートザクの私は少数派? 
あと今更ながらロベルトさんはZガンダムのチョビ髭の人だったと確認しました。シャアとは一年戦争時から部下で確か戦後逃げ延びたアクシズで再会していましたね。『灼熱の追撃』からどう生き延びてアクシズに逃げおおせたのか興味深いです。

(お返事:緒方直人)
ジャラルさん、お便りありがとうございます。
ズゴック固いですからね。バルカンもキャノンも跳ね返すとなればそりゃ楽でしょう。でも私もデザートザクによるロマンプレイもしっかりやりましたので、あとでそちらの攻略もどうぞお楽しみに。しっかしデザートの上位機体のはずのトロピカルドムがノーマルドムより機動P低しってのはどうだったんでしょうね。結局使いませんでしたよ。
ロベルトさんもいいゲストキャラでしたね。もちろん正史扱いではないでしょうが想像するのは自由です。きっとジョン坊やも連れてクワトロ中尉らとチームを組んでた時期もあったのではないでしょうか。


(ヴェルサリウス28世さん)
>FT新聞1ウィーク! 第648号 FT新聞 No.4553
>Q
この馬券を買うか買わないか迷っているあなたに、女の子二人組の妖精さんが出てきました。
女1はにこにこと黙ったまま。
女2は「この人は『馬券は買うな』っていいたいのよ! もちろんあたしは幸運の女神!」
どちらかが天使でどちらかが悪魔です。
どちらも予知ができます。
ただ、女神は正しいことしかいいませんし、悪魔は逆に嘘しかいいません。
さて、あなたはどうすればいいでしょう?
いくつかの仮定を置きましょう。
・妖精であることと「天使」「悪魔」「女神」は両立可(悪魔妖精と女神妖精がいる。女神妖精の別名が天使妖精。)。
・「天使」と「女神」は同義。悪魔と女神は両立しない。
・天使も悪魔も、馬券が当たるなら買え、当たらないなら買うなと言う。「悪魔なら外れた方が嬉しいから『買え』と認識して『買うな』と言う」、「天使なら賭博を嫌って当たろうが外れようが『買うな』と言う」といったことはしない。
・天使も悪魔も、発言意向と発言は一致する。つまり、悪魔が「馬券は当たらない」と予知したときは「馬券は買え」と「言いたい」こととする。「『馬券は買うな』と『言いたい』けど、私は悪魔なので実際には『馬券は買え』と言う」ことはない。要するに女2の発言は「女1は『馬券は買うな』と言う」と同義。
さて。女2が天使だとする。後半の「あたしは幸運の女神」は真。「女1は『馬券は買うな』と言う」も真。悪魔が「馬券は買うな」と言うのだから、馬券は買うべき。
次に女2が悪魔だとする。「あたしは幸運の女神」は偽。「女1は『馬券は買うな』と言う」も偽。女1は天使で、実際は「馬券は買え」と言うのだから、馬券は買うべき。
悪魔が「馬券は買うな」と言うか。当たりと予知したとき、悪魔は「馬券は買え」と認識し、「馬券は買うな」と発言する。
外れと予知したとき、「馬券は買うな」と認識し、「馬券は買え」と発言する。
天使は当たりと予知したら「買え」、外れと予知したら「買うな」と言う。
「天使も悪魔も、当たりはずれ関係なく、馬券は「買え」というはず。」とは言えませんね。
あと、古い話ですけど「グスタフ3世のコーヒー実験」って史実だったらしいじゃないですか。それならそうと言ってくれれば。
スウェーデン国王グスタフ3世(在位1771〜1792)は、一卵性双生児の死刑囚を終身刑に減刑し、1人はポット3杯のコーヒーを、別の1人はポット3杯の茶を、死ぬまで毎日飲むこととされた。監督者である2人の医師は実験中に死亡し、グスタフ3世も実験結果を見ることなく1792年に46歳で暗殺された。先に死んだのは茶を飲んだ囚人であり83歳まで生きた。コーヒーを飲んだ囚人がいつ死亡したかは不明である。

(お返事:葉山海月)
お返事ありがとうございます。
毎回私のくだらないなぞなぞに付き合っていただき、ありがとうございます!
あらら! これは申し訳ございません!
私のエライうっかりです!
まったく、ヴェルサリウス28世さんの言う通りです。
まぁ、この暑さが見せた真夏の夜のマボロシと思っていただければ!
「グスタフ3世のコーヒー実験」もスミマセヌ! つい忙しくて忘れていました。
ごめんなさい!My bad!


(くろやなぎさん)
FT新聞の新人編集部員のくろやなぎと申します。遅ればせながら、『幽霊屋敷の果実酒』をプレイしました。
d66の出目と判定ロールの出目に翻弄され続け、1回目の冒険で最終イベントまでにめくったマップタイルは18枚。しかも40番台以降の割合がやたらと高く、「何枚めくったら最終イベント」方式のシナリオではなかなか経験できない、山あり谷ありの長く充実した冒険になりました!
苦労の末にようやく果実酒の材料を3つ入手したと思ったら、そのうちの2つについて「混ぜると××××××を××」という情報があったことに気付いて頭を抱えたことも。
ボロボロになった状態で迎えた60番台のできごとで、祈りながら振った反応表で1(何もしない)が出たときは、「ローグライクハーフで、こんなにうれしい「1」が出たのは初めてだ…!」と感動しました。
そんなこんなで、何とか集めた良さげな材料たちを抱えて屋敷から脱出しようとしたのですが、最終イベントでは………。
ゲームブック的なテイストもあり、不幸にしてロストになったときも、つぎの戦略を立てて試行錯誤する楽しみがある、とても面白いシナリオだと思います。つぎは副能力値が×××の主人公で、武器の特性は××にして再挑戦します!

(FT新聞の読者のみなさまへ:一部、ネタバレ回避のため×印や……で伏せた箇所がありますが、火呂居氏には伏せた内容もお伝えしました!)

(お返事:火呂居美智)
くろやなぎさん、「幽霊屋敷の果実酒」を遊んでいただきありがとうございます。変わった趣向のシナリオのため、難易度がどうかなぁと思っていましたが、一回目の冒険で18枚もめくることになりましたか……ロストしてしまい残念です。しかしながら面白いシナリオを感じていただき、良かったです。ぜひ再チャレンジしていたたき、エピローグまで読んでいただけたらと思います。
また、FT新聞の編集部員に加わられたとのこと。今後関わりがありましたら、その時はよろしくお願いします。


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2025年7月18日金曜日

モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション・レポート FT新聞 No.4559

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モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション・レポート

けいねむ
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こんにちは、モンスター!モンスター!TRPGファンのけいねむです。去る6月1日(日)に名古屋市中区で開催された「モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション」(以下、M!M!オンリーコン)の運営スタッフ兼 GM を務めました。
本稿では当日の流れを振り返りつつ、その内容と今後の予定を皆様に共有したいと思います。また、大変好評に終わったコンベンションですので、記事最後に告知を致しますが今年9月ごろ第二回を開催したいと思っています。

■M!M!オンリーコン開催までの経緯
岐阜県を中心にTRPG会を主催しているK-SANと学生時代に共に活動していた私、けいねむが昨年末に24年ぶりに再会して「モンスター!モンスター!TRPG」を遊んだ際にK-SANより「次は伏見さんを呼んでコンベンションを開こう!」と発案があり、お互い過去にそれぞれのグループでコンベンションを主催していたこともあり開催に至りました。

■コンベンション概要
開催日程:2025/6/1(日)
会場:愛知県名古屋市中区新栄2丁目1−4 アソルティ新栄2階
開催時間:9時30分〜16時30分予定
プレイヤー定員:15名 予約制
参加費:500円
主催:K-SAN(@KarueK) 協力:トロール洞

・会場タイムスケジュール予定
09:30 開場・ルール講習会/10:00 開会式/11:00 キャラ作成&昼食/12:00 セッション開始/16:30 GMトーク・閉会式

■卓紹介
- 伏見健二 卓『ドウィンドレッドメン〜坑道に潜む恐怖』〈ラヴクラフト・ヴァリアント2nd〉
1925年、英国の田舎町を調査に行った女性記者が消息を断った。彼女を探しに行った一行は、狂気にとらわれた街へ足を踏み入れる。「最も古いクトゥルフ神話RPG」ラヴクラフト・ヴァリアントの最新版を体験しましょう。ルールは簡単で、ゲームを進めながら説明いたします。

- けいねむ 卓『The Gauntlet of Doom』〈ケン・セント・アンドレ作品〉
障害物競争と書いて「デストラップ・ダンジョン」とルビを振るT&T系ゲーム伝統ともいえるダンジョンシナリオを軽量化したものです。猫の女神の観戦の元、ガクサーン市の支配者の座を賞品に毎年行われるこの競技にスラム街で兄弟同然に育ってきた君たちは自分たちと弟/妹分を救う為に参加する形でゲームは始まります。

- K-SAN 卓『エヂプト冥界行』〈オリジナルシナリオ〉
世話になった恩ある女神さまが戦の女神に斬られてしまった!女神様の魂を救うため君たちはエヂプトの地獄、冥界ドゥアトへと旅に出る、神話的冒険譚。モンスター!モンスター!TRPGの楽しみ易く豪快なルールと神様が息づく世界を感じられるシナリオです。

■来場者への配布物:
・Thomas H. Pugh著/岡和田晃訳『名古屋を覆う影』・M!M!TRPGルールサマリー・ラヴクラフト・ヴァリアント2ndルールサマリー・冒険点記録シート

- 今回、M!M!オンリーコンを行う旨をFacebook上の海外M!M!TRPGファングループに投稿した際、ラヴクラフト・ヴァリアント2ndの作者であるThomas H. Pughさんより「私にも何か協力させて貰えるだろうか?」とのお声がけを頂き、ラヴクラフト・ヴァリアントとM!M!の小サプリメントとなる『名古屋を覆う影』を作成頂き、岡和田晃さんの翻訳とDON-CHANGさんのイラストにより日本語版にて配布することが出来ました。
Thomas H. Pughさんとその作品については、下記にコンベンションで配布したものと同じ紹介資料を用意しましたので、ぜひご一読下さい。

https://ftbooks.xyz/ftnews/article/Thomas_H._Pugh.pdf

■各卓のプレイの様子(セッション終了後のGMトーク&来場者アンケートより要約)
・伏見健二卓
GMより:どのPCもキャラクターが濃くて、笑いながらもスリル満点で、GMとしては結構、一人くらいは死傷者出るつもりで臨みましたが、皆さんバリバリDARO出してしまって、無事にハッピーエンドになりました。
PLより:コミカルでパルプフィクション的で、でもちゃんとしたホラーなセッションでした。探索し甲斐のあるストーリーが良かったです。

・けいねむ卓
GMより:今回はM!M!TRPGはT&Tより続く「現役のオールド・スクールRPG」という点を重点的に体験して頂こうとこのシナリオを選びました。が、プレイヤーの皆様が古強者すぎて上手く行き過ぎました。時間が前倒ししたことも相まって、予定時間より大幅に早く終わってしまいました。
PLより:一つ間違うと死んでしまう緊張感がありながらも、GMのマスタリングと同卓頂いたPLの想像力やプレイングの巧みさも相まってベストに近い結果になったと思います。

・K-SAN卓
GMより:神話というジャンルの相似点を利用して、エジプト神話と日本神話をミックスして、PLさん達に予想を立てやすくするようなシナリオにしました。皆さんさくさく進めて頂けて、満足いただけたと思います。
PLより:初めてなのに既視感のある流れによって、ストーリーのテンポがとても良く、戦闘のバランスも非常に優れていて非常に良かったです。

■当日の四方山話
・本コンベンション運営スタッフは共にDiscordサーバー「トロール洞」のメンバーでしたので、コンベンション当日に開場30分前に配布物作成と開場設営準備の有志ボランティアをDiscordで募った結果、ほぼ全員が開場30分前に来てしまって、それ以外の来場者の方も早めに来て頂けた結果、スケジュールの全ての予定を30分繰り上げとなる形になりました。

・M!M!TRPGのみを行うコンベンションはまだ前例が少なく、ルールに不慣れな方の為にルール講習会の時間を取ったものの、半分近くは社会思想社T&Tの時代からプレイしていて今現在も「モンスター!モンスター!TRPG」の情報を集めておられる方が参加、講習会後には「必要あった?」との冗談も飛びましたがそれぞれの卓でベテランプレイヤーが不慣れな方をサポートされる光景が見られました。

■良かった点(アンケートより抜粋)
・初の M!M! 実プレイを体験できた。
・共通システムのオンリーイベントで認識齟齬が少なかった。
・伏見氏の GM 技量と最新ラヴクラフト・ヴァリアントを堪能。
・全卓立卓で笑顔のまま終了。
・シナリオや配布小冊子がとても良かった。

■課題点・次回での改善策(アンケートより抜粋)
1. 会場案内不足
- 入口掲示が小さく、迷う参加者が発生 → 事前案内メールのみでは不十分。次回は会場入り口にチラシを貼り付け掲示したい
2. 卓間の音漏れ
- 隣卓の歓声で聞き取りづらい場面があった → 次回は卓間の距離を充分にとり配置したい。
3. 参加者横断の交流機会が少ない
- 卓固定で終日進行したため、卓を超えた交流が不足。次回はフリートークなど卓外でも交流要素のある時間を作りたい。

■おわりに
M!M! オンリーコンは全卓立卓・全卓完走・トラブルゼロという成果を収め、終了後の参加者アンケートでも 提出頂けた方全員が「また参加したい/参加を検討したい」と回答して頂きました。来場された方全てに満足頂き成功した手応えがあります。とはいえ会場導線や卓間環境など運営面の磨き込み余地はまだまだ大きいと感じました。
次回の開催では、本稿で挙げた改善策を実装し、「遊びやすさ」と「交流の深さ」を両立させたいと思います。ご協力・ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。また秋に皆様と卓を囲める日を楽しみにしています!

■次回日程とおしらせ
第二回「モンスター!モンスター!TRPGオンリーコンベンション」(仮)は会場を変更し9月28日(日)に開催致します。ゲストとして杉本=ヨハネさん、中山将平さんのお二人をお招きして開催を予定しております。現在企画と準備を進めておりますので近日中に詳細な告知を行えると思います。

また本記事はどうしても運営スタッフ目線からしか書けませんでしたので、今回M!M!オンリーコンに参加された方のご感想などを短文でも結構ですので下記のFT新聞へのお便りや、あるいは記事を投稿頂いて参加者側から見たコンベンションの様子を共有頂けると非常に助かります。
https://ftbooks.xyz/ftshinbun/report

最後に、この記事でも頻出した『モンスター!モンスター!TRPG』と『トンネルズ&トロールズ』の話題を専門に扱うDiscordコミュニティ「トロール洞」では常時メンバーを募集しております!
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2025年7月17日木曜日

ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイvol.1 FT新聞 No.4558

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ローグライクハーフ『写身の殺人者』リプレイ vol.1

 (東洋 夏)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■
 
 FT新聞をお読みの皆様、こんにちは!
 東洋 夏(とうよう なつ)と申します。
 このたび木曜日の枠をしばし頂戴し、僭越ながらローグライクハーフのリプレイ小説を連載させていただきます。
 いちファンの拙い作ではございますが、最後まで楽しんでいただけましたら幸いです。
 
 まず「お前は何者だ!」と思われる方も多いかと存じますので、少しだけ自己紹介とローグライクハーフへの想いを挟ませていただきます。
 
 私はローグライクハーフで初めてTRPGに触れました。
 ダイス目によって、主人公の人となりが垣間見える瞬間。
 ランダムであるからこそ、思わぬ主人公の「主張」がプレイヤーに伝わってくる感覚。
 コントロールできない要素があるために、ひとりで遊んでいるのに主人公が横にいてくれるような、一緒に戦ってくれているような息遣いがする。
 そんな不思議な遊びがあるなんて、驚きでした。
 リプレイを小説仕立てにしたのは、そうやって綺羅星のように命を輝かせた誰かがラドリド大陸に確かにいたことを書き留めたかったからです。
 また、リプレイを皆様に共有して楽しんでもらえるというのも、個人的には斬新な経験でした。d66システムのランダム性ゆえに、同じシナリオでもプレイヤー毎に全く違う物語が描かれていく構造であること。これが、シナリオのネタバレ前提であったとしてもリプレイを楽しめる、ローグライクハーフ全体の大きな強みだと認識しています。
 今まではX(旧Twitter)で11作ほど発表してまいりましたが、折角FT新聞さんが読者にも門戸を開いてくださっているなら、胸をお借りするつもりで挑戦してみようと思った次第です。
 
 さあ、本題に入りましょう。
 今回はサン・サレンが舞台のd33シナリオ『写身の殺人者』に挑戦します。
 製本版『雪剣の頂 勇者の轍』に収録された、サン・サレン四部作のひとつです。
 
 私のプレイスタイルは、プレイヤーひとりで主人公ふたりを操る冒険。
 これまではX(旧Twitter)でシリーズ物のリプレイを発表してきましたが、FT新聞では初めての掲載となりますので、新たに主人公を準備しました。
 折角なので、これまでにFT新聞で掲載された諸先輩方のリプレイには登場しない組み合わせにしてみます。
 
 ひとりはロング・ナリクの従騎士シグナス。
 立派な聖騎士を目指して修行中の十二歳の少年です。
 まだ半人前ですので、いっぱしの冒険者と肩を並べることはできません。
 そこで横紙破りではありますが、「レベル7=初期経験点7」からのスタートとします。
 
 もうひとりはサプリメント:ヒーローズオブダークネス(HoD)で紹介された種族〈おどる剣〉を採用します。
 〈おどる剣〉というのは意思を持つゴーレムの一種で、種族名の通り剣の姿をしています。
 空中を飛んで相手を斬りつけるなんて芸当もできる、攻撃に特化した魔法の剣なのです。
 名前はクロ。シグナスの体格に合わせて、小ぶりな剣の姿をしています。
 心根の真っすぐな少年と、少年を導く不思議な剣。
 これぞファンタジーという組み合わせだと思います。
 さて、どんな冒険を見せてくれますでしょうか。
 
 ※ヒーローズオブダークネス(HoD)についてはこちらをご参照ください。
 https://ftbooks.xyz:443/ftwiki/index.php?%E3%83%92%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%8D%E3%82%B9
 
 ふたりのステータスは後にご覧いただくとして、まず今回はプロローグをお届けします。
 なお、リプレイの性質上シナリオの根幹に触れます。
 ネタバレとなりますので、避けたい方はそっと閉じていただけましたら幸いです。
 
 前口上はこれでおしまい。
 さあ、スォードヘイル山脈を見晴るかすサン・サレンへ旅立つと致しましょう!
 
 ◇
 
 [プロローグ/従騎士、おねしょする]
 
 シグナスは、ショックを受けていた。
 十二歳にもなって寝小便をしてしまったからである。ランタンを掲げて眺めれば、藁を詰めたシーツの上に、しっとりとしたラドリド大陸の地図が出来ていた。
 「クロ、どうしよう。サー・ノックスに愛想を尽かされてしまうかも」
 顔面蒼白、今にも泣き出しそうなシグナスの、腰の辺りから返事が聞こえる。
 「さあなあ。ま、最善策はとっとと洗濯係をつかまえて、誠心誠意、お願いすることだ。朝一で洗ってください、とな。もう夜は明けているぞ」
 「うん」
 「あ、いかん。その前に着替えだ、着替え! オレが腰に下がってることを忘れるなよ。びしょ濡れのズボンすれすれで揺られて行くのは、ごめんだからな」
 慌ててシグナス少年はズボンを脱ぎ捨て、道具袋の中から替えを引っ張り出した。幸いにもお仕えしたサー・ノックスはお金持ちで、しかも服や布地を商っている家の長男だから、装束に関しては従騎士にも気前よく分け与えてくれる。あんまり汚いものを着ていると、家の名に傷がつくから。
 (でも本当は、僕が粗相するかもって思われてたのかな)
 そう考えると、じんわりと涙がにじんできた。厳格なサー・ノックスは、いかにシグナスが子供であっても、躾には妥協がない。失望されたら孤児院に逆戻りかもしれないと、身震いする。金牛の丘の孤児院は良い人ばっかりだったけれど、サー・ノックスが仰るには「将来の見通し」に関しては悪いところなのだそうだ。
 清潔な生成りのスボンに履き替えて剣を吊り下げると、
 「なあ、まさか相棒。お前、例の悪夢を見たんじゃないだろうな。オレは〈剣〉になって以来、とんと夢なぞ見ないからわからないが」
 シグナスは腰の辺りを見下ろした。そこに佩いた剣の柄に、まん丸い一つ目が開いている。ぱちぱちと瞬きする様子が人間くさい。
 「どうなんだ」
 先程からシグナスに話しかけているのは、その剣である。剣と言っても、短剣に毛が生えたような中途半端な長さのもので、十二歳の腕には丁度いいが、大人に持たせたら忌々しい顔をされるだろうな、と想像出来るような剣である。
 彼は──剣のことだが──その名も〈おどる剣〉という種族に分類される存在だ。一般的にチャマイ製のゴーレムだが、シグナスに「クロ」と呼ばれるこの彼は、〈元・人間で現・おどる剣〉だと主張している。何でも人間だった頃の記憶があるとかなんとか。シグナスはちょっぴり疑わしいと思っている。
 「速やかな返答は義務のひとつだ、シグナス」
 サー・ノックスの真似をして、剣のクロが偉そうに言った。
 「見たよ」
 シグナスは口を尖らせる。強がっていないと怖いのだ。ほかの感情を詰め込んで追い出しておかないと、たちまち悪夢を思い出してしまう。自分に殺される夢を。
 「一大事じゃないか! おねしょより深刻な!」
 「言わないでったら」
 「どっちをだ」
 「どっちも!」
 シグナスは鼻をすすった。
 今、このサン・サレンの街では、奇妙な連続殺人事件が起こっている。被害者はまず自分に殺される夢を見、その後、本当に殺されてしまうのだ。正夢というやつだろうか。
 ついに領主ラドス・フォン・ハルトまでもが自分に襲われる夢を見たため、たまたま滞在中だったナリクの聖騎士たちに護衛の依頼が舞い込んだ。シグナスの主人サー・ノックスも聖騎士のひとりである。
 「ねえ、こんな面倒なこと言ったらさ、絶対サー・ノックスに嫌がられてしまうよね……」
 「馬鹿者。従騎士の生命を護るのは主人の役割だ。遠慮なく報告しろ。あれが不機嫌なのは毎日毎時毎秒変わらないから諦めるしかない!」
 「やだなあ」
 「横で寝ていてくれれば解決が早かったんだが」
 シグナスは部屋のもうひとつの寝台をちらりと見て、
 「それじゃ緊張して寝られないよ」
 と言った。主人の寝台には皺ひとつない。いったい、サー・ノックスはいつ寝ているんだろう。
 シグナスは洗濯係に〈特別料金〉を支払うべく、金貨の詰まった巾着を袖元に押し込んで部屋を出た。廊下は暗く、雪国とあって春でも寒い。マントの前をぎゅっとかき合わせた。
 そこで、シグナスは閃く。
 「ねえクロ。僕が自分で解決するってプランはどうだろう。サー・ノックスに訴えて護ってもらうんじゃなく」
 「ふむ、よく言った。それでこそ騎士だ」
 「やってみる。僕の命だって、かかってるんだからね」
 聖騎士たちに割り当てられた部屋の並びは静かだが、そこここで人々が動き出している気配がある。洗濯は大変な仕事だから、領主様の御屋敷ともなれば、夜明けから働き始めるに違いないとクロは言った。シグナスはサー・ノックスが誕生祝いにくださった、大切なランタンを提げて歩いていく。
 その時、階上から大きな悲鳴が聞こえた。聖騎士たちが慌ただしく駆けていく足音が続く。また御領主様が悪夢を見てしまったのだ。シグナスは悩んだが、寝小便の恥より騎士の義務感が勝って方向を変え、階段を駆け上がる。
 領主の私室の前には純白のローブを着た聖騎士たちが三名ほど、領主お付の医者だという人と話し合っていた。シグナスが近づいていくと、その内のひとりが振り向いて手招きをしてくれる。サー・ベルールガは主人の後輩で、シグナスにも優しい。
 「また悪夢ですか? サー・ベルールガ」
 「そうなんだ。しかも」
 締め切られた領主の部屋の分厚い扉に目をやってから、
 「首を絞められた」
 「えっ」
 「幸いにもご存命だよ。ただし、窓も扉も全部閉まってたそうだ」
 「じゃあ、どうやって。犯人は魔法使いとかでしょうか」
 「さて」
 騎士は無精ひげの伸びて来た顎を撫でながら、面白そうな顔でシグナスをしげしげと見ている。
 「領主殿の仰せでは、姿見から下手人が出てきたそうだが。……何か言いたげだな?」
 「あのう、サー・ベルールガ。大変お手数をお掛けしますが、仕事を申し付けてはいただけませんか」
 「ははあ」
 訳知り顔で微笑んだ騎士は、
 「分かった。じゃあ、お前の主人を探してくれ。多分、街にいる」
 「ありがとうございます」
 シグナスは深々と一礼して、踵を返した。その背中に先輩騎士は言い添える。
 「気をつけろよ。街でも新たな被害者が出たらしいからな!」
 
 ◇
 
 今回のリプレイは、ここまでです。
 シナリオのプロローグと比べていただきますと、たっぷりアレンジを利かせて遊んでいることが一目瞭然かと思います。
 こんなに自由に物語っても許容範囲内なのがローグライクハーフの器の広さ。
 次回からは本題から脱線しないように手綱を握りつつ、ふたりによる不思議な殺人事件の捜査を開始していきます。
 自分も捜査してみたいぞと燃えてきた方は、是非FT書房様のBOOTHをチェックしてみてくださいませ。
 
 それではまた再来週お目にかかりましょう。
 良きローグライクハーフを!
 
 ◇
 
 (登場人物)
 ・シグナス…ロング・ナリクの聖騎士見習い。12歳。殺人者の悪夢を見ておねしょした。
 ・クロ…シグナスの相棒の〈おどる剣〉。元は人間かつ騎士だと主張している。
 ・ノックス…シグナスの主人。超が付くほど厳格な聖騎士。
 ・ベルールガ…ノックスの同僚の聖騎士。優しい。
 ・サン・サレンの領主…殺人者の悪夢に苛まれている。

■作品情報
作品名:『写身の殺人者』
著者:ロア・スペイダー
イラスト:海底キメラ
監修:杉本=ヨハネ、紫隠ねこ
発行所・発行元:FT書房
購入はこちら
https://booth.pm/ja/items/6820046
『雪剣の頂 勇者の轍』ローグライクハーフd33シナリオ集に収録


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2025年7月16日水曜日

第1回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ FT新聞 No.4557

第1回【竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜】ローグライクハーフリプレイ

※本作品はローグライクハーフの規定に基づくリプレイ記事です。ローグライクハーフ「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」の詳細な内容に踏み込んでおりますのでご了承ください。


■ローグライクハーフとは

「ローグライクハーフ」は、TRPGのように遊ぶこともでき、ゲームブックのように遊ぶこともできるという両者の中間のような位置づけのルールです。
1人でもプレイできますし、3人まででTRPGのように遊ぶこともできます。
その内容はランダムダンジョン。サイコロを振ってイベントを決め、起きた出来事に対処します。
同じイベントに行き当たらないような工夫がされているのもポイント高いですね。
簡単に遊ぶには、とても良くできたシステムなのです。


●作品紹介

ぜろです。
「ローグライクハーフ」のリプレイの時間がやってまいりました。
今回挑みますは、「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」という、なんとも奇抜なタイトルの作品です。
こちらは、「竜鍵諸島 〜フェスティバルだよ大集合!〜」に収録されている作品です。

この作品には2つのシナリオが収録されています。
ひとつは「素敵なおパンツ同盟 〜紡ぐは夢のおパンツ〜」です。
はい。前回までのリプレイです。
そしてもうひとつがこの「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」なわけです。
しかも今回は、前リプレイの感想もあとまわしにして、そのまま引き継いでプレイをさせていただきます。
なので、説明もほどほどに、内容に入っていきますね。

主人公はポストん。二足歩行するザリガニのような外見の宇宙忍者です。
クリアしたときのステイタスはこんな感じです。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6 器用点:5 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(片手武器・斬撃)
シノビ装束(革鎧・生命点+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0

【持ち物】
1星見のレンズ
2宝石(金貨25枚)
3ヤコウミツメ酒(1本):食料がわり。あと発光。
4火亀鍋
5ホム

【未使用経験点】1

【従者】
黒子(弓兵・射撃+1・斬撃)

【相棒】
【ドナ 技量点1 生命点7 器用点4】
【装備】
軽い武器(斬撃 攻撃-1)
弓矢
革鎧(生命点+2 器用ロール+1)


前回、「素敵なおパンツ同盟」にて、伝説の職人ビビエさんからとても素敵なおパンツを作ってもらった主人公ポストん。
しかしそのおパンツは、ものすごい重さのためやわらかい地面だと足から沈んでいくし、ボートに乗ったら沈没しちゃう。
履いてる本人は重力制御で守られますが、重さ自体は変わらないため、移動制限がついてしまうというデメリットつきなのでした。

ヘタしたら、重量オーバーで宇宙船にも乗れません。

そんなわけで竜鍵諸島の都市マックルーで、のんびり過ごしていたポストん。
そこに露店祭、フェスティバルの案内が!

なんとスタンプラリーに豪華景品まであるらしい。
せっかくだから楽しんじゃおう。

こうして、本編へと入っていくのです。


●レベルアップと前準備

前回得た経験点1点を用いて、ステイタスを上げます。
ここは器用点を上げることにしました。
器用点が、5点から6点へ。

それから、持ち物を換金します。
星見のレンズは換金情報がありません。
前回「素敵なおパンツ同盟」のラスボス戦を有利にするためのアイテムなので、役割も終えています。
なので持ち物欄を圧迫しないように手放しておきましょう。

ヤコウミツメ酒は食料として数えられるうえ、売却すれば金貨5枚…でしたけれど、次の冒険には持ちこせないとのことなので、消しておきましょう。
売っておいたことにして金貨5枚ゲットしても良かったと気づいたのは後の話です。
どうやらポストんは前回エピソードから今回までの間に飲んでしまったようですね。
ヤコウミツメ酒を飲むと全身が発光するという副次効果があるので、ポストんはきっと夜になるとほんのり光りながら楽しんでいたことでしょう。

そうそう、持ち物を換金しているところでした。
あとは宝石を売って金貨25枚に。
ここで耳寄り情報が。
冒険前なら、金貨を「ホム」に両替できるとのことです。
ホムというのは、ここ竜鍵諸島で使われる貨幣の単位のことです。
竜鍵諸島が舞台なのだから、ホムにしておいた方が使い勝手が良いに違いありません。
ここは全部両替して、5ホムにしておきましょう。
もともと持っていた1ホムと合わせて、6ホムになります。
「素敵なおパンツ同盟」のときには詳しい説明がなかったので、持ち物欄に入れてましたが、貨幣の単位なら、持ち物欄は使用しなくてもよさそうですね。

次に、今回の冒険に同行してくれる相棒を決めます。
前に連れていた相棒はドナ。
好奇心でポストんについてきた、器用度キャラです。
楽しい相棒でしたけれど、器用度キャラは、ポストんとかぶっているんですよ。
なので、別の相棒にしようと思います。

そして選ばれたのは、ヨアケというキャラクター。
竜人の戦士で魚屋さん。筋力キャラです。
水中戦が得意で、水中では竜形態にチェンジします。
人間の姿のときは、特徴的な衣装に身を包んだ女性の姿を取っています。

これも含めて、今回のステイタスはこんな風になりました。


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:7 筋力点:4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)

さあ、だいたい準備も整いました。
さっそく挑戦を始めましょう。

この「竜鍵諸島の露店祭」はd33シナリオです。
d33シナリオでは、1回のプレイで結末まで導かれることになります。
3×3の、9個のランダムイベントが用意されています。

と、いうことなのですが。
ゲーム前の説明を読む限り、9個のイベントすべてを通過することになるみたい。
てことは、変化するのはイベントの順番、ということになるのかな。
ちょっといつもと違った雰囲気を感じつつ、ポストんの物語の中に飛び込んでいきましょう。

プレイを始める前のおことわりを。

「ローグライクハーフ」のルールは、FT新聞誌上の発表も含み、追加要素などもいろいろ発表されています。
しかし忙しい私はあれこれ参照しきれません。
なので私は冊子版の基本ルールと、竜鍵諸島の冊子を参照にプレイしています。
たまにインターネット上で、ローグライクハーフwikiを参照することもあります。

ローグライクハーフwiki
https://ftbooks.xyz/ftwiki/index.php

さて、私はうっかりさんなので、基本的なところで根本的な勘違いをしたまま、あるいは堂々と間違った解釈をして突き進んでしまうことがあるかもしれません。
だから、私のプレイにとらわれず、みなさんはみなさんのローグライクハーフライフを送ってください。

リプレイの文中では、「プレイヤー視点」と「キャラクター視点」をあまり区別せず、わざと混在させて書くのがいつものスタイルです。
あるときにはキャラクターの心情になりながら、あるときにはメタ視点から眺めつつ進めていきます。


●アタック01-1 ポストんと露店祭

やあ。
私の名はポストん。
宇宙忍者なんてものをやっている。
シノビだから、普段は家の中に忍んでいるよ。

けど今私は竜鍵諸島の町マックルーにいる。
こないだちょっとした冒険を経て、超有名なおパンツデザイナー、ビビエ氏のオーダーメイドおパンツを、この地でゲットしたためだ。
ただ、ちょっとそのおパンツが…その、不便すぎて、自宅への持ち運びすら難儀するシロモノだったので。
質量があまりにもありすぎて…ね。
はいた者には重さを感じない重力制御がされてるみたいなんだけど、実際の質量はかわらないものだから、不便きわまりない。
エレベーターは重量オーバーで乗れないし。多分恒星間航行にも支障が出るレベル。
さすがにこれをはいていると、宇宙忍者活動に支障が出てしまう。

けどでもこれは、ビビエさんが私ひとりのためにオーダーメイドで作ってくれた世界にひとつだけのおパンツ。
それをすてるなんてとんでもない!

そんなわけで、有効な移送手段を思いつけないまま、ずるずるとマックルーに居座っているってわけ。
で、せっかくだからマックルーにいるときにしかできないような楽しいことを見つけようって思っていたら、まさにうってつけのイベント告知を発見!

マックルー・天下一露店祭。
多くの露店が立ち並ぶ、最高の催しだ。
しかも今回は特別企画があるという。
それが露店祭スタンプラリー。
指定のお店をまわり、すべてのスタンプを集めれば、豪華景品がもらえるのだ!

プロローグの中では、なにやらこの露店祭を妨害しようとする何者かの存在がアピールされているみたいだが、私にとっては知ったこっちゃない。
とにかくすべてのスタンプを集めて、豪華景品をゲットすること。
でも別に、ゲットできなくてもいいのだ。とにかく、このお祭り企画を目いっぱい楽しむこと。
それが今回の、私の目的だ。

「やあ、君もスタンプラリー参加者?」

声をかけられた。
竜人の女性だ。

「私はヨアケ。私もスタンプラリーに参加するのさ。誰かと一緒に回ってもいいっていうし、もしよければ、同行しない?」

うーん。どうしよう。
私としては、この手の祭りは、実は1人で回る方が好みには合っているのだ。
誰かといると、どうしても相手のペースを気にしてしまう性質なので。
自分ひとりなら、どんなに奇抜な行動を取っても、非効率な回り方をしても、見ているのは自分だけ。
誰にも気兼ねしなくていいのは楽ちんだ。

「はっきりしないなぁ、もう。いいよ、じゃあ私はこれで。どっかで会ったら協力プレイしようね」

ヨアケは立ち去ってしまった。
まあ、仕方ないか。はっきりしなかった私が悪い。

しかしこの時の私は思いもしなかったのだ。
このすぐ後にヨアケと偶然はち合わせてしまい、結局協力してスタンプ集めをすることになろうとは。


●アタック01-2 ポストんとヤコウミツメ酒

さあ、ここからは、ランダムダンジョンのルールにのっとり、サイコロを振ってイベントを決めていく露店祭が始まる。
本リプレイでは、サイコロを振ってイベントが決まったら、次にあるような表記でイベント番号と簡単な内容を示し、話を進めていくことにする。

【12 ヤコウミツメ酒とショットガンバトル】

「あれ、君もここに来たんだ。まあそりゃそうだよね。さっきのとこから一番近いし」

さっそくヨアケから声をかけられた。

「じゃ、ま、協力プレイといきましょうかね」

今度は私も断る理由はない。

ところで、ここは露店祭の最初を飾るにしては、少々過酷なイベントかもしれない。
というのも、ここの露店の店主、フワリミミナガのラディは、無類のヤコウミツメ酒好き。
好きすぎてこっそり作りまくった密造酒を使って、ショットガンバトルをするというのがここのイベントだからだ。
ショットガンバトルという単語には、私は詳しくはないのだが、ショットといえば、濃い酒を少量グラスに注ぐ飲み方。
グラスに入ったヤコウミツメ酒を、どれだけ飲めるかの勝負。

イベントの最初から、濃い酒を浴びるように飲むってのは、ペース配分上も明らかに間違っている。
ていうか、子どものスタンプラリー参加者はどうするつもりなんだよ。

さあ、それじゃ、ヤコウミツメ酒、いただきましょうか。
判定は幸運ロールだ。目標値は5。

私のサイコロの出目は2。技量点を足しても5点には届かず失敗。
ヨアケのサイコロの出目は3だったが、同様に5点には届かず失敗だった。

2人とも、酔っぱらって生命点を1点ずつ消耗してしまった。

「はい残念。良かったらまた挑戦してくださいね」

いや、この手の企画は1日に2回挑戦することは不可能だと思うぞ。
思わず本音で突っ込んでしまう私だった。

「あー残念。けっこういけると思ってたんだけどなぁ」

ヨアケが言った。体がほのかに発光している。
ヤコウミツメ酒の効果だろう。
もちろん、私の体もだ。

一応、判定に失敗しても、スタンプラリーはちゃんと押してもらえるから心配いらない。
参加することがスタンプの条件だ。スタンプラリーなんだから、それはそう。

「さて、改めてお願い。ここから一緒に回ってくれませんか?
 酔っ払いひとりで回るのは、ちょっと自信ないし、ヤコウミツメ酒でしょ。
 発光してるから、酔っ払いってまるわかりじゃん。
 酔っぱらった女性ひとり。さすがに危なくない?」

と、ヨアケ。
今度は私もさすがに同意した。たしかに、そのとおりだ。
こうして私はヨアケと組んで、スタンプラリーを攻略することにしたのだった。

次回、露店祭なのに戦闘が発生!?


【ポストん レベル11 技量点:1 生命点:6→5/6 器用点:6 従者点:8】
【装備】
シュリケン(弓矢扱い)
忍者刀(斬撃)
シノビ装束(生命+2 器用ロール+1)

【食料】0
【金貨】0
【ホム】6

【持ち物】
1 火亀鍋 食料消費時に全員回復

【未使用経験点】0

【従者】
黒子(弓兵)【射撃+1】

【同行者】
ヨアケ:技量点:1 生命点:7→6/7 筋力点:4
【全力攻撃】【全力防御】【かばう】
【装備】
両手武器(サンゴの槍)(斬撃)(攻撃+1)
板金鎧(生命+2 防御+1)

■登場人物
ポストん 宇宙忍者。おパンツ大好き。マックルー滞在中に露店祭に参加する。
ヨアケ 竜人の女性。ポストんと一緒に露店祭スタンプラリーの攻略を目指す。

■作品情報
作品名:「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」
著者:ロア・スペイダー
監修:杉本=ヨハネ
原案・設定:海底キメラ


ローグライクハーフ基本ルール及び「黄昏の騎士」本編
https://booth.pm/ja/items/4671946

竜鍵諸島 〜フェスティバルだよ大集合!〜
https://booth.pm/ja/items/5331098
※「竜鍵諸島の露店祭〜フェスティバルだよ大集合!〜」が収録されています。

本リプレイは、「ローグライクハーフ」製作に関する利用規約に準拠しています。
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg


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