コンパオレ大統領が、コートジボワール訪問を終えて帰国する直前に、空港で報道記者のインタビューに応じた(9月18日)。コンパオレ大統領の滞在中を通じて、コートジボワールの大統領選挙がちゃんと11月29日に行われるかどうかについて、大統領からどうもしゃきっとした説明が無かった。だから、質問は当然、そこに行く。
質問:大統領は、コートジボワールの危機解決のため、「周旋者」として力を尽くして来られました。それで今回の訪問では、平和プロセスが失敗してはいけない、という発言をされたようですね。もう少し明確に、今のお考えをお聞かせ下さい。
コンパオレ大統領:
「もちろん私は今回の訪問で、こちらの当事者の皆さん全員と、順次会って話をしたわけです。バグボ大統領とも、よく話をしました。私に今言えることは、コートジボワールの当事者の方々は、一つのことについては、認識が一致しているということです。それは、大統領選挙を行うことによってのみ、コートジボワールの危機は解決する、という認識です。同時に、皆さん口を揃えて言っているのは、選挙をするからには、適正な信頼できる選挙をしなければならない、ということです。
それで、大統領選挙の日取りが、決められた11月29日から動かされないように、という期待があります。しかしながら、私が思うに、何より大事なのは、選挙を行うのに、あまり急ぎすぎてはいけない、ということです。つまり、アフリカでは、いろいろな選挙の例を見てきていますからね。とくに、選挙を終えても選挙結果に異議が出て、それを解決するのに結局何年もかかる、ということになりそうだ、という場合にはね、急ぎすぎてはいけない。
だから、今は選挙人名簿がどのように発表されるか、それをよく見なければならないと思うのですよ。選挙人名簿が、信頼できる、みんなの同意を得られるものになるかどうか。そうした選挙人名簿があってこそ、大統領選挙が、コートジボワールと国際社会にとって信用できるものとなる、ということに確信が持てるようになるのです。
大統領選挙は、コートジボワールの国民和解のため、そしてコートジボワールの国際社会への信頼回復のための、基礎となるものでなければ。私が言いたいのは、このことです。」
さて、この記事を読んで、私には、どうもコンパオレ大統領は、11月29日の日程が守れないことの言い訳を始めたように思える。選挙が行われることそのものよりも、正しく選挙が行われることが大事だ、だから急いではいけない、という主張だ。準備が整わなければ、延期もやむを得ないという結論に繋がりうる。
かたやバグボ大統領は、国連総会出席のため、ニューヨークに出かけた。そしてバグボ大統領は、総会演説で大統領選挙についてこう述べた(9月25日)。
「全ての人々の力により、とくにコートジボワールの人々の取り組みと、平和への意気込みにより、平和プロセスはもはや止めることの出来ない段階に来ています。11月29日という日程も決められました。投票への道を阻む、いかなる政治的障害も存在しません。」
それでいて現実には、暫定選挙人名簿の公表が、8月29日に予定されていたのに、結局9月末の今になっても、まだ出てこない。まずは、コンパオレ大統領の、急いではいけない、という声がだんだん強くなって、最後に延期が発表される、というような段取りなのだろうか。昨年もどうもそういう理由で、大統領選挙が延期になったように覚えている。バグボ大統領も演説の威勢はいいけれど、要は「政治的障害」は無い、と言っているだけである。選挙人名簿の作成の困難をはじめ、「技術的障害」ならば、これから幾らでも出て来うる。
急いでいるような人がおよそ見あたらない、この国のお国柄である。むしろ、さあ急ぎましょう、と言いたいくらいなのに、急いではいけないと言うのは、休みましょうと言っているようなものだ。
質問:大統領は、コートジボワールの危機解決のため、「周旋者」として力を尽くして来られました。それで今回の訪問では、平和プロセスが失敗してはいけない、という発言をされたようですね。もう少し明確に、今のお考えをお聞かせ下さい。
コンパオレ大統領:
「もちろん私は今回の訪問で、こちらの当事者の皆さん全員と、順次会って話をしたわけです。バグボ大統領とも、よく話をしました。私に今言えることは、コートジボワールの当事者の方々は、一つのことについては、認識が一致しているということです。それは、大統領選挙を行うことによってのみ、コートジボワールの危機は解決する、という認識です。同時に、皆さん口を揃えて言っているのは、選挙をするからには、適正な信頼できる選挙をしなければならない、ということです。
それで、大統領選挙の日取りが、決められた11月29日から動かされないように、という期待があります。しかしながら、私が思うに、何より大事なのは、選挙を行うのに、あまり急ぎすぎてはいけない、ということです。つまり、アフリカでは、いろいろな選挙の例を見てきていますからね。とくに、選挙を終えても選挙結果に異議が出て、それを解決するのに結局何年もかかる、ということになりそうだ、という場合にはね、急ぎすぎてはいけない。
だから、今は選挙人名簿がどのように発表されるか、それをよく見なければならないと思うのですよ。選挙人名簿が、信頼できる、みんなの同意を得られるものになるかどうか。そうした選挙人名簿があってこそ、大統領選挙が、コートジボワールと国際社会にとって信用できるものとなる、ということに確信が持てるようになるのです。
大統領選挙は、コートジボワールの国民和解のため、そしてコートジボワールの国際社会への信頼回復のための、基礎となるものでなければ。私が言いたいのは、このことです。」
さて、この記事を読んで、私には、どうもコンパオレ大統領は、11月29日の日程が守れないことの言い訳を始めたように思える。選挙が行われることそのものよりも、正しく選挙が行われることが大事だ、だから急いではいけない、という主張だ。準備が整わなければ、延期もやむを得ないという結論に繋がりうる。
かたやバグボ大統領は、国連総会出席のため、ニューヨークに出かけた。そしてバグボ大統領は、総会演説で大統領選挙についてこう述べた(9月25日)。
「全ての人々の力により、とくにコートジボワールの人々の取り組みと、平和への意気込みにより、平和プロセスはもはや止めることの出来ない段階に来ています。11月29日という日程も決められました。投票への道を阻む、いかなる政治的障害も存在しません。」
それでいて現実には、暫定選挙人名簿の公表が、8月29日に予定されていたのに、結局9月末の今になっても、まだ出てこない。まずは、コンパオレ大統領の、急いではいけない、という声がだんだん強くなって、最後に延期が発表される、というような段取りなのだろうか。昨年もどうもそういう理由で、大統領選挙が延期になったように覚えている。バグボ大統領も演説の威勢はいいけれど、要は「政治的障害」は無い、と言っているだけである。選挙人名簿の作成の困難をはじめ、「技術的障害」ならば、これから幾らでも出て来うる。
急いでいるような人がおよそ見あたらない、この国のお国柄である。むしろ、さあ急ぎましょう、と言いたいくらいなのに、急いではいけないと言うのは、休みましょうと言っているようなものだ。
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