なんともあっさりと延期してしまったものだ。11月29日に実施が決まっている大統領選挙にむけて、今日(8月29日)、「暫定選挙人名簿」が公表されるはずであった。ところが、8月25日に大統領令が発布され、この公表期限を10月末まで延期するということになった。
先月(7月)23日に「工程表」が明らかにされた頃からすでに、有権者登録作業で集められたデータを集計・処理する作業が、どうも順調にいっていないらしいという噂があった。今月(8月)にはいっても、作業を担当する各地の調整センターのうち、作業が滞っているどころか、まだ開設さえされていないところがある、という。だから、ほんとうに、8月末に「暫定選挙人名簿」が出てくるのか、ここのところずっと懸念が出ていた。8月9日の「評価支援委員会」でもその点が取り上げられたけれど、何とかなるという選挙管理委員会からの説明であったし、誰もが楽観論で問題にされなかった。
大丈夫だろうか、と思っていたら、やっぱり大丈夫ではなかったわけである。それに、「暫定選挙人名簿」の発表期限に、数週間の遅れを認めようという話ならともかく、これをいきなり2ヶ月も先延ばしにしてしまった。もちろん、これは「期限」であるから、それより前に「暫定選挙人名簿」が公表されることはありうる。その場合は多少余裕があろう。しかし、もし公表が10月末ぎりぎりになると、選挙実施日まで、たった30日しかない。「暫定選挙人名簿」を公表してから後、異議の申し立てを受け付け、それを審理して「確定版の選挙人名簿」を発表するという段取りになっている。異議申し立ての審理には6週間は見ておかなければならない、という以前の見積もりであったはずだ。それはいったいどうなったのだろうか。
「あーら、簡単よ。」
と、夕食会で同席したブラジル大使(女性)が言う。
「確定版は、選挙が終わった後に発表されるのよ。」
もちろん冗談。そんなことはあり得ない。大統領令では、選挙当日までの段取りの日程について、次の通り定め直している。
「暫定選挙人名簿」の公表:(8月29日を遅らせて)10月末
「確定版の選挙人名簿」の発表:(10月22日を遅らせて)11月14日
選挙人証の配布:(10月30日を遅らせて)11月21日
投票日(第一回投票):11月29日
ほら、出来るだろう、と言わんばかりだ。6週間はかかるとされていた、異議申し立ての審理の期間が、2週間に短縮されている。また、選挙人証を配布してから、わずか1週間で選挙を実施するという計画である。とても真面目な日程表とは思えない。
「大統領令が、疑念を晴らした」
この大統領令を報道する、「友愛朝報」の見出しである。つまり、ここ数週間にわたり、「暫定選挙人名簿」が「工程表」通りに出てきそうにない、どうも選挙実施に至る日程が順調には守られそうにない、という疑念が出ていた。その疑念を、今回発布された大統領令が晴らしたというのだ。この見出しは、一流の皮肉なのだろうか。晴らしたどころではない。疑念をしっかりと裏付けたようなものである。
「まあね、ここはアフリカだから。」
と、アフリカ経験の長いイタリア大使が言う。
「時間の感覚が違うんですよ。月日は過ぎるもので、追いかけるものではない。日々が程々に過ぎていれば、まずは焦るということはない。いついつまでに、これこれを、という頭ではなくて、今これが出来ているからいいじゃないか、という風に物事を考える。昨年は、有権者登録作業を終えることが出来た。いいじゃないか。今年は、暫定選挙人名簿を公表できたら、いいじゃないか。そういうことですよ。」
なんと、その調子でいけば、来年に「確定版の選挙人名簿」が出来て、再来年に「選挙人証」が発行できて、大統領選挙はそのまた翌年になるというのか。この国の政治とつきあうのも、ずいぶんと忍耐がいることである。
先月(7月)23日に「工程表」が明らかにされた頃からすでに、有権者登録作業で集められたデータを集計・処理する作業が、どうも順調にいっていないらしいという噂があった。今月(8月)にはいっても、作業を担当する各地の調整センターのうち、作業が滞っているどころか、まだ開設さえされていないところがある、という。だから、ほんとうに、8月末に「暫定選挙人名簿」が出てくるのか、ここのところずっと懸念が出ていた。8月9日の「評価支援委員会」でもその点が取り上げられたけれど、何とかなるという選挙管理委員会からの説明であったし、誰もが楽観論で問題にされなかった。
大丈夫だろうか、と思っていたら、やっぱり大丈夫ではなかったわけである。それに、「暫定選挙人名簿」の発表期限に、数週間の遅れを認めようという話ならともかく、これをいきなり2ヶ月も先延ばしにしてしまった。もちろん、これは「期限」であるから、それより前に「暫定選挙人名簿」が公表されることはありうる。その場合は多少余裕があろう。しかし、もし公表が10月末ぎりぎりになると、選挙実施日まで、たった30日しかない。「暫定選挙人名簿」を公表してから後、異議の申し立てを受け付け、それを審理して「確定版の選挙人名簿」を発表するという段取りになっている。異議申し立ての審理には6週間は見ておかなければならない、という以前の見積もりであったはずだ。それはいったいどうなったのだろうか。
「あーら、簡単よ。」
と、夕食会で同席したブラジル大使(女性)が言う。
「確定版は、選挙が終わった後に発表されるのよ。」
もちろん冗談。そんなことはあり得ない。大統領令では、選挙当日までの段取りの日程について、次の通り定め直している。
「暫定選挙人名簿」の公表:(8月29日を遅らせて)10月末
「確定版の選挙人名簿」の発表:(10月22日を遅らせて)11月14日
選挙人証の配布:(10月30日を遅らせて)11月21日
投票日(第一回投票):11月29日
ほら、出来るだろう、と言わんばかりだ。6週間はかかるとされていた、異議申し立ての審理の期間が、2週間に短縮されている。また、選挙人証を配布してから、わずか1週間で選挙を実施するという計画である。とても真面目な日程表とは思えない。
「大統領令が、疑念を晴らした」
この大統領令を報道する、「友愛朝報」の見出しである。つまり、ここ数週間にわたり、「暫定選挙人名簿」が「工程表」通りに出てきそうにない、どうも選挙実施に至る日程が順調には守られそうにない、という疑念が出ていた。その疑念を、今回発布された大統領令が晴らしたというのだ。この見出しは、一流の皮肉なのだろうか。晴らしたどころではない。疑念をしっかりと裏付けたようなものである。
「まあね、ここはアフリカだから。」
と、アフリカ経験の長いイタリア大使が言う。
「時間の感覚が違うんですよ。月日は過ぎるもので、追いかけるものではない。日々が程々に過ぎていれば、まずは焦るということはない。いついつまでに、これこれを、という頭ではなくて、今これが出来ているからいいじゃないか、という風に物事を考える。昨年は、有権者登録作業を終えることが出来た。いいじゃないか。今年は、暫定選挙人名簿を公表できたら、いいじゃないか。そういうことですよ。」
なんと、その調子でいけば、来年に「確定版の選挙人名簿」が出来て、再来年に「選挙人証」が発行できて、大統領選挙はそのまた翌年になるというのか。この国の政治とつきあうのも、ずいぶんと忍耐がいることである。
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